2017年4月24日月曜日

8周年

このブログを書き始めたのは、2009年の4月24日となっている。つまり、今日でFPTブログ開設8周年というわけだ。書き始めた時はまさかこんなに長く続けることになるとは思っていなかったし、だいたい同じペースで8年間書き続けているということに自分でもちょっと驚いている。ともあれ、結構しょーもないことばっかり書いてるにもかかわらず読んでくれている方々に感謝します。
自分にとっては備忘録として、コミュニケーションの手段として、そして気分転換として、なんやかんやと意外に役立っているからこそ続いているのだけども、もしこの8年間で少しでも誰かの役に立ったり、暇つぶしになったり、はたまたショウジョウバエをモデルとした生命科学研究の啓蒙になったようなことがあれば、それは望外の喜び。今後もなるべくこのペースで続けていくんかなぁとは思っているけど、どうなんだろう。続けることを目的にしたら逆にしんどくなりそうやし、自然体で続けていけそうなら続けていこうと思います。

2017年4月22日土曜日

WT

昨晩は、今月台湾から電子顕微鏡を使った実験をするためうちのラボに滞在中の学生、WTを連れて、構造党のメンバーとともに坂下のバーへ。もう最初から結構な勢いでしゃべり倒してくれるWTと、それに押され気味の構造党メンバーという感じで12時近くまで楽しく飲んでいた。学位を取ったらポスドクとしてウチに来るという話をWTは案外真剣に考えてくれているようだったので、これまたちょっと色々と考えないといかんな。
そんなわけで今日はちょっと二日酔い気味だったのだけど、やはり下の子と一緒にマウンテンバイクに乗って山の中へ。

2017年4月21日金曜日

morning fire

今日の朝、ずいぶんとサイレンが鳴っとるなと思って外を見たら、家の前の森の向こう側から煙がもくもくとすごい勢いで上がっていた。ちょうど家を出るところだったので、自転車に乗って急いで森の向こう側へ。どうやら燃えているのは小さな工場か倉庫のようなものだと思うけど、あの辺りは古い街並みが残っていて趣のあるところ。あまり燃え広がっていないといいけど。

2017年4月20日木曜日

コラーゲン、というかコラジェン

単細胞生物から多細胞動物への進化、そして上皮組織の進化を可能にしたのは Collagen IV。やっぱコラジェンやよねぇ。なんでか知らんけど、basement membraneって人を惹きつけるものがあるもんねぇ。

Collagen IV and basement membrane at the evolutionary dawn of metazoan tissues.  eLife, e24176.
The role of the cellular microenvironment in enabling metazoan tissue genesis remains obscure.  Ctenophora has recently emerged as one of the earliest-branching extant animal phyla, providing a unique opportunity to explore the evolutionary role of the cellular microenvironment in tissue genesis.  Here, we characterized the extracellular matrix (ECM), with a focus on collagen IV and its variant, spongin short-chain collagens, of non-bilaterian animal phyla.  We identified basement membrane (BM) and collagen IV in Ctenophora, and show that the structural and genomic features of collagen IV are homologous to those of non-bilaterian animal phyla and Bilateria.  Yet, ctenophore features are more diverse and distinct, expressing up to twenty genes compared to six in vertebrates.  Moreover, collagen IV is absent in unicellular sister-groups.  Collectively, we conclude that collagen IV and its variant, spongin, are primordial components of the extracellular microenvironment, and as a component of BM, collagen IV enabled the assembly of a fundamental architectural unit for multicellular tissue genesis.

2017年4月19日水曜日

5

さて、サンディエゴから帰って来てから用意した数ラインのバージンがだいぶたまってきたので、そろそろ掛け合わせを始めましょかというところ。大きく分けると5つの実験ということになるのだが、実際のクロスの数は結構多い。まぁ一つはミニスクリーニングという感じ。これらのうちのいくつかの実験結果は、THSプロジェクトの今後の方向性を決定づける可能性を秘めている。やりたい実験のアイデアはもっとたくさんあって焦りもあるのだけど、なんだかこうして実験にワクワク気持ちが高ぶるのは久しぶりやな。そして今晩は札幌のK博士とスカイプディスカスの予定。

gradation

昨日の帰り道に見た田んぼの中での夕景。

2017年4月18日火曜日

Galodoro Tinto

Casa Santos Lima Galodoro Tinto 2014
久しぶりのポルトガルワイン。金賞受賞メダルにつられて。ポルトガルの土着品種(カステラン、ティンタ・ロリス、トゥリガ・ナシオナル)にカベルネをブレンドしてるんだそうな。かなり甘いけどバランスは良くて飲みやすい。900円ほど。

