2019年11月29日金曜日
2019年11月28日木曜日
Usp7
Usp7 regulates Hippo pathway through deubiquitinating the transcriptional coactivator Yorkie. Nat Commun. 10: 411.
The Hippo pathway plays an important role in organ development and adult tissue homeostasis, and its deregulation has been implicated in many cancers. The Hippo signaling relies on a core kinase cascade culminating in phosphorylation of the transcription coactivator Yorkie (Yki). Although Yki is the key effector of Hippo pathway, the regulation of its protein stability is still unclear. Here, we show that Hippo pathway attenuates the binding of a ubiquitin-specific protease Usp7 to Yki, which regulates Hippo signaling through deubiquitinating Yki. Furthermore, the mammalian homolog of Usp7, HAUSP plays a conserved role in regulating Hippo pathway by modulating Yap ubiquitination and degradation. Finally, we find that the expression of HAUSP is positively correlated with that of Yap, both showing upregulated levels in clinical hepatocellular carcinoma (HCC) specimens. In summary, our findings demonstrate that Yki/Yap is stabilized by Usp7/HAUSP, and provide HAUSP as a potential therapeutic target for HCC.
今日のジャーナルクラブで S が発表した論文。Ykiの分解に関してはこれまであまり分かっていなかったのだが、この論文では、細胞質内にあるYkiは主にlysosomeで分解されているのに対し、核内のYkiはubiquitin-proteasomeによる分解を受けていることが示されている。この核内でのプロテアソームによるYkiの分解は、脱ユビキチン化酵素であるUsp7によって制御されている、ということをDrosophila imaginal discに始まり、S2 cells、ヒト培養細胞、さらにヒトの肝がん細胞において示している。なかなかのデータ量。核内のYkiということはつまりactiveなYkiということだから、細胞が持続してgrowthするような条件下では、このUsp7によるdeubiquitinationを介したYkiのstabilizationが重要であるということになるのかな。
The Hippo pathway plays an important role in organ development and adult tissue homeostasis, and its deregulation has been implicated in many cancers. The Hippo signaling relies on a core kinase cascade culminating in phosphorylation of the transcription coactivator Yorkie (Yki). Although Yki is the key effector of Hippo pathway, the regulation of its protein stability is still unclear. Here, we show that Hippo pathway attenuates the binding of a ubiquitin-specific protease Usp7 to Yki, which regulates Hippo signaling through deubiquitinating Yki. Furthermore, the mammalian homolog of Usp7, HAUSP plays a conserved role in regulating Hippo pathway by modulating Yap ubiquitination and degradation. Finally, we find that the expression of HAUSP is positively correlated with that of Yap, both showing upregulated levels in clinical hepatocellular carcinoma (HCC) specimens. In summary, our findings demonstrate that Yki/Yap is stabilized by Usp7/HAUSP, and provide HAUSP as a potential therapeutic target for HCC.
今日のジャーナルクラブで S が発表した論文。Ykiの分解に関してはこれまであまり分かっていなかったのだが、この論文では、細胞質内にあるYkiは主にlysosomeで分解されているのに対し、核内のYkiはubiquitin-proteasomeによる分解を受けていることが示されている。この核内でのプロテアソームによるYkiの分解は、脱ユビキチン化酵素であるUsp7によって制御されている、ということをDrosophila imaginal discに始まり、S2 cells、ヒト培養細胞、さらにヒトの肝がん細胞において示している。なかなかのデータ量。核内のYkiということはつまりactiveなYkiということだから、細胞が持続してgrowthするような条件下では、このUsp7によるdeubiquitinationを介したYkiのstabilizationが重要であるということになるのかな。
2019年11月26日火曜日
Polyploid Brain
Polyploidy in the adult Drosophila brain. bioRxiv, 852723.
Long-lived cells such as terminally differentiated postmitotic neurons and glia must cope with the accumulation of damage over the course of an animals lifespan. How long-lived cells deal with ageing-related damage is poorly understood. Here we show that polyploid cells accumulate in the ageing adult fly brain and that polyploidy protects against DNA damage-induced cell death. Multiple types of neurons and glia that are diploid at eclosion, become polyploid with age in the adult Drosophila brain. The optic lobes exhibit the highest levels of polyploidy, associated with an elevated DNA damage response in this brain region with age. Inducing oxidative stress or exogenous DNA damage leads to an earlier onset of polyploidy, and polyploid cells in the adult brain are more resistant to DNA damage-induced cell death than diploid cells. Our results suggest polyploidy may serve a protective role for neurons and glia in ageing Drosophila melanogaster brains.
