2019年2月28日木曜日

Keystone3日目

今日の朝からついに太陽が出て雪が止み始めた。昨晩もよく眠れたので時差ぼけもすっきり解消かと思いきや、やっぱり午後には強烈な眠気が来るし、なんだかちょっと偏頭痛が続いている。体調はまぁまぁ良いんだけどなぁと思っていたら、ランチの時の会話で、もしかしたら軽い高山病の症状なのかもという話が出た。言われてみれば、ここは標高2000メートル近くある。確かに、一昨日スキーした時も息がきれるのが早く感じたし、随分疲れたのはそういうことなのか。なるほど。
今日の午後は少し時間があったので、ダウンタウンのメキシカンレストランへ行ったあと、Lake Tahoeの湖畔を散策。なかなか素晴らしい景色。今日はディナーの後のポスターセッションでも発表したし、これまた充実した1日でした。ということで、3日目も終了。

2019年2月27日水曜日

Keystone2日目

学会会場のホテルが近くのスキー場までシャトルバスを出してくれているので、昨日の午後は空き時間に学生たちと一緒にスキーをしに行って来た。昔オリンピックに使われたこともあるところらしく、かなり立派なスキー場。あいにく吹雪いていたので景色が全く見えなかったけど、晴れていたら相当綺麗なはず。
で、昨日の昼頃から降り始めた雪は勢いを増していまだに降り続いている。札幌でもここまで降り続くことはあんまりない。ということで、今日はランチを食べに少し街へ出た以外はほとんど会場に缶詰状態。まぁ、面白い話がたくさん聞けるし、いろんな人と知り合いになれるので結構楽しんでいるのだけど、そろそろ晴れて欲しいな。太陽が出てこないと時差ぼけも治らない気がする。

2019年2月26日火曜日

Keystone1日目

Keystone1日目は無事終了。朝のセッションの一番最後でトークをした。15分のショートトークだったのでかなり内容を削って最小限のものにしたのだけど、かなり質問が出ていたし、終わった後にも結構な人が声をかけてくれたので、まぁまぁうまくいったのだろう。やっぱり1日目にトークをすると参加者に認識してもらえるし、気持ちも楽になるからいいね。写真はDr. SAが撮ってTwitterに上げてくれていたもの。

2019年2月25日月曜日

Lake Tahoe到着

成田、サンフランシスコを経由して、昨日の夕方ようやく学会会場があるLake Tahoeに到着。会場は、Granlibakenという湖畔近くの山の中にあるリゾートホテルという感じ。かなり雪深く、札幌ほどではないけど気温も結構低い。すぐ近くに結構有名なスキー場があるらしい。今日からここで4日間Cell Competitionのキーストーンミーティングが始まるのだが、自分はまず今日初日の朝のセッションでショートトークをする。時差ボケのせいで朝早く目覚めたので、なんとかスライドの準備はできた。もう何度も発表しているCCHの話だけど、今回は知らない人も多そうだからちょっとしっかりと紹介したいところ。さぁどうなることやら。

2019年2月23日土曜日

Lake Tahoeへ

ということで、明日から行くのは、CaliforniaのLake Tahoeで開催されるKeystone Symposia「Cell Competition in Development and Disease」。キーストーンに参加するのは初めてだし、cell competitionと言いながらも今回かなり広範囲の分野の研究者が呼ばれているようなので、かなり楽しみだ。旅の準備せないかんな。

無事脱稿

あぁ、ようやく論文原稿を終わらせることができた。ということで、先ほどメールでエディターへ原稿送付完了。エディターには、今週中に提出できると思う、と言ってしまっていたし、明日から一週間アメリカ出張なので、今日提出できて本当に良かった。それにしても今回の執筆は難航したなぁ。この数週間、ほんまにしんどかった。。。
ちなみに今週の学会では、ショートトークだけでなくポスターも準備して欲しいということだったので、今日の午後急遽ポスターも作成。以前に K が作ってくれたのを少し作り変えただけだけど、まぁまぁそれなりのものができた。さぁ、あとはトークの内容を考えないと。

2019年2月21日木曜日

また余震?

