2016年12月30日金曜日

exclamation

仕事納めとか言いながら、そういや今週Tさんがやってくれていた実験の結果を見ていなかったことを思い出して、帰る前に顕微鏡を覗いてみたら、なんとも驚きのフェノタイプがあって誰もいないラボで声をあげてしまった。very clear hyperplasiaが2つあるのは知っていたのだけど、それ以外にも2種類、見たことないようなfunny phenotypeを示しているヤツがいた。何が起こっているのかはなんとなく想像できるのだが、今までにこういうのは本当に見たことがないかも。なんか、Tさんの実験からは時々びっくりするようなものが出てくる。まぁ、また年明けに考えようっと。

2016年12月29日木曜日

2016仕事納め

ようやく今年する予定だった仕事も全てやり終えたので、大好きな Woo’s Burg のハンバーグを食べに行ってきた。やっぱりここのハンバーグはめっちゃ旨い。論文はサブミットしたし、おなかも満たされたし、これで心置きなく新年を迎えることができそう。それにしても今年は結構プロダクティブだったしアクティブに活動したな。なんといってもTHS論文をついに世に出すことができたし、そのあとさらに論文を2本書いたし、日本語の総説も2本出版された。トークは特別講義を含めると10回。泊りがけの出張は9回、ミーティングも3つオーガナイズした。肝心の研究の方も日本に帰ってきてからようやく色々と進展し始めて、来年からの展開がかなり楽しみになってきた。ということで、まぁまぁよくやりましたな、という感じですわ。

Depth Coding

今回この論文を書いているときに、ImageJの「Depth Coding」という機能に気付いた。こんなんあったんやねぇ。z-stackの画像を「Z project」で2D projection imageにすると、z-depth informationが失われてしまう。でもこの Depth Coding を使うと、z軸方向の深さをカラーでコードすることができるので、同じ深さにあるものが同じ色で示されることになる。なんかファンシーになるしね。場所は Fiji の「Image」→「Hyperstacks」→「Temporal-Color Code」。

投稿完了

ただいま論文投稿完了ー。なんとか帰省前に投稿することができた。期待通り速攻で校正してくれたジョンに感謝。なんか書き終えてみると、意外になかなかイイ感じのアーティクルになった気がする。基本的には方法論に関するもので、こういう感じのものを書くのは初めてだったし、どんなもんかねぇと思いながら書いたのだが、結構重要なことをプロポーズできたかなという感じ。まぁ何はともあれ、これで今年の執筆は全て終了やな。

2016年12月28日水曜日

close to final ms

懸案の論文原稿は、昨日今日とKが書いたパートに改訂を入れつつイントロとデスカッションも書き足して、ようやく最終版の形ができた。こんなホリデーシーズンに速攻で英文校正をしてくれる親切なアメリカ人の友達は、と考えて真っ先に思いついた二人のジョンのうちの一方にまず連絡を取ってみたら、快く承諾してくれてほっとした。ということで、さきほど原稿をジョンに送付。明日さらに校正を入れたら明後日には投稿できるかな。なんだか今年はほんまに一年中何かを執筆していた気がする。

2016年12月25日日曜日

Ile La Forge Syrah

Domaines Paul Mas Ile La Forge Syrah 2014
ラングドックのSyrah 100%。結構スパイシーだけど、しっかりした感じでなかなか飲みやすい。いろんな料理に合いそう。千五百円ほど。

2016年12月24日土曜日

Merry Christmas

今日はクリスマスイブ、ということで、家でクリスマスディナー。ローストチキンを食べてクリスマスケーキを食べて、それから子供達とNORADのサンタクロース追跡を見て、子供達が寝静まってからオフィスに出てきて、今クリスマスジャズを聴きながら論文執筆作業中。オフィスに来てから、サンタクロースが三島上空に入ったのを確認した。
そういやエディターから返事が返ってこないと思っていたら、担当のエディターはもうすでにバケーションに入っていたみたいで、昨日アシスタントからメールが来て、締め切りは今月末ということになった。

ectodermal hindgut

「In Drosophila, SJs are divided into two classes based on morphological appearance: pleated SJs are found in ectodermally derived tissues, such as the hindgut, while smooth SJs are observed in endodermally derived tissues, including the midgut.」

って、さっきの論文でこういうことを書いてあるんやけど、こんなん知らんかったなぁ。同じ腸管でもectodermalのhindgutとendodermalのmidgutで違うんやねぇ。老化によるseptate junction proteinsのlocalization changeもhindgutではほとんど起こらないようだ。ヘンやねぇ。

