2011年11月29日火曜日

あと一週間

いよいよ日本への出発が一週間後に迫ってきた、というのになんかまだ発表の準備があんまりできていない。。。今週まだいくらか実験が残っているし、ストックのハエ達を更新しておきたいし、ということでなんやらちょっと焦ってきたぞ。
さて、今回の帰国では去年と同じ、分子生物学会(MBSJ2011)で催される「Cell Competition」のワークショップでトークをします。ワークショップの概要は以下の通り。一日目(12月13日)の17時50分からです。

Cell competition: A new frontier toward understanding cell-cell communication
細胞競合:細胞間コミュニケーション研究の新局面
Tissue development and homeostasis are regulated by the coordination of cell death and cell proliferation within multicellular communities.  Such coordination is facilitated by a phenomenon called "cell competition", which is a concept of cell cell communication, in which faster growing cells (‘winners’) in the tissue eliminate adjacent slower-growing cells (‘losers’) by inducing cell death.  Cell competition is thought to play a role in organ size control by absorbing fluctuations of the 'cell proliferation/cell death balance' during normal development, as well as in tumorigenesis, cancer progression, and maintenance of stem cell populations in their niche.  In this workshop, we would like to have an exciting and stimulating discussion to impact the future direction of this field.

これ以外にも、このワークショップのオーガナイザーであるNM博士の取り計らいで、12月15日に早稲田大学先端生命医科学センターというところでセミナーをさせて頂けることになりました。
ということで、今週はちょっと気合い入れて準備しますわ。

Sartori Amarone

昨日は自分の誕生日ということで、家族にお祝いしてもらいました。

で、開けたワインは、イタリアはヴェローナのアマローネ。30ドル少しだったかな。アマローネというものを飲んだのはこれが初めてだと思うけど、これは結構好きかも。陰干しした葡萄から作られるということで、普通のワインより糖度もアルコール度もぐっと高く感じる。確かにレーズンのような甘ーいドライフルーツの風味がある濃厚なフルボディ。うまいね〜。
Sartori di Verona Amarone della Valpolicella Classico "Estate Collection" 2007

2011年11月27日日曜日

サンクスギビング 2011

今アメリカはサンクスギビングホリデーの真っ只中。一昨日のサンクスギビングには近所のアニカの家で、アメリカンファミリーのサンクスギビングパーティにお邪魔させてもらってターキーを含めたくさんの御馳走を頂いてきた。そして昨日と今日はぶらぶらと買い物。とはいえ、日本への帰国があと10日を切った中、最後の実験を毎日少しずつ進めている。昨日と今日は肝となるBrdUをやっているのだが、はてさて今回はちゃんとクリアーなシグナルが得られるのかどうか。
そして、先週やっぱりまた夜にネズミが出てきたのだ。このとき物音だけじゃなくて実際にネズミの姿を見た。というのも、キッチンの電気を点けた瞬間にネズミがオーブンの裏に走り込んだのが見えたのでオーブンを前にずらしてみたのだが、その時はもうすでに姿を消していた。オーブンの裏の壁は、こないだ隙間を全て埋めたので絶対に逃げ場所がないはずなのにいない。でもその時ふと気付いたのは、オーブン自体の裏面にいくつか通気口みたいな穴があって中には断熱材の綿みたいなのが入っているのだが、その綿の上にネズミの糞がいくつか落ちていたのだ。もしかしたらオーブンの中に隠れ家があるのかもしれんと思って、早速オーブンをオンにして熱々にしてみたところ、やっぱり出てきたのだ。熱くなってびっくらこいたようだ。その後、そのネズミとキッチンで上を下への鬼ごっこをしたのだが、最終的にはディッシュウォッシャーの裏側に走り込んだきり出て来なくなってしまった。そこで今度はキッチンに固定されているディッシュウォッシャーのネジを外してディッシュウォッシャーを前に出してその裏側を見てみたところ、そこには壁の中の水道管とディッシュウォッシャーをつなぐホースを通すための大きな大きな穴があったのでした。なるほど、、、この大きな穴こそがネズミの出入口だった訳ですね。ということで、ホームディポで色々と道具を買ってきて、昨晩一人でその大きな穴を板で塞ぐ工事をしました。たぶん、もうこれで入って来れないんじゃなかろうか。
とまぁ、そんなサンクスギビングですわ。

2011年11月23日水曜日

BrdUとEdU

皆さんはS phaseの検出にBrdUを使っていますか?まぁ、もちろん細胞を研究している人以外はS phaseの検出なんてしないのは分かっているけど。
先週、以下の論文を読んでいて“EdU”というものを思い出した。というのも最近結構BrdUの代わりにEdUを使っている論文が多いことが気になっていたのだが、実際何が違うのかちゃんと調べたことがなかった。ちなみにこの論文ではどちらも使っているのだが、なぜ実験によって使い分けているのかその説明はない。

Control of Drosophila endocycles by E2F and CRL4[CDT2].  Nature (2011). doi: 10.1038/nature10579. 

