2026年5月18日月曜日

ミニマリズム

大学からの全てのファンドを凍結する、という通知があったのが3月18日だったので、何も購入することができなくなってからちょうど2ヶ月経ったことになる。 で、このspending freezeは今年度いっぱい、つまり6月末までなので、あとさらに1ヶ月ちょい続く。
うちらみたいな実験生物学系のラボで、3ヶ月以上も何も買わずに研究せえとか、そんなん絶対に不可能やんと思っていたけど、意外となんとかなっていて笑けてくる。まぁ、うちはフリーズされる直前に、奇跡的にハエのバイアルとかいくつかの消耗品のストックを買っていたからというのもあるけど、fly geneticsって変異系統のストック、ハエの餌の原料と飼育用バイアル、あと抗体とエッペンチューブとピペットチップとかがあれば、通常の実験は続けられるやんっていうことを改めて認識した。本当にこの2ヶ月間、一切何も買っていない。と言っても、ハエ麻酔用のCO2ガスだけは絶対に6月末までにラボにある3本のタンクを使い切ってしまうから、なんとか学部から出してもらえないかって聞いていたのだけど、そもそも今年に入ってから学部全体でも使用済みの料金をそのガス供給会社に払っていなかったらしく、うちだけ特別に何かしてもらえる状態ではないことが判明。
そして最近、いよいよCO2タンク最後の1本も残り少なくなってきたので、去年実習で使うために買った Anesthefly という麻酔薬を使うしかないか、ということになってきた。ハエの麻酔薬と言えば Flynap が有名だけど、たぶん似たようなもんだと思う。成分は、Triethylamine/Ethyl Alcohol Solution だそうで、簡単に自分でも作れそう。実習でこの麻酔薬を使ったとき、多くのハエが一時的な麻酔ではなく永眠してしまったので、バーコレに使うのはちょっと難しいのでは、と思っていた。そこで、なるべく浅い麻酔にするために、以下のような手順にしてみた。
まず空のバイアルの壁に綿棒で少しだけ麻酔薬を塗りつけて、フリッピングでそのバイアルにハエを入れていく。そして2〜3分後、ハエたちが眠り始めたらフライパッドに出してバージンを新しいバイアルにコレクトする。
このやり方だと永眠するハエはいないし、慣れてくると実はCO2でやるよりも楽なのではないかという気さえしてきた。そんな訳で、最近このAnestheflyを使っているのだが、そうすると心配していたCO2を買う必要がなくなって、本当に何も買わないで研究ができている。いやぁ、やってみるもんですなぁ。

2026年5月16日土曜日

Commencement

今日はまた大学の卒業式ということで、昼から会場のケイジャンドームへ。アメリカの大学では、卒業式が春夏冬と年に3回もあって、メインの春と冬はファカルティは必ず参列しないといけない。壇上で卒業生一人一人に卒業証書を渡していくのでだいぶ時間がかかる上に、春は一番人数が多いし、今の時期レガリアを着るのはだいぶ暑いし、という感じで、行く前はあんまり乗り気ではなかったのだが、自分ももうすでに一年半この大学で授業をしているので、卒業生の中にちらほらとよく知っている教え子がいて、みんなうれしそうにしているのを見ると、やっぱりちゃんと参列してあげないといかんね、という気になった。
で、夕方からは、息子の高校のバンドの卒業生送別コンサートを見に行ってきた。そんな感じで、いまアメリカは卒業式シーズン。

2026年5月10日日曜日

7hr scanning

さて、先週で今学期の成績評価も全て終了したので、いよいよ研究に全集中できる。ということで、まず今週末は論文のサプリとかまだ残っている箇所の執筆をしつつ、ここ最近ずっと気になっているフェノタイプを捉えるべく、コンフォーカルを走らせ続けた。endoreplicationで巨大になっているとは言え、一つの核の全容を撮るのにz-stackで100枚越えの7時間スキャンとか。まぁコンフォーカルが古いから時間がかかるというのもあるのだけど、ここまで念入りに時間をかけるz-stackは今までで一番かも。
なんか見たことないようなものが見えているのよねぇ。。。