Aged TCJs

Tricellular junctions regulate intestinal stem cell behaviour to maintain homeostasis.  Nature Cell Biology  19: 52–59.
Ageing results in loss of tissue homeostasis across taxa. In the intestine of Drosophila melanogaster, ageing is correlated with an increase in intestinal stem cell (ISC) proliferation, a block in terminal differentiation of progenitor cells, activation of inflammatory pathways, and increased intestinal permeability. However, causal relationships between these phenotypes remain unclear. Here, we demonstrate that ageing results in altered localization and expression of septate junction proteins in the posterior midgut, which is quite pronounced in differentiated enterocytes (ECs) at tricellular junctions (TCJs). Acute loss of the TCJ protein Gliotactin (Gli) in ECs results in increased ISC proliferation and a block in differentiation in intestines from young flies, demonstrating that compromised TCJ function is sufficient to alter ISC behaviour in a non-autonomous manner. Blocking the Jun N-terminal kinase signalling pathway is sufficient to suppress changes in ISC behaviour, but has no effect on loss of intestinal barrier function, as a consequence of Gli depletion. Our work demonstrates a pivotal link between TCJs, stem cell behaviour, and intestinal homeostasis and provides insights into causes of age-onset and gastrointestinal diseases.

Drosophila midgutでは老化に伴って、ISCs proliferationの増加、mis-differentiated progenitor cellsの蓄積、inflammatory signalingの活性化、intestinal permeabilityの増加、といったような現象が生じることが分かっている。この論文では、aged flyのenterocytesにおいて、tricellular junctionのseptate junction proteinsのlocalizationがおかしくなっていることが発見された。これはsubcellular localizationがおかしくなっているということで、発現レベルが低下しているということではない。RNA seqでは、大部分のjunctional proteinsの発現レベルは、old flyでむしろ増加している。tricellular junctionにlocalizeするseptate junction proteinの一つ、Gliotactin (Gli) も加齢に伴ってそのlocalizationが低下しており、cytoplasmに移行している。ちなみにGliは通常、ISCsとEBsには認められない。young flyにおいてもECsでのGli knockdownを誘導すると、スマーフの割合が増えて寿命が短くなるのだが、ここでEsg-positive cellsとPH3-positive cellsの増加、つまりISCsとEBsの増殖が引き起こされていることが分かった。つまり、分化した上皮細胞のtricellular junctionがゆるくなることが、non-cell-autonomousにISCsの増殖に影響していると。ちなみにこれらの影響は、Gli knockdownをストップするとリカバーすることができる。で、一応これに対して示されているメカニズムは、Gli depletion → JNK activation だけなんやけど、まぁJNK以下のnon-cell-autonomous signalingは色々と報告あるからね。老化によってGliのlocalizationがおかしくなる原因が非常に興味深いところなんやけど、これに関しては何も触れていない。

2016年12月20日火曜日

あと二週間

今年も残すところあと二週間ですか。。。もうちょっと待ってほしい。ちなみに今日が論文の締め切り日だったのだが、やはり終わらなかった。エディターに、もうちょっと待ってよねっていうお便りを書こう。こういうのはもう少し早め早めにやりましょうねって、そんなことは分かっとるんやけど、日々なんやかんやと他にもやらなければいけないことが出てきてこうなっちゃうのよね。まぁ仕方ない。でも(なるべく)今年中にはサブミットします。
年賀状も書かなあかんやん。

Slit-Robo2

Iラボにいてたジョンの論文が早くも出版されたようだ。夏にオーランドで会った時に、今日サブミットしたとかいう話をしていたので、ちょうど5ヶ月ぐらいか。研究生として日本に滞在していた2年足らずでこの仕事をやり遂げたジョンの働きぶりには驚かされる。
scrib mutant cloneにおいて、JNK activation → autocrine Slit-Robo2 → Ena という流れのsignalingがE-cadherinをdisruptすることによって、epithelial layerからのextrusionが促されるというお話。つまり、Slit-Robo2が働かないと、scrib mutant cellは排除されずにepithelial layer内に残ってtumorigenicになる。逆に、Slit-Robo2をhyperactiveにすると、多くのscrib mutant cellsがextrudeされるのだが、このときapical側へ抜けたヤツらはlumenでtumorになる。このあたり、自分がwing discで見たものと似ている。あと、JNKとSlit-Robo2-Enaの間にはpositive feedback loopがあるようだ。ちなみに、SlitとRobo2というligand and receptorは、axon guidanceにおけるcell repulsion and migrationで機能していることが知られている。

Slit-Robo repulsive signaling extrudes tumorigenic cells from epithelia. Dev Cell. 39: 683–695.
Cells dynamically interact throughout animal development to coordinate growth and deter disease. For example, cell-cell competition weeds out aberrant cells to enforce homeostasis. In Drosophila, tumorigenic cells mutant for the cell polarity gene scribble (scrib) are actively eliminated from epithelia when surrounded by wild-type cells. While scrib cell elimination depends critically on JNK signaling, JNK-dependent cell death cannot sufficiently explain scrib cell extirpation. Thus, how JNK executed cell elimination remained elusive. Here, we show that repulsive Slit-Robo2-Ena signaling exerts an extrusive force downstream of JNK to eliminate scrib cells from epithelia by disrupting E-cadherin. While loss of Slit-Robo2-Ena in scrib cells potentiates scrib tumor formation within the epithelium, Robo2-Ena hyperactivation surprisingly triggers luminal scrib tumor growth following excess extrusion. This extrusive signaling is amplified by a positive feedback loop between Slit-Robo2-Ena and JNK. Our observations provide a potential causal mechanism for Slit-Robo dysregulation in numerous human cancers.