2017年4月14日金曜日

spreading-of-signals

Index switching causes “spreading-of-signal” among multiplexed samples in Illumina HiSeq 4000 DNA sequencing.  bioRxiv  doi: https://doi.org/10.1101/125724

Exclusion Amplification chemistryという新しいシステムが使われている Illumina HiSeq 3000/4000/X Ten によるマルチプレックスシーケンスで、リードの5〜10%が誤ったバーコードに割り振られる可能性のあることが判明したんだそうな。ウチもついこないだ外注していたRNA seqのデータを受け取ったばかりなんだけど、やっぱりHiSeq 4000が使われていた。。。このエラーによる影響の大きさは、NGSのデータを用いて実際に何をどのように解析しようとしているのかということにもよるのだろうけど、もしこれが本当なら世界中で結構大きな騒ぎになるんじゃないのかね。

「..... We show that this promising chemistry is problematic, however, when multiplexing samples. We discovered that up to 5-10% of sequencing reads (or signals) are incorrectly assigned from a given sample to other samples in a multiplexed pool. We provide evidence that this “spreading-of-signals” arises from low levels of free index primers present in the pool. These index primers can prime pooled library fragments at random via complementary 3′ ends, and get extended by DNA polymerase, creating a new library molecule with a new index before binding to the patterned flow cell to generate a cluster for sequencing. This causes the resulting read from that cluster to be assigned to a different sample, causing the spread of signals within multiplexed samples.」

「..... Therefore, all data generated in this way must now be carefully re-examined to ensure that “spreading-of-signals” has not compromised data analysis and conclusions. Re-sequencing samples using an older technology that uses conventional bridge amplification for cluster generation, or improved library cleanup strategies to remove free index primers, can minimize or eliminate this signal spreading artifact.」

2017年4月13日木曜日

桜満開

研究所前の桜並木は昨日あたりから満開で、すごく華やいでいる。やっぱり桜はいいねぇ。普段は閑散とした通りなんだけど、この時期は誰もが足を止めて桜に見入っている。

Now THS review is Open Access

Tumor Hotspotレビュー論文、先ほどオープンアクセスになりました!Rights and Accessを変更するためのフォームはなんやかんやとややこしかったのだけど、オンラインでこの手続きを済ませてしまうと速攻でOpen Accessにしてくれたもよう。ちなみに、Open Accessの費用は3600ドル。これはWMと折半することにした。
ということで、ガンの初期発生にご興味のある方は是非ご一読いただければ幸いです。

Tissue-Intrinsic Tumor Hotspots: Terroir for Tumorigenesis.  Trends in Cancer.  doi: 10.1016/j.trecan.2017.03.003

2017年4月10日月曜日

shelling in the rain

週末、雨が降りしきる中、どこに遊びに行きたいか下の子に聞いたら、海で貝を拾いたいというので沼津の南の方までドライブ。名もなさそうな小さな浜に降りてみた。

Trumpeter Chardonnay

Rutini Wines Trumpeter Chardonnay 2015
とりあえず、Tumor Hotspotレビュー論文の出版祝い。アルゼンチン、メンドーサのシャルドネ。爽やかでコクもある、リンゴとパイナップルのような味わい。まぁまぁバランスも良く飲みやすい。1400円ほど。
論文のPDFをダウンロードできるかどうかいろんな人に聞いて見たけど、未だにアクセスできる大学が見つからないので、たぶんまだほとんどの方が読めない状態なのではないだろうか。。。ということで、現在Open Accessへの移行中です。

紫陽花

二ヶ月ほど前に生え始めた芽はコレだった。

2017年4月7日金曜日

一般公開 2017

雨ですね。遺伝研の桜はまだあんまり咲いていないのですが、明日は毎年恒例の遺伝研一般公開が開催されます。うちのラボは今年は展示に関わっていないのでショウジョウバエはいませんが、色々と楽しいアトラクションがあります。「開運!なんでも鑑定団」で紹介された、ダーウィンの「種の起源」の初版本の展示もあるようです。

2017年4月6日木曜日

THS review is online now

そういや出張直前にレビューアーチクルのプルーフを送り返していたのだが、今ジャーナルのホームページをチェックしてみたら、一昨日もうすでにオンラインでパブリッシュされていた。ちょっと連絡ぐらいして欲しいやん。
ということで、Tumor Hotspotに関するレビューが Trends in Cancer にて出版されます。この Trends in Cancer というのは、もちろんTrends Inシリーズの一つなんだけども、発刊されたのが2015年とまだ新しいジャーナルなので、もしかしたら購読しているinstituteはまだそれほど多くはないのかもしれない。ちなみにうちの研究所は購読していないので、著者でありながら自分の論文をオンラインで見ることができない。。。まぁ、Tumor Hotspotを宣伝するための論文でもあるので、Open Accessでパブリッシュする予定。ということで、Tumor Hotspotにご興味のある方は是非ご一読ください。full textにアクセスできない方は、もう少々お待ちくださいませ。

