2012年11月28日水曜日

あと十日

日本への出発が十日後に迫ってきた。やばい。このままでは帰国前までに予定していた実験が終わらないかも。だからといって急いでやれないのがハエの困ったところ。しかも今待っている実験は全てfollicleなので、アダルトのハエ達が出てくるのを焦って待つしかない。実験以外にも色々とやっておくべき事があるのだけども、どれから手をつければいいのか分からない感じでいまいちやる気が出ない。。。こういうときはまず優先順位をつけて一つ一つ潰していくしかないか。やっておくべきことの中で大きなものの一つは、年始に出す予定のグラント申請の原稿書き。とりあえず一月に提出するのはPreliminary Proposalなので、まぁなんとかなるんとちゃうのんとか思っていたけど、いまだ完全にはアイデアが固まっていない。今日の午後延々とハエのストックを更新しながらあれやこれやと考えているうちに、ぼんやりとしていたアイデアが少し整理されてきた。まぁこういうときはとりあえず書いてみるのが一番。ということでそろそろ重い腰を上げて、ハエ達が出てくるまでの間にちょっと書いてみるか。

2012年11月27日火曜日

DBR Team Issue

今乗っているバイクは4年くらい前にTargetで買ったSchwinnの安いやつだった。毎日朝晩の通勤に愛用していたのだが、やっぱり安物だからか色々と不具合が出てきていたので新しいのを探していた。で、ブラックフライデーで安くなっていたと言う訳でもないのだけども、この週末にいくつか回った町の自転車屋さんで中古のスペシャルなバイクを見つけた。黄色いフレームが眩しい、Diamondback Racing "Team Issue"。ちょっと古いモデルだけどあんまり使っていなかったのか結構きれいだし、しっかりチューンアップされている。しかもレース仕様だけあってめちゃめちゃ軽い。今日初めて行き帰り乗ってみてその軽さに驚いた。タイヤは結構ゴツイので、なんかタイヤだけで走ってるみたいなヘンな感じがするくらい。明日もこいつに乗ってフレンチタウンを激走。

Thanksgiving fishing

昨日は近所のマイクに誘われて、マイクとショーンと三人で釣りに行ってきた。去年と同じ、St. MarksのShell Island Fishcampで朝ポントゥーンボートを借りて、Wakulla Riverを下ってSt. Marksの灯台が見える河口付近を一日中魚を求めてさまよっていた。昼頃にブラックシーバスがオモシロイように釣れるホットスポットを見つけた。キャスティングするたびにかかってくるし、引き寄せた魚がくわえているルアーをさらに他の何匹かがボートのすぐ近くまで追ってくるという入れ食い状態。この辺りでブラックシーバスを見たのも初めてだけども、今までこんなにかかってきたことはない。と言ってもかかってくるのはほとんどがジュベナイルで、ブラックシーバスは10インチ以上しかキープできないという規定があるので、釣り上げては長さを測って放すというなかなか楽しいけど忙しい時間だった。結局持って帰ってきたのは15匹くらいか。他に当たっていたのはladyfishとかヒラメとか。大物のredfishを探して入り江をうろついたりもしたけど、今回は全く見なかった。昨日は一日中結構寒かったのだけど、やっぱり仲のいい友達と大自然の中でゆっくり釣りをするのはいいもんだ。なんだかこのFlorida Big Bendの豊かな大自然が大好きになってきている自分に気が付いた。

第三回ワイン会

金曜日、サンクスギビングの晩はウォルター家との第三回ワイン会兼サンクスギビングパーティだった。食べきれないほどたくさんのサンクスギビングの料理とともに飲んだのは以下のワイン達。
Barefoot Bubbly Brut Cuvée Champagne

Joseph Drouhin Beaujolais Nouveau 2012

E. Guigal Côtes du Rhône 2009

La Merika Pinot Noir 2010
乾杯のために最初に開けたシャンパンの後はあまり考えずに開けていたのだけども、今思えばこの順番で飲んだのはナイスだったのかも。サンクスギビングということで今年のボジョレーヌーボーを一応入れてみたのだが、いつも濃いめのワインを飲んでいるというのもあるだろうけど、これはすごい軽くてジュースのように感じた。その次にE. GuigalのCôtes du Rhôneを飲んで、あぁやっぱりうまいねぇと思っていたのだけど、今回一番気に入ったのはウォルター家が持ってきてくれた最後のLa Merika Pinot Noirだった。これは甘くてなかなか濃いピノノワール。分かり易いうまさ。