2016年12月14日水曜日

disappointing

昨晩は研究所の大忘年会。だったのだが、なんやらえらい疲れていて体調が悪かったので、まぁ顔だけは出そうかと思って参加。で、乾杯後少ししてからある方が話しかけてきたと思ったら、まぁなんとも的外れで浅はかな批判を繰り広げてくれた。自分としてはこういうことも想定していたとは言え、この人の反応ははっきり言って、残念、の一言やったなぁ。自分のこだわりだけに固執して本質を見る能力のない人。もうなんだかさらに体調が悪くなって楽しめなくなったので早々にパーティから出てきた。久しぶりに他の人たちと色々話したかったのだけど、まぁ仕方ない。
で、まぁそんなことはどうでもええんやけど、早く次の論文を仕上げないといかんのよねぇ。体調はやや回復。今年は風邪をひきそうになってもひかない。

2016年12月13日火曜日

Aoyama

昨日は、友人のHH博士がいる青山学院大学の相模原キャンパスで特別講義をさせてもらった。淵野辺というところにあるなかなかおしゃれなキャンパス。cell competitionとかCCHの紹介をしながらtissue homeostasisの話をしたのだけど、学部3年生向けの授業ということで、なるべく基本的なところから丁寧に。授業中は皆さんおとなしいなぁという印象だったけど、提出された感想文を見ると、なかなかしっかり理解してもらえたのかなという感じ。で、夜はHラボのメンバーと懇親会。みんな4年生かM1という元気一杯の若い子達に囲まれるようなことは、研究所ではほとんどないことなのでなかなか新鮮。途中からはずっとみんなの恋愛相談になっていた。こういう雰囲気、やっぱり大学はいいよなぁと思う。

Skywalk

日曜日、子供達を連れてふらっと三島スカイウォークへ。渡るつもりはなかったのだけど、よく見たら料金が値下げされていたので、それなら渡ってみるかということで初めてスカイウォークを歩いた。少し前に三島の新しい観光名所としてオープンしたのだが、オープン当初は結構な人出だったし、料金が随分高かった印象だったので今まで渡ったことがなかった。歩行者専用としては日本一長い吊り橋なんだそうな。吊り橋の上はものすごい寒かったけど、帰りはちょうど日没時で駿河湾に沈む夕日はなかなか綺麗だった。

Saint Bertrand des Garrigues

Saint Bertrand des Garrigues Côtes du Rhône 2015
コート・デュ・ローヌの赤。Grenache、Syrah、Mourvèdreのブレンドなのかな。久しぶりに濃い赤ワインを飲んだ。凝縮感のある甘い果実味とスパイス、そして柔らかいタンニンの後味が心地良い。やっぱり自分はローヌ南部のワインに好きなのが結構多いな。

2016年12月9日金曜日

another deadline

今日の午前中はラボの年末大掃除。なんかついこないだクリスマスミュージックをかけながら窓拭きをやったような気がするのだが、もうあれから一年経ったということですか。
なんだか昨日の疲れが残っているのだけど、もう一本の論文の締め切りも迫ってきているので取り組まんといかんなぁ。来週もなんやかんやと忙しい予定なのだが、果たして締め切りまでに終わるんだろうか。。。
レビューアーティクルの方は一昨日、WMがエディターに送ってくれたので、来週あたりレビューに回るのかな。まぁ、返ってくるのは年明けやね。

2016年12月8日木曜日

tense skype

今晩はオフィスでちょっと大事なスカイプミーティングを行った。学生の頃から注目していたある研究者と初めて話す機会にもなって、ちょっと緊張してしまったけど、うまく伝わっただろうか。いやぁ、なかなかエキサイティングだった。さてさて、どうなることやら。

2016年12月7日水曜日

THS in ASCB

Twitterを見てると、今週サンフランシスコで開催されているASCB2016の写真がたくさん出てくるのだが、PLOSのブースにはホットスポットの写真がデザインされたポスターがたくさん見える。なかなかエエ感じ。

2016年12月6日火曜日

第三稿

懸案のレビューアーティクル。先週の第二稿に対してWMがようやくなんやかんやとコメントを入れてくれたので、手直しを加えて先ほど第三稿を返送した。なんか今回は早くもそろそろ煮詰まって来た感じ。とは言っても、すでにエディターに延期してもらった締め切りをさらに数日過ぎているので、もうええかげんサブミットせなあかんやん。