数日前にbioRxivで公開された論文。そういえばちょうど2年ほど前にリスボンであったミーティングで、これに関してポスター発表をしていた学生と色々デスカッションしたことを、First authorのツイートを見て思い出した。話の内容は、Drosophilaのアダルトの脳のploidyを調べたところ、サナギから出てきたばかりの若いハエの脳はほぼdiploidの細胞で構成されているのだが、個体の加齢に伴って次第にpolyploid cellが増えてくるというもの。これはcell fusionが起こった訳ではなく分化した細胞がendoreplicationを起こした結果である、ということをCoinFLPのLexGAD/Gal4 systemを使ってうまく示している。tetraploidが多いけど、大きいものでは32Cまで倍加しているものも認められる。なお、脳の領域の中でもoptic lobesで特にpolyploidの割合が高く、これは複眼のすぐ内側にあるこの領域がもっとも紫外線による影響を被りやすいからかとも思われたが、暗黒条件でもパターンは変わらないことから理由は他にあると示唆されている。一方、酸化ストレスやUV照射によって誘導されたDNA damageに応じてpolyploidの割合が上昇するという結果も示されており、これはまさにCCHの結果と言えるだろう。また、以前に他の組織でも示されているように、このbrainのpolyploid cellもdiploidの細胞に比べて、DNA damage-induced cell deathに対してよりレジスタントであるということも示している。つまり、polyploidになることは、老化した脳においてprotectiveな役割を持つ可能性を示唆していると。しかし、CCHのようなtissue repairのためのレスポンスとして起こってしまったpolyploidizationが、その後さらにbeneficialな影響だけでなくdetrimentalな影響をも持ち始める可能性はないだろうか。ともあれ、これはこの分野にとって非常に重要な論文になる。
Long-lived cells such as terminally differentiated postmitotic neurons and glia must cope with the accumulation of damage over the course of an animals lifespan. How long-lived cells deal with ageing-related damage is poorly understood. Here we show that polyploid cells accumulate in the ageing adult fly brain and that polyploidy protects against DNA damage-induced cell death. Multiple types of neurons and glia that are diploid at eclosion, become polyploid with age in the adult Drosophila brain. The optic lobes exhibit the highest levels of polyploidy, associated with an elevated DNA damage response in this brain region with age. Inducing oxidative stress or exogenous DNA damage leads to an earlier onset of polyploidy, and polyploid cells in the adult brain are more resistant to DNA damage-induced cell death than diploid cells. Our results suggest polyploidy may serve a protective role for neurons and glia in ageing Drosophila melanogaster brains.
数日前にbioRxivで公開された論文。そういえばちょうど2年ほど前にリスボンであったミーティングで、これに関してポスター発表をしていた学生と色々デスカッションしたことを、First authorのツイートを見て思い出した。話の内容は、Drosophilaのアダルトの脳のploidyを調べたところ、サナギから出てきたばかりの若いハエの脳はほぼdiploidの細胞で構成されているのだが、個体の加齢に伴って次第にpolyploid cellが増えてくるというもの。これはcell fusionが起こった訳ではなく分化した細胞がendoreplicationを起こした結果である、ということをCoinFLPのLexGAD/Gal4 systemを使ってうまく示している。tetraploidが多いけど、大きいものでは32Cまで倍加しているものも認められる。なお、脳の領域の中でもoptic lobesで特にpolyploidの割合が高く、これは複眼のすぐ内側にあるこの領域がもっとも紫外線による影響を被りやすいからかとも思われたが、暗黒条件でもパターンは変わらないことから理由は他にあると示唆されている。一方、酸化ストレスやUV照射によって誘導されたDNA damageに応じてpolyploidの割合が上昇するという結果も示されており、これはまさにCCHの結果と言えるだろう。また、以前に他の組織でも示されているように、このbrainのpolyploid cellもdiploidの細胞に比べて、DNA damage-induced cell deathに対してよりレジスタントであるということも示している。つまり、polyploidになることは、老化した脳においてprotectiveな役割を持つ可能性を示唆していると。しかし、CCHのようなtissue repairのためのレスポンスとして起こってしまったpolyploidizationが、その後さらにbeneficialな影響だけでなくdetrimentalな影響をも持ち始める可能性はないだろうか。ともあれ、これはこの分野にとって非常に重要な論文になる。
2019年11月24日日曜日
サッカー大会
今日は医学部主催のサッカー大会だった。学生達と一緒にラボのチームで出場したのだが、7人制なのに今年はメンバーが8人しか集まらなかったので交代は一人しか出来ないというちょっと厳しい状態。とはいえ一試合目から結構善戦して、後半には自分が決めた1点目を皮切りに3点を追い付き、結局朝から同点PKまでもつれ込んだ。PKも5人で勝敗が決まらず結局6人目で負けてしまったのだが、緊張のPK戦とか久しぶりだったし、なんだかこの一試合で結構満喫した感じ。
2019年11月19日火曜日
checkup
今朝は歯医者で三ヶ月ぶりの定期検診。虫歯はないけどやはり下の親知らずは抜いたほうが、といつものように言われた。よく晴れていたのでその後ラボまで歩いたのだけど、ちょっと寒すぎた。おかげで随分肩がこってしまっていま頭が痛い。数日前に降った雪は昨日でほとんど融けたのだが、今晩あたりからまた雪が続くようだ。
2019年11月16日土曜日
cod fish
今日の午後は久しぶりにカフェで仕事をしようと思い、小樽運河のすぐ横にあるオシャレなホテルのカフェへ。なかなか落ち着いた雰囲気で仕事も捗った。夕方暗くなってから札幌に帰ってきて、スーパーで旬の真鱈とホタテを買って帰ってきたら真鱈の身から元気なアニサキスが2匹出てきてびっくりしたけど、作ってみたアクアパッツァがもっとびっくりするぐらい美味くてしびれた。
2019年11月15日金曜日
2019年11月14日木曜日
CCS?