食べきれない料理は土曜日と日曜日に少しずつ残りを食べていくという、週末はなんだか正月のような雰囲気になった。サンクスギビングってこういう感じなのね。考えてみれば今までアメリカ人家族のサンクスギビングディナーに呼んでもらったことは何度かあったけど、うちで他の家族と一緒にサンクスギビングのパーティをしたのは初めてなのか。

2012年11月22日木曜日

ハブファーン

明日からアメリカはサンクスギビングホリデーということで、もう今日からアンダーグラジュエイトの学生達はみーんないない。たいがい昨日の夜から帰省しているようだ。で、自分が担当しているアリスンも昨日、「ブレイクの間、私のハエ見といてね!」って言って帰っていった。「ユーはブレイク取らないの?」ってオマエ、ミーがブレイク取ったらオマエのハエ見られへんやろうが。なんか、日本ではこういうのあり得ないですよね。まぁでももうこんなのは慣れてるから「オゥケィグレィ、ハブファーン。」と言ったものの、どのハエのことを頼まれたのかもよく分かっていないという、適当なアメリカ人に対する適当な応対が身に付いてきてしまっている自分に気付く。バージンメスを取っといてって言ってたな、確か。

2012年11月20日火曜日

I am thankful for.....

今週木曜日はサンクスギビング。ということで、ロウチビの学校では七面鳥の絵に「I am thankful for.....」という作文をする授業があったようだ。持って帰ってきたその作文を見てみると、「I am thankful for mom and dad.」「I am thankful for the food that comes from the farm.」と、なかなか上出来である。しかし、もう一つ「I am thankful for god's creation.」というのがあった。つまり「神の創造に感謝します」と。ふーむ、なんでこんなアメリカ人みたいなこと書いたんかなと思って聞いてみると、この作文をする前に何やらビデオを見せられて、その中で「人間を含め全てのものは神様が創造されたものだから、We should be thankful for god's creation。」という風に教えてもらったんだそうな。まぁまだ小学一年生やからね、神様に感謝しましょうね、で良いと思う。
しかし、御存知の方も多いかと思うけど、アメリカでは進化論を信じていない人の割合がかなり多い。もちろんキリスト教の教義上の理由からである。例えば以下のグラフはGallupによるデータで、アメリカ人への「人間の起源」に関するアンケート結果。一番上の黄緑色のラインが「人間は神が創ったものである」と信じている人の割合。その下の濃い緑が「人間は長い歴史の中で形を変えてきたけどそれは神によって導かれたものである」と信じる割合。で、一番下のラインが「人間は進化の結果出てきたものであり神は関わっていない」と信じる割合。
驚くべきことに、なんとアメリカでは2012年現在においても実に約8割の人が、人間は神によって創られたものであると信じ込んでいるのだ。日本では生物の進化なんて「エジソンは偉い人」とか「キヨスクは駅の中」とかよりも一般性のある常識だと思うけど、つまりアメリカでは「人間はサルから進化した」とか「生物はみな単細胞生物から進化した」なんてことを言うと、オーノーアタマダイジョーブデースカ?と思われる可能性が高いということだ。
では、国別の割合を見てみよう。以下の統計は2008年のデータで(Wikipedia, Level of support for evolutionより)、アメリカは右から二番目。日本は左から五番目。このデータでは進化を認めるアメリカ人の割合が4割ほどになっているけど、これは上のデータで「神に導かれた進化」を信じる人もいくらか含まれているからだろう。
それにしても、なんでこの科学先進国であるアメリカがこんなことになるのか。。。以前に一度、エボデボの巨匠、キャロル師匠と話す機会があったのだが、その時にこのことについて尋ねてみるとあのキャロル師匠が苦々しい顔で「もちろんキリスト教の影響だけども、アメリカでの教育の現状は本当にヒドイ。」とおっしゃられたことを思い出す。
実はロウチビには以前に「生物というのは、始め一つの小さな細胞として生まれた生命が長い長い時間をかけて今ある色んな形の生き物に変化してきたんだよ。これを“Evolution”といいます。」と教えたことがあった。昨日それをもう一度教えてあげると、「分かってるよ。だってパパが前に教えてくれたよね。」と言う。でもやっぱり幼い子供は学校で先生が間違えたことを教えるとは思ってもいないんだろう。こういうのを見ていると、上の約8割という驚くべき数字が信じられないものではなくなってくるのだ。

Los Cardos Malbec

Doña Paula Los Cardos Malbec 2009
またまたアルゼンチンのマルベック。香りは芳醇でチェリーやクランベリーのような味わいだけど、結構軽くて飲みやすい。Fresh Marketで10ドル以下だった。

2012年11月16日金曜日

nag

先週の金曜日に予定されていたジャーナルクラブは結局今日に変更になったので、今朝論文紹介をした。発表したのは先月Natureに報告された、TI博士のラボからSO博士の論文。

Mitochondrial defect drives non-autonomous tumour progression through Hippo signalling in Drosophila.  Nature  490: 547-551.