今まだラボにいるのだが、さっきまたすごい揺れがきた。論文にreferenceを付ける作業中なのだけど、なんかまだドキドキして集中できない。。。ラボにはまだ学生達が結構いてて、すぐにフライルームを見に行って無事を確認して来てくれた。どちらかというと縦揺れだったから、物が落ちたりとかはほとんどなかったのかな。あぁびっくりした。。。

cortical Yki

昨日、ラボのジャーナルクラブで紹介した論文。
Yorkie functions at the cell cortex to promote myosin activation in a non-transcriptional manner.  Dev. Cell, 46: 271-284, e5.
The Hippo signaling pathway is an evolutionarily conserved mechanism that controls organ size in animals.  Yorkie is well known as a transcriptional co-activator that functions downstream of the Hippo pathway to positively regulate transcription of genes that promote tissue growth.  Recent studies have shown that increased myosin activity activates both Yorkie and its vertebrate orthologue YAP, resulting in increased nuclear localization and tissue growth.  Here we show that Yorkie also can accumulate at the cell cortex in the apical junctional region.  Moreover, Yorkie functions at the cortex to promote activation of myosin through a myosin regulatory light chain kinase, Stretchin-Mlck.   This Yorkie function is not dependent on its transcriptional activity and is required for larval and adult tissues to achieve appropriate size.  Based on these results, we suggest that Yorkie functions in a feedforward “amplifier” loop that promotes myosin activation, and thereby greater Yorkie activity, in response to tension.

シカゴのDr. RFのラボからの報告。去年出たときに気になっていたけどちゃんと読めていなかった論文。まずは、imaginal discでのYki-YFPの発現をlive tissueで観察すると、apical junctional region(AJR)へのlocalizationが確認されたという発見がベースとなっている。airyscanを使うとwild-type tissueでもAJRへのYki-YFPのlocalizationが確認されるのだが、wts mutantのようにYkiが活性化される条件では、このAJR localizationはさらに顕著になる。ちなみに、このYkiのAJR localizationは固定後の組織ではかなり見えにくくなってしまうということなので、それが今まで注目されることがなかった原因なんだろうか。ということで、このcortical Ykiのfunctionを追っていくお話なのだが、簡単に言うと、このcortical Ykiはこれまでによく知られていたYkiのtranscriptional activityとは関係なく、Stretchinというmyosin light chain kinasesを介してmyosinの活性化を促しているということ。myosin activationはHippo signalingのdownregulationを引き起こすため、cortical Yki → myosin activation → Hippo signaling downregulation → Yki activation というfeedforward loopによってtissue growthの促進が起こるという訳。また、myristoylation signalをくっつけたYkiのN末34残基だけでこの一連の流れが引き起こすことが示され、最後には、Ykiのtranscriptional functionを失わずにmyosin activation functionだけを失ったmutant allele(N末34残基中6つの酸性残基をアラニンに置換したmutant allele)のhomozygoteでは、myosin activationの低下とともにimaginal discのみならず体のサイズ自体が小さくなることが示されており、結構最後まで楽しめる話だった。Ykiが実際にはどうやってAJRへ向かうのか、tumor contextではどうなんだろうか、とか色々と興味は尽きない。

2019年2月20日水曜日

M

二月の末頃から医学部基礎配属の実習でうちに来ていたMは、早くも今週で実習期間が終了。ということで、昨日のラボミーティングのときに今回の実習内容を発表した。と言っても一ヶ月弱の期間でできる実験はそれほど多くはなく、ovarian follicle cellsでのcell cycle switchに関する基本的なこと、それを示すCutやHntの抗体染色の結果、そしてそれらをもとに考えたfollicular epitheliumにおけるtumor initiation mechanismの仮説、という内容。それにしてもMは三年生ながら、大抵実験の空き時間には渡した論文を読んでいたし、昨日の発表も自らの希望で英語でプレゼンしたし、なかなか将来有望な学生だった。今回の実習で基礎研究に対する見方がだいぶ変わったと言っていたので、もしかしたら将来こちら側へ来る可能性もあるのかもしれない。しかし、基礎配属の期間が一ヶ月だけというのはちょっと短すぎるなぁ。

2019年2月18日月曜日

Spring?