先週、FSUのWMラボで、CCHに関連する研究に取り組んでいる大学院生のサラユとかなり長い時間をかけてディスカッションした。で、日本に帰って来ると、サラユからそのディスカッションの内容と今後の計画をまとめたものが送られてきたので、今日それにさらになんやかんやとコメントを書き入れて送り返した。follicle cellでのCCHの話は、今書いている論文でひと段落するかなと思っていたのだけど、どうやらそうはならない。この話は自分がWMラボを去る前に考えていたものだけど、サラユがある程度形にしてくれた。CCHと対をなす現象として説明できるだろうかね。彼女がPhDを取るまであと半年ほどという話だったので、これもちょっと急がないといけない。
St. Marks
日曜日、日本へ帰る前にマイクと二人でいつものSt. Marksの灯台のある入り江で釣りをしてきた。この日は結構気温が低くなることが分かっていたので、土曜日にTJ Maxで買っておいた安いフリースを着込んで行った。確かに結構冷えていたけど、空は雲ひとつない快晴。壊れた桟橋の柱にホワイトペリカンが休んでいて、渡り蝶のモナークが次々と海へ向かって飛んでいく中、自分達もカヌーに乗り込んで沖へ向かって漕ぎ出した。波のない遠浅の入り江は、沖へ出るととても静かな世界。二人がキャスティングするたびに鳴るCajun Thunderの浮きが発する小さな音だけが印象的に響き、時々海面すれすれを飛んでいくペリカンの羽ばたく音までがはっきりと聞こえる。この日かかったのはほとんどがシートラウト。二人で結構な数を釣り上げたけど、結局キープしたのは規定サイズを超えていた3匹だった。それにしても、自分はここの風景が本当に好きだ。西へ傾く太陽の光を反射して光り輝く無数の波をぼんやりと見つめていると、なんだか本当に幸せな気分になった。夕方、車でBob DylanのCDを聴きながら町に帰って、二人でシーフードレストランへ行った。そこでカニを食べながら、またそのうち必ず戻ってくるよとマイクに約束した。
2019年11月12日火曜日
42h
先ほど札幌の自宅に無事到着。日曜の早朝にタラハシーのホテルをチェックアウトしてから約42時間。いやぁ長い長い行程だった。。。まぁタラハシーを出る時点でかなり疲れていたからか、珍しく国際線で結構眠れたのでなんとかサバイブできた感じ。先週の日曜からまる10日間、今回の出張はたくさんの人に会って非常に多くのものを得ることができた。とりあえず寝て、また明日今回の成果を整理しよう。
2019年11月11日月曜日
ATL-ICN
結局、土曜と日曜も色々と予定が入ってたくさんの人に会うことができた。で、先ほど飛行機の時間の1時間半ほど前まで、町のシーフードレストランでマイクと二人でカニを食べながら話していた。その後、急いで空港まで車を走らせて、なんとか飛行機に間に合って、今さっき到着したアトランタ空港のDeltaのラウンジにチェックイン。次の飛行機はインチョン行きで、なんと約15時間のフライト。。。しかもその後、インチョンで4時間ほどのトランジットの後、札幌まで飛ぶ予定。なんか、もうすでにかなり疲れているのだけど、これは札幌まで体力が持つのか心配になってきたな。。。
2019年11月9日土曜日
Dr. AJ
そして、今日は朝からアリソンの博士論文のディフェンスがあったので参加してきた。実は今回この出張を計画したときに、アリソンのディフェンスが近いということで、わざわざ日程を合わせた経緯があったのだった。アリソンはアメリカの学生としては珍しく、学部生の時からラボを変えずにずっとWMラボで研究を続けてきたということもあり、45分のトークは盛り沢山の内容だった。自分がこのラボにいたころ彼女はまだ学部生だったこともあり、今日壇上で自信を持って堂々とトークをしている姿を見て、随分と成長したんだなぁと感心させられた。彼女が行ったsingle cell transcriptomeのデータは今後、follicle cellsの基本情報として色々と役に立つ可能性を持っている。