内容をごく簡単にまとめてしまうと、ミトコンドリアの機能障害を持った細胞でRas activationが起こると、ROS(活性酸素)の産生増加にともなうoxidative stressがJNK activationを引き起こす。このJNK activationとRas activationが協同的にHippo pathwayのdownregulationを引き起こす結果、Yki activationによってdownstream targetのUpdとWgの発現が促される。secreted growth factorであるUpdとWgは、mutant cellの周辺の細胞においてJAK-STATとWg signalingをactivateすることによりnon-autonomousなtissue overgrowthを引き起こす。またこの際、このmutant cellの周辺の細胞もRas activationを持っていた場合、この周辺の細胞はinvasive behaviorを示す。ということで、ハエを使って“Warburg hypothesis”を見事に説明した論文である。

この論文、大まかな内容は去年のFly Meetingで聞いていたので大体知っていたのだけど、オンライン版に出てきた日の夜寝る前に要旨だけ読もうと思ったら結局面白くて一気に最後まで読んでしまったのだった。ということで、とってもオモシロイ論文なのである。そしてオモシロイだけじゃなくて、読み終わった時になんだかちょっと感動した。今までに報告されているいくつかの論文ではすっきりと説明できずに自分の中ではなんやらモヤモヤとしていたいくつかのgenetic pathway interactionが、oncogenic Ras activationとmitochondrial dysfunctionのcooperationによるnon-autonomous tumor progressionというストーリーの中ですっきりと説明されている気がしたのだ。あと、たぶんこの感動は自分も同じようにハエ遺伝学を使っている研究者だからということからも来ているんだろう。それは、スゴイ仕事量を理解できるということ以上に、大げさかもしれないけど、ハエ遺伝学だけでこれだけのことができるねんで、というflypusherの意地と美学を見た気がしたからだと思う。もちろん細かいところを考えていくと、今回ハエ遺伝学だけでは説明しきれなかった疑問点がたくさん残されている。
例えば、
なぜRas activationがmitochondrial mutant cloneでoxidative stressを強く促すのか?
oxidative stressがJNK signalingを活性化させるメカニズムは何なのか?
RasとJNKのactivationがどのようにしてHippo pathwayをdownregulateさせるのか?これは“data not shown”だけども、論文の最後でRas-active mitochondrial mutant cloneにおいては、E-cadherinとDlgがdownregulateされていることからepithelial integrityに破綻をきたしていることが示唆されており、このepithelial integrity disruptionがHippo pathwayのinactivationの原因になっているのではないかと考察されているけど、もしそうならepithelial integrity disruptionを引き起こすメカニズムは何なんだろうか?
もちろんこれはこれで非常にビューチフルなストーリーに仕上がっているし、一つの論文で全てのメカニズムを説明することなんて不可能な訳で、これらの疑問点は今後の研究に期待ということになりますか。

2012年11月14日水曜日

Hectic Time

さて、実験以外のデスクワークはほぼ一段落した。あとはビザの更新申請のための書類作製くらいか。それにしても一時帰国が一ヶ月後に迫ってきてなんだか精神的に落ち着かない。一時帰国の準備自体に関しては、飛行機やホテルの予約は大体済ませたのであとはトークの準備のみ。今回の帰国では友人の方々のおかげで四カ所で講演できることになり、皆さんとの再会に加えて講演も楽しみだし、ということでなんだか楽しみでそわそわしてしまっているのも原因の一つかな。
しかしながら、やはり一番気になっているのは論文のリビジョン。再投稿の期限について、前回の手紙でエディターからは何の指定もなかったので聞いてみたところ、「競合しているかも知れないグループがあるって言ったよね?じゃこちらから期限を指定する以前になるべく早く出した方がエエんとちゃうのん?」とのこと。なるへそ、そりゃ確かにおっしゃる通りですわ。ということで、別に期限は指定されなかったけど余計にプレッシャーかかる感じ。帰国前までにできるだけの追加実験をやってしまいたいところだけども、一ヶ月では終わらないハエのかけ合わせがあるなぁ。で、こんな忙しい時にボスからは、来年一月にまたグラント申請したいからなるべく一時帰国前までにドラフト書いてよって言われた。おいおい、ちょっと待ってくれよと。こりゃ間違いなく今年一番のヘクティックタイムが始まりますな。