木曜日から週末にかけて、三島に一時帰国。昼間は結構暖かかったので下の子とサイクリングに出たら、梅の花は満開だし、遺伝研の中にあるいくつかの桜が咲き始めていて、春がもうすぐそこまで来ていることを感じた。で、昨晩札幌に帰って来たのだけど、やっぱりこちらはまだまだ雪深い真冬の真っ只中。さぁ、今週はえらい忙しくなる予定。
と、これを書いているちょうど今、ついにエディターから督促のメールが来た。まぁ、もうすでに締め切りを二週間過ぎているからなぁ。すいません、なるべく今週中には。。。

2019年2月11日月曜日

over the hill

この数日、ようやく執筆にのめり込むことができた。関連する論文の記述を読み直して、別々に書いていたパートを完成させていくうちに、これまでバラバラのように見えていたパートが少しずつ繋がってきて、ようやく全体として言おうとしていることが見えてきた。あてもなく色々と書き続けているうちに次第にストーリーが繋がってくるというのは、なんだか変な感覚。自分でトピックを決めて書き始めた話なんだから、ストーリーを通して言わんとすることは書き始める時から自分の中にありそうなもんだけど、Tumor Initiationというトピックがちょっと漠然として大きかったこともあって、今回は本当についこの数日まで見えていなかった。ということで、締め切りはだいぶすぎたけど、ようやく峠を超え始めた感覚がある。

2019年2月10日日曜日

Helsingin tuomiokirkko

久しぶりに雪まつりを見に行きたいのだけど、相変わらず執筆に追われていて行けない。ということで昨晩、家に帰る途中にちょっと遠回りして大通公園を見物。もうライトアップも終わっていたけど、このヘルシンキ大聖堂だけ照明に照らされて綺麗に浮かび上がっていたので車から降りて撮影。

2019年2月8日金曜日

寒気

最強の寒気が北海道上空に来ているとかで、今日は確かに気温が全く上がらない。昼なのにマイナス11℃とか。。。さっき、いつものようにコートを着ずに近くの学生食堂まで行ったのだけど、凍るかと思った。ということで、今日は夜までラボにこもって執筆に集中しよう。

2019年2月6日水曜日

powder snow

今日の雪はふわふわの綿のようだ。

M6

Mutations in the Drosophila tricellular junction protein M6 synergize with RasV12 to induce apical cell delamination and invasion.  PNAS, 115: 8358-8363.
Complications from metastasis are responsible for the majority of cancer-related deaths.  Despite the outsized medical impact of metastasis, remarkably little is known about one of the key early steps of metastasis: departure of a tumor cell from its originating tissue.  It is well documented that cellular delamination in the basal direction can induce invasive behaviors, but it remains unknown if apical cell delamination can induce migration and invasion in a cancer context.  To explore this feature of cancer progression, we performed a genetic screen in Drosophila and discovered that mutations in the protein M6 synergize with oncogenic Ras to drive invasion following apical delamination without crossing a basement membrane.  Mechanistically, we observed that M6-deficient RasV12 clones delaminate as a result of alterations in a Canoe-RhoA-myosin II axis that is necessary for both the delamination and invasion phenotypes.  To uncover the cellular roles of M6, we show that it localizes to tricellular junctions in epithelial tissues where it is necessary for the structural integrity of multicellular contacts.  This work provides evidence that apical delamination can precede invasion and highlights the important role that tricellular junction integrity can play in this process.