簡単にまとめてしまうと、Drosophila salivary glandのendocycleにおいて、gap phaseではE2F1がtranscription factorとしてCycE expressionとS-phase initiationを促し、S phaseではE3 ubiquitin ligase, CRL4[CDT2]がE2F1を分解することによりCycE/Cdk2のactivityは低下する。つまりE2F1がendocycleのmolecular oscillatorとして働いていると。
starved conditionにおいては、salivary glandのendocycle及びcell growthは阻害されるのだが、面白いことにこの時E2F1 proteinのdepletionが起こっており(mRNA levelは変化なし)、またRheb(mTOR activator)のoverexpressionによってこのE2F1 protein levelは回復し、 endocycle及びcell growthの阻害もレスキューされる。つまりE2F1はendocycle progressionとcell growthを結ぶgrowth sensorとしても働いているということである。なるほどなるほど。ちなみにこの論文、Dr. BEとこの仕事かと思ったけどよく見るとDr. CLとかDr. RDとかも共著に入っていて、結構ビッグなコラボですなぁ。

さて、Drosophilaのfollicle cellでBrdU incorporation assayをやると、oogenesis stage 1~6のmitotic  stageと7~10aのendocycle stageではsalivary glandと同じようにBrdU incorporationのoscillating patternが見られる。ところがstage 10bからはこのoscillating patternは消え、全ての細胞の核内に4〜5個のpunctate BrdU incorporation patternが見られるようになる。これはstage 10b以降、follicle cellがいわゆるgene amplification stageに入って、chorion geneのような特定の遺伝子領域だけを増幅するためである。このendocycle/gene amplification (E/A) switchを見るためにはBrdU incorporationが最適な訳だが、どうもfollicleでは時々BrdUの検出が上手くいかないことがあるんですね。stage 10aまでのoscillating patternはたいがい大丈夫なんだけども、gene amplification stageでのpunctate signalがクリアーでないことがある。ちなみに原因は不明なことが多い。それで、じゃあEdUってどうなんだろうということですわ。
以下、invitrogenのClick-iT® EdU Imaging Kitsの説明書より抜粋。

EdU(5-エチニル-2'-デオキシウリジン)はチミジンのヌクレオシド類似体であり、活発なDNA合成の間にDNAに取り込まれます。検出は、クリック反応(アジドとアルキンの間の銅触媒共有結合の反応)を用います。このアプリケーションでは、EdUにアルキンが含まれ、Alexa Fluor®色素にアジドが含まれています。
BrdUプロトコールにおける変性ステップは、核酸の対比染色に影響するような二本鎖DNAの完全性を失わせるだけでなく、細胞の形態および抗原認識部位を破壊することがありました。対照的に、EdU assayキットは使用が容易なだけでなく、細胞周期分析用の色素などのDNAの染色にも完全に適応します。また、このEdU assayキットは、抗体を使った細胞表面および細胞内マーカーの検出と組み合わせてマルチプレックス化することも可能です。最後に、(非特異的結合を示すことのある抗体に依存する)BrdU assayとは違って、Click-iT® EdU assayはバイオオルソゴナルな(生物学的にユニークである)部分を利用するため、低バックグラウンドおよび高検出感度をもたらします。

ということで、BrdUの代わりにEdUを使う上で、メリットはたくさんあるけどデメリットはなさそうかな?
これは試してみよう。これで毎回ちゃあんとfollicleでのoscillating patternとpunctate signalがキレイに検出できるならBrdUはもうやめやな。

二ヶ月の結果

二ヶ月ほど前にアンダーグラジュエイトの二人に実験計画を説明して、この二ヶ月間は質問があれば教えるという感じでほとんど自分達でやってもらっていたのだが、ようやく一通りの結果というかサンプルが出揃ってきたようで、今日はレクシーが出来上がったサンプル群を見て欲しいということだったので二人で顕微鏡を覗いてみた。実は二週間前のラボミーティングでレクシーが進行中の実験内容を発表したとき、ちょっと彼女の理解度に不安を感じたのだが、まぁまぁそれなりにサンプルは取れてきている。意外なことにアリスンよりもデータは豊富に取れているかも。中でも二種類のRNAiラインがなかなか面白いフェノタイプを見せているように見えた。一つはたぶん今までに見たことがない現象だと思う。これはちょっと本腰を入れて次の実験を考えなければいかん。やっぱり機能未知の遺伝子はわくわくしてしまいますな。

2011年11月22日火曜日

Chateau de Macard

Chateau de Macard Bordeaux Superieur 2009 
少し前にコスコで安かったから(10ドルほど)買ったボルドーワイン。結構すっぱくてビターな味。ふーむ、まぁ美味しいんだけどもあんまり自分の好みではないかなぁ。ちょっと何て言うのか、分かりにくいんですわ。ブレンド比は、Cabernet Franc 50%, Merlot 30%, Cabernet Sauvignon 20%。