ディフェンス後のパーティで、久しぶりにアメリカの激甘ケーキを食べた。
ディフェンス後のパーティで、久しぶりにアメリカの激甘ケーキを食べた。
WM lab
一昨日の晩、Tallahasseeに到着してからすでに二日。今回はなんだか時差ぼけがうまく解消されず、いまだ夕方になると眠気に襲われる。そんな中、昨日も今日も一日中FSUのWMラボに滞在して、WM以外にもラボメンバー何人かとしっかり時間をかけてディスカッションすることができた。なんか頭の中では色々と前進した気がする。しかしこうして一日中、もといた場所で当時と同じようにラボメンバーと話をしていると、つい6年ほど前の日常に戻ってきたかのような奇妙な感覚に陥るものだ。
2019年11月7日木曜日
LAX to TLH
今日は一日かけてLAからフロリダへ移動。今日の朝ホテルから空港へ向かうために、到着した日に使ったのと同じ乗合タクシーを昨晩オンラインで予約しておいたのだが、早朝ホテルの部屋に電話がかかってきて、交通事情により行けなくなったと一方的にキャンセルされた。このSuperShuttleとかいうやつはなんとなく信頼できない気がしていたので、他の手段として路線バスを調べていて良かった。しかも路線バスはちょっと時間はかかったものの、たったの1ドルだった。ということで、朝からちょっとしたトラブルに見舞われたけど先ほど無事空港に到着して、いまDeltaのラウンジで落ち着いたところ。LAからアトランタまで約4時間。そこからタラハシーまでさらに1時間で、時差が3時間あるので、タラハシーに着くのは現地時間で夜8時半の予定。
2019年11月5日火曜日
UCLA
今日は朝にぶらぶらとUCLAの中を散策してから、EngineeringのKT博士と共同研究の話を色々と。UCLAには初めて来たけど、やっぱり立派なキャンパスやねぇ。 夜は結構涼しくなるけど、昼間はまだ夏のようで太陽が眩しい。
2019年11月4日月曜日
LA到着
札幌の家を出てから約23時間、成田、シアトル経由でようやくロサンゼルスのホテルに到着した。今回滞在するUCLA周辺には地下鉄が無いようなので、一応バスの路線を調べていたのだが、いざ空港で聞いてみたら土日は走っていないとか。。。ということで、空港で紹介してもらった乗合タクシーみたいなミニバンに乗った。飛行機ではほとんど眠れなかったので、今かなり眠たいのだけどもう少し我慢して夜にしっかり寝たいところ。シアトルからLAまではとても景色が綺麗だったので、うとうとしながらも写真を撮っていた。
これは今年の2月にKeystone Meetingで滞在したLake Tahoe。
よく見ると、この写真のちょうど中央あたりにHOLLYWOODサインが写っている。
これは今年の2月にKeystone Meetingで滞在したLake Tahoe。
よく見ると、この写真のちょうど中央あたりにHOLLYWOODサインが写っている。
2019年11月3日日曜日
アメリカへ
さて、今日の午後の便でアメリカへ飛ぶ。まずはシアトル経由でLAまで。久しぶりな気もするけど、考えてみれば今年は春にKeystoneとFly Meetingで2度アメリカに行っているので、今年3回目になるのか。今回は約一週間で、前半はLA、後半はTallahasseeに滞在する予定。結構色々とミッションがあるのだけど、たくさん懐かしい人にも会えるだろうし、ということで楽しみは多い。
water dipping
昨日、Nikonから貸してもらっているデモ用の3種類の水浸レンズを使ってライブイメージングをしてみた。培養液にレンズを突っ込んでサンプルを直接見る、いわゆるジャボ漬けレンズ。今あるドライのレンズに比べて、20倍はそれほど良いとは思わなかったけど、やはり40倍のはかなりクリアーに見えた。40倍は、UV側に強いものとFar red側に強いものの2種類があって、これはどちらも試してみたけどGFPやRFPで大きな違いは見られなかった。まぁどちらにせよ、これは1本あると便利かも。
登録:
投稿 (Atom)