昨日、R がジャーナルクラブで発表した論文。Dr. TXラボから去年報告された論文で、RasV12とともにinvasive tumorを引き起こすmutationをEMS screeningして、M6という4回膜貫通型タンパクのmutantを見つけましたという話。このM6というのは、哺乳類ではGPM6a(Glycoprotein M6A)という名前で知られており、neural differentiationでの機能が報告されているらしい。この論文では基本的にeyFLPのMARCM systemを使って、このM6のmutant cloneにRasV12を発現させたdouble mutant mosaic cloneをeye discに作り出し、optic lobeとventral nerve cordへのinvasion phenotypeを見ている。RasV12単独、もしくはM6 mutant単独ではinvasionは起こらないのだが、この二つが組み合わさるとventral nerve cordまで浸潤していくと。で、そのmutant cloneは、まずeye discのepithelial layerからapical側のlumen内へdelaminateして、さらにその後optic lobeへと繋がる部分の上皮層を突破して浸潤するんだそうな。ちなみに、delaminationはbasal側へもapical側へと同じくらいの割合で起こっている。ここでinvasionについて皆さん結構質問していたけど、確かにこのoptic lobeへと繋がる部分のeye discの構造がどうなっているのかちょっとよく分からない。サプリの絵によると、ここのperipodial membraneとdisc properをつなぐ部分の上皮細胞にはbasement membraneの裏打ちがないのかな。まぁいずれにせよ、このdouble mutant cloneはeye discのepithelial layerを抜け出すわけだが、このdelaminationに関わっているのが、RhoAやMyoIIで、それらの上流で機能しているのがどうやらCanoeだという話。ちなみに、CanoeはAfadinのDrosophila homolog。M6がtricellular junctionの形成に重要な働きを持っているらしいことから、M6 mutantではtricellular junctionの形態がおかしくなることによってdelaminationが促されるようだ。これがどのようにしてCanoeの発現を亢進するのかは分からないけど、それによってMyoIIが活性化されてmigrationを促すという訳だ。ともあれ、delaminationにおいてtricellular junction integrityが重要であるということ、そしてapical delaminationを起こしたtumor cellが管腔側からもう一度上皮に潜り込んで転移する一例いうことやね。

しかし、eye discではRasV12単独のクローンはdelaminationが起こらないのか。wing discだと結構起こるんだけど。あと、RasV12にRhoA activationを付加すると結構delaminationが起こっている。

2019年2月4日月曜日

Fly Genetics 2

今日は午後から三年生達相手に先週の Fly Genetics の授業の続き。今日はMosaic analysisの基本ということで、FLP-FRTとGal4-UASから、合体技のFlip-out Gal4 systemとMARCM systemまで一通り教えた。例によって、実際の実験結果などをまじえながら一時間半ほどの説明だったけど、彼らからの質疑を聞いている感じ、ちゃんと理解してくれたように思う。で、そのあと3時からはプログレスリポートで、テクのTさんが初めて発表。Tさんはここにきてからまだ半年ほどだけど、すでに随分と色んな実験をやっているなぁという印象。プログレスのあとはまた三年生達に解剖の仕方などを教えてから、明日ジャーナルクラブで発表する R の発表スライドと原稿をデスカッションしながら一緒にチェック。そんなこんなで今日も執筆に集中するのはようやくこんな時間から。

2019年2月1日金曜日

New confocal

今日も三年生達を相手に Fly Genetics の授業をする予定だったのだけど、今日は午後からうちの研究室に新しく設置されたコンフォーカル顕微鏡 Nikon A1 HD25 の説明会があったので、みんなでそれに参加。今までのコンフォーカルより視野が広いし、レゾナントスキャナーは高速だし、結局うちのフライルームがある5階の実験室に設置されたし、ということで今後ライブイメージングに活躍してくれることを期待。
しかし、そんなことをしているうちに今日ももう夜になってしまった。結局、論文の執筆は全く終わっていない。。。