Tissue-Intrinsic Tumor Hotspots: Terroir for Tumorigenesis.  Trends in Cancer.  doi: 10.1016/j.trecan.2017.03.003
Epithelial tissues are highly organized systems with a remarkable homeostatic ability to maintain morphology through regulation of cellular proliferation and tissue integrity.  This robust self-organizing system is progressively disrupted during tumor development.  Recent studies of conserved tumor-suppressor genes in Drosophila showed how protumor cells deviate from the robustly organized tissue microenvironment to take the first steps into becoming aggressive tumors.  Here we review the ‘tumor hotspot’ hypothesis that explains how the tissue-intrinsic local microenvironment has a pivotal role in the initial stage of tumorigenesis in Drosophila epithelia and discuss comparable mechanisms in mammalian tissues.

帰国とともに新年度

ということで、一昨日無事に三島に帰ってきた。帰りは乗り継ぎの都合でミネアポリス経由だったので、結局サンディエゴの街を出てから家に着くまで合計36時間もかかった。たぶん一回の移動時間としては、今までで一番長かったんじゃなかろうか。しかも羽田空港に到着すると、たくさんのテレビカメラと報道陣が来ていたので、誰が到着するのかと思ったら、つい数日前にヘルシンキで優勝したユヅルくんだった。まぁたいがい疲れていたのだけど、それなら見ていくか、ということで結局小一時間チャンピオンが出て来るのを待っていたり。
そんなこんなでえらい疲れたけど、今回も非常に充実した出張でだいぶモチベーションが高まったな。帰ってきてみると日本はすでに新年度。そういえば帰りのサンディエゴの空港で、ちょっとドキドキしながら科研費の審査結果をチェックしてみたら、ちゃあんと当たっていてホッとしたのだった。よっしゃよっしゃということで、今年度も気張っていきましょう。

SD stroll

今回撮った San Diego での写真をもう少し。

2017年4月3日月曜日

mission complete

学会終了後、UCRのO博士と東北のN博士と一緒に、会場近くに見つけたナイスなスシレストランで最後のデスカッション。意外なことに、ここのスシロールが旨くてちょっと感動してしまった。で、その後、O博士の車でSan Diegoの空港まで送っていただいて、いま空港で飛行機の出発待ち。まぁ、ゆっくり帰りましょう。

closing

水曜日の午後から五日間に渡って開催された Drosophila Conference も今日で終了。いま最後のPlenary Talkを聞きながらこれを書いている。毎日朝から晩までいろんなオモシロイ話を聞いて、夜は毎晩違うメンバーでビールを飲みながらデスカッションしてと、とても楽しかったけどだいぶ疲れた。しかも今回は友人達のおかげで、San Diegoの町を満喫することもできた。住むにはすごいイイところだろうな。
この学会に来るといつもそうなのだが、研究に関する新しい情報だけでなく、同じ分野で頑張っている他の研究者達の姿にもインスパイヤされて、早くラボに帰って研究をしたくなる。ということで、今晩また日本へ帰るための長旅が始まる。日本に到着するのは二日後、火曜日の午後の予定。

WM lab reunion

昨日は、LAでポスドクをしているドンちゃんがわざわざSan Diegoまで来てくれたので、昼にWMラボのメンバーで中華料理を食べに行って、夜もドンちゃんズーちゃんSYと4人でPacific Beach地区に繰り出した。グラジュエイトのズーちゃんとSYは今回プラットフォームトークをしたのだが、二人ともなかなかしっかりとトークをしているのを見て、まだ彼らが大学院に入った頃をふと思い出して成長したなぁとしみじみ。特にCCHの続きをやってくれているSYは、まだ彼女自身による新しいデータはあまりなかったものの、なかなか堂々としたトークをしていた。SYがトークをした「Cell Division and Growth Control」のセッションでは、SYのを含めて中盤にCCHのトークが3つ連続で続いて今回のハイライトになっていたように思う。まぁ、Dr. DFがオーガナイザーの一人に入っていたこともあるのだろうけど、自分が発見した現象がだいぶポピュラーになってきているのを実感した。そろそろここらでKとSYによる続編の報告を真剣に考えていかないといかんな。