2012年11月13日火曜日

Novas Cabernet Sauvignon

Emiliana Novas Gran Reserva Cabernet Sauvignon 2009
ラベルに描かれた星座が印象的なチリのオーガニックワイン。花のような甘い香り。なめらかな味わいでいて酸味が心地よい余韻。これは旨いカベルネやねぇと思ったら、やはりメルローが15%ブレンドされているようだ。町の北にあるFresh Marketで15ドルほど。

2012年11月8日木曜日

居住者証明書

さて、いよいよリバイズの実験に取りかかりますか、というところで折悪しくなんやかんやと実験以外のことで必要なデスクワークがもりもり出てきた。
まずは明日が締め切りのFly Meetingのアブストラクトを投稿。ついでにレジストレーションも済ませる。ということで、来年春のFly Meetingは参加します。そしてゴーアイの論文のproof reading。その次に、来年の春に期限が切れるHビザの延長申請の開始について事務に話しにいく。そしてさらに、来月の日本での講演時に必要と言われた米国居住者証明書の申請書作成(Form8802)。米国居住者証明書ってなんじゃろかと思って調べてみたら、どうやら日本での所得税を免除してもらうために、米国に居住していて税金も米国に払ってまっせという証明書なので、これはIRSからの正式なフォーム(Form6166)でないといけないらしい。で、IRSのウェブサイトの説明を読んでみたら、申請から発行まで少なくとも45日かかりまっせと。こういうことはほんまにのんびりとしとんなぁ、間に合わへんやんけ。といっても今回は日本の大学側がとりあえずは申請書のコピーでなんとかしてくれるらしいのだが、このForm6166というのがこれまた結構分かりにくい。。。
あとまだもう少しあるけど、今日はここまで。ちなみに明後日金曜日のジャーナルクラブは自分の発表の番らしいので、これも準備せな。。。

2012年11月7日水曜日

お返事

昨日、エディターから反論のお手紙に対するお返事が返ってきた。レビュワーのコメント一つ一つに丁寧に答えた甲斐あって、結果は再投稿OKということでリジェクトだったステイタスがリビジョンに復活した。ということで今日、再投稿までにやらなきゃいかん実験をリストアップしてボスとデスカッション。まぁ結構追加実験が必要だし色々と書き直さなければいけないのだが、実は既に持っていたけどオリジナルの原稿には含めなかった実験結果というのもかなりあるので、二ヶ月あればなんとかいけるかなーという感じ。とりあえずは復活してよかったけど、やっぱりここからが踏ん張りどころですなぁ。
実は来月中旬にまた二週間ほど日本に一時帰国することになっているので、えらい忙しくなってくるけど気合い入れて乗り切るしかない。

2012年11月5日月曜日

North Florida Fair 2012

今日はデイビッドと一緒に娘二人を連れて毎年恒例のNorth Florida Fairへ。なんか、ついこの前来たばかりのように感じるけど、もう一年経ったのね。昼前に出て夕方まで、結構長いこと遊んだ気がしたけど今日で夏時間が終了ということで今日は一時間遅いからか、なんとなく時間に余裕があった一日。ということで、夕食後ラボに出てきてちょっとゆっくりハエ達をかけ合わせる。

2012年11月2日金曜日

Halloween 2012

昨日のハロウィンパーティとトリックオアトリートの写真。
いそげやいそげ、パーティが始まる。
今年も気合いの入った仮装をしてくれたマイク。子供達はロボットに大喜び。
と、思ったらいきなり煙が出てきたりして逃げ惑う子供達。
パーティの後、今年も9時頃まで近所を歩き回ってたくさんのお菓子をもらった子供達。
Happy Halloween!

2012年11月1日木曜日

トリート

今日も午後中コンフォーカル。で、コンフォーカルを5時半に終えてから大急ぎで帰って近所のマイクの家でのハロウィンパーティに参加した後、子供達と一緒に近所をトリックオアトリート。今年もまた随分歩き回って家に帰ってきたのは9時だった。そしてもう一度ラボに出てきて今度はハエのトリート。
今日の一枚。