2026年5月3日日曜日

Course design

今回のHistologyのコースは、実はこれまでの授業の中で一番、始める前までに悩まされたものだったと思う。一般的な組織学の授業をやらないのならどういう方向性でいくのか、ということでずっと迷っていた。それが、セメスターが始まる少し前にこのCapstone projectを思いついて、これをこのコースのゴールに定めたことで、一気にコンセプトが固まった感じだった。そんな感じで始めたので、はじめの数週間は、ほんまにこれで大丈夫なんかとちょっと心配しながらやっていたのだけど、最後に来るCapstone projectのために、毎週少しずつ学生達に基礎知識とショウジョウバエモデルを刷り込みつつ、軸となるコンセプトを常に確認するというスタイルが上手くいっている感覚が出てきた中盤からは、講義をするのが結構楽しくなってきていた。終わってみると、もしかしたら今までで一番上手くいったコースかも知れないと思う。
前回のAdvanced Cell Biologyは、コースを通して一つの大きなストーリーを作っていた感じだった。今回は、一つのシンプルなコンセプトをしっかり理解するために、少しずつ背景知識を積み重ねていった感じ。どちらもコースを通して一つのコンセプトを完成させていくという点では似ているのだけど、前回はファイナルエッセイで学生一人一人に自分で考えたコンセプトを書いてもらった。一方で今回のHistologyは、コンセプトはこちらから明確に提示して、実習とのコンビネーションを利用しながら研究プロジェクトとしてそのコンセプトを追求するということをした。
いずれにせよ、ここまで3つのコースを新しくデザインしてどれもある程度うまくやれたことで、コースデザインのコツを掴んだ実感がある。そのコツは簡単にいうと、コースを通して一つのシンプルなコンセプトをベースにする、もしくは追求するようにデザインするということだ。大学でコースをデザインして教えるということがこんなにも楽しいことだとは、本当に今まで考えたことがなかった。まぁいずれのコースも自分の研究をベースにして、自分の研究を発展させるためにデザインしているからということもあるのだけど、それだけではなく、4ヶ月かけて学生達を少しずつ自分が考えたコンセプトに引き込んで、彼らの考え方を変えていくという感覚が楽しいんだと思う。
さぁ、あとは今週彼らの成績をつけたら、その後3ヶ月半は自由研究の時間だ。

2026年5月1日金曜日

HST終了

昨日の午後、Histologyコース最後のCapstone project発表会を実施した。19人の学生が、組織や器官のカテゴリー別に5つのチームに分かれて、がんの発生における組織構造の崩壊とシグナル経路の活性化の関係性について調べた。この二週間、各々のチームがオンラインリソースのヒト病理組織サンプルのデータなどをもとに仮説を立てて、特定のタンパク質の局在やシグナル活性に着目してその仮説の検証を行うというもの。どのグループもしっかり調べてきていたし、各グループの発表後のディスカッションがかなり盛り上がっていたので、皆さん結構楽しんだのではないかと思う。全部で3時間半ほどもやっていた。プレゼンスライドの内容は、AIを使えばそれなりのものができると思うけど、みんな実習の時間に組織サンプルの画像データを一生懸命見ていたのを知っているし、プレゼンをするためにはそれらの知識と考えを適切に消化していないとできない訳だから、みんなまだ学部生なのになかなか大したもんだと思った。

2026年4月27日月曜日

International Festival

この週末は、この町のこれまた結構大きなお祭り、International Festivalが近所のダウンタウンで開催されていてすごい人出だった。ダウンタウンはちょうど自宅と大学の間にあるので、日曜の午後、自転車で大学へ行くときに音楽のステージとか屋台とかをぶらぶらのぞきながらフェスティバルの楽しい雰囲気を少し味わった。
そのあとは夜まで、コンフォーカルでz-stackの長時間スキャンをかけつつ、今週締め切りが来る科研費3本分の実施報告書を書いていた。毎年やっていることだけど、分担研究者がいるぶんの収支決算報告書に記載する金額が本当によく分からない。たぶん合ってると思うのだが、まぁ間違えていたら事務の人が指摘してくれるはず、ということで提出完了。

WM lab outing

週末、土曜日は毎年恒例のWMラボの遠足に誘われたので参加してきた。場所は、隣町のバトンルージュの近くにある自然公園で、ここからは車で1時間ほど。Fly Bayouに参加している他のラボからも何人か参加していたので、20人くらいいたのかな。うちのラボからも大学院生のカイルが参加。森の中を散策したあと、皆で持ち寄った料理を食べて、最近PhDのディフェンスを無事終えたクリスのお祝いもしたり、色々とあってなかなか楽しかった。
午後にまたぶらぶら散策しながらWMと話しているときに、そういや来年度のFly Bayouのオーガナイザーやらない?って聞かれて、まぁやることになった。Fly Bayouは、ルイジアナを中心としてアメリカ南部にあるラボの集会として始まっているけど、最近参加するラボがだんだん増えてきていて、東はフロリダから西はアリゾナやネバダまで広がっているので、まぁ多くの人に自分のことを認識してもらうには良いタイミングかもしれない。