2016年12月5日月曜日

金曜日

学会最終日は、午後にウチのKがCCHのポスター発表。なんか初っ端から随分とたくさんの人が聞きに来てくれていて、Kのまわりには人だかりができていた。で、それを遠巻きに見ていた自分に声をかけてくれたのは、このブログを読んでくれているというMY博士。自己紹介がてら研究の話をしていたら、どうもお互い見ているものに共通性があることに気付いてちょっと本気のデスカッションに。色々とオモシロイお話を聞かせていただいた。こちらの話はまだまだプレリミナリな仮説段階だけど、もしかしたら共通のメカニズムがあるのかも知れない。久しぶりに、ブログやってて良かったなと思った。

こんな感じで今年のMBSJも終了。帰りはいつのまにか一緒になったYN博士と新横浜まで。なんだか長い一週間だった。

第七回ダートマスの集い

そして学会二日目の夜は、ダートマスの集い。今年でもう7回目。毎年こうしてみなさんの御活躍の様子を聞かせてもらって元気をもらっている。相変わらず、Nさんの活躍ぶりはモノスゴイのだった。そして毎年この集まりに出ると、本当に一年経つのが早いなと感じてしまう。頑張らないとな。

2016年12月4日日曜日

木曜日

学会二日目。チェックしていたポスターを見に行ったらちょっと混んでいたのだけど、ノーマークだったその隣のポスターが気になって話を聞いてみるとなんともオモシロデータだった。最近の論文で似たような話を見たような気がしたのだけど、やっぱり違う。モデルにしていたのは幼虫のlymph glandだったけど、imaginal discのtumorも同様の方法でコントロールできるんだろうか。メカニズムがかなり気になる。その後、ポスター会場でばったり出会ったロンドンのSH博士とカフェで話し込んだ。

第四回FSUの集い

学会一日目の夜は、中華街でFSUの集い。みなさん変わらず。

水曜日

水曜日からいよいよ分子生物学会開幕。この日の朝はまだ箱根湯本の旅館の天空露天風呂でゆったりしていたのだが、4人で旅館の朝御飯をしっかりと楽しんでから横浜へ。午後1時からのシンポジウム、「Cell Competition - its implication in various physiological and pathological processes」になんとか間に合った。シンポジウムは例年通り、なかなか熱いデスカッションが繰り広げられていた。自分はTHSのトークをしたのだが、考えてみりゃ論文が出てから国内の学会で発表するのは今回が初めてだったか。

火曜日

で、火曜日は朝から4人で電車に乗って箱根へ。湯本の旅館に荷物を置いてから、登山列車、ケーブルカー、ロープウェイと乗り継いで一番上の大涌谷まで辿り着いた。寿命が延びるという名物の黒たまごを食べて、cellular competitivenessがactivateしたとか言って喜ぶcell competition研究者4人。その後、芦ノ湖までハイキングする予定だったのだが、大涌谷近辺は未だに火山活動の影響でハイキングコースには入れず、一つ下の姥子から少し短いハイキングになった。なんとか壮麗な富士の姿をスペイン人二人に見せてあげたかったのだけど、この日は半分雲がかかっていたり、てっぺんの辺りだけ雲の上に顔を出したり、ちょっともどかしい感じだった。でもその後さらに、芦ノ湖の遊覧船に乗って、箱根神社にお参りして、旅館でゆっくりと温泉につかってと、この日の箱根観光はみんな大満足だった。この一日で、だいぶ色々と研究のデスカッションもすることができた。

2016年12月3日土曜日

月曜日

今年の分子生物学会、MBSJ2016で開催された Cell Competition のシンポジウムには、リスボンのDr. EMとマドリッドのDr. MTが招聘されていたのだが、二人とも学会の少し前から日本に滞在するということで、月曜日にYF博士が二人を三島まで連れて来てくれた。ということで、月曜日は昼に三島駅で3人を拾って、三島名物のウナギを堪能してもらってから、遺伝研でお二人にセミナーをしてもらった。セミナーがちょっと長引いたことで、みんながビックリの失笑アクシデントがあったのはさておき、さすがの面白トークを楽しませてもらった。夜は構造党のメンバーも呼んで、ダウンタウンの居酒屋で乾杯。

back to office

ようやく、オフィスに帰って来た。
ちょうど一週間前の土曜日の夜、翌日の日曜日に秋葉原で開催された大学共同利用機関のシンポジウムでの講演資料を作成していたとき以来、やっとオフィスのパソコンの前に落ち着いて座ることができた。なんかだいぶ長い時間が流れたような気がするほど、この一週間はいろんなことがあったなぁ。