2011年11月20日日曜日

Greeting Cards

最近Facebookをちょっとずつ使うようになってその使い方と面白さがなんとなく分かり始めてきたのだが、これ結構いろんな機能があって分かりにくい。特に「アプリ」の概念が分かりづらいなぁ。このアプリってデフォルトとして始めから付いているのってなんだったのか思い出せない。というのも、自分のアプリ欄にはいつの間にか「Greeting Cards」なるものが入っていて、これは始めから付いていたものだと思っていたけど実はこのアプリがいわゆるスパムであることに昨日ようやく気付いたのだ。今までこんなアプリ使ったことがなかったのだが、昨日ぼーっと何人かの友達のページを覗いていたら、なんとズーちゃんのページのウォールに、つい先日自分が送った(ことになっている)ズーちゃんへのバースデーカードがあるではないか。しかもかわいらしいピンクのバラの写真とともに、「I Created a Special Birthday Card for You!」とかいうメッセージが添えられている。これは相当キモイ。いろんな意味で。もちろんこんなもの送った覚えはないのだが、かわいそうにズーちゃんは「Thanks」とかコメントしてる。
さて、記憶を辿ってみて気がついたのは、そういやもう随分前にJI博士を友達登録した際に、JI博士からこのアプリの紹介みたいなのが送られてきたのだ。まぁこの紹介も新しい友達に自動的に送られるんだろう。そのリンクをクリックした時に、そのアプリが自分のデータへのアクセスの許可を求めてきたので、なんか怪しいなと思って「許可しない」をクリックしたのだが、どうやらそこで「許可しない」をクリックしてもアプリに登録したことになってしまうようだ。訳分からんけど、ちょっと調べてみたら本当にそうらしい。検索したら同じような体験談はたくさんあった。こういうのって結構気をつけているつもりでも仲の良い友達の名前で送られてきたりしたらうっかり見ちゃったりするんですよね。しかし、ズーちゃんにちょっとアブナイ人と思われてるかもしれんな。。。

2011年11月18日金曜日

ヘンですなぁ

今朝のラボミーティングは新しい大学院生、モハメド君による論文紹介。少し前にDevelopmental Biologyに出てきた論文で、Hippo pathwayがNotch signalingを介してfollicleのpolar cell fateをコントロールしている(タイトルはそう言っている)という論文。率直な感想は、DBはエエのかこれで?という感じ。もっともっと出来る実験があるはずなんやけどなぁ。ヘンですなぁ。

さて、先週ジョンピーからメールが来た。今まではたいがいこっちからジョンピーの意見を求めてメールすることがほとんどだったのだが、今回は珍しくジョンピーから。なんやらオモシロイものを発見したということで興奮気味の文面。これに対する感想とアドバイスが欲しいということで、そのオモシロイ現象を捉えた何枚かのコンフォーカル画像も送ってくれた。見てみると確かにこれはオモシロイ現象で笑ってしまった。mutant phenotypeとかではなくてendogenousな現象というのがオモシロイ。その後二人で長々とメールでデスカッションした結果、こちらで持っているハエの系統をいくつか送ってあげることになった。こりゃ結構今後が楽しみかも。せやけどこんなんこの細胞を研究している人達は絶対に気付いているはずなんやけども、ちょっと探してみたところこれに関する記述は過去の文献には見当たらないんよねぇ。これまたヘンですなぁ。

2011年11月17日木曜日

現状報告

ネズミ、あの3mmほどの隙間を埋めて以来出てこなくなった。ホンマにあんな狭い隙間を出入りしていたということか?それともちょっと何かが変わって警戒しているだけかな。
さて、そしてネズミが住むこの借家が裁判所によって差押えられる可能性があって、原告との和解の期限が11月9日である、ということを少し前にココで書いた。結局その期限が過ぎてもなんの連絡が来る訳でもなかったので、昨日ユンナが原告側の弁護士に電話してどうなっているのか聞いてみたところ、今はまだforeclosure(抵当権執行)のプロセスにあるけど家はまだ大家の娘のものであると。でも詳しいことを原告側の弁護士が電話で話すことはできないんだと。それで今度は大家に電話して聞いてみたところ、借金は払うことになったから心配する必要はないと。ということで、まぁどうやら話は和解に向かって進んでいるようだ。しかし返済できるカネがあるのならなんで今まで払ってなかったの?ということなるけど、たぶん、大家は自分の娘が借金の返済をできていなかったことを知らなかったんじゃないのかなぁ。それで今ようやくこの大家夫婦は焦って娘の借金を立て替えることにしたと。まぁでも、こんなんほんまにどーでもエエ話やよね。
もしこの家が銀行の手に渡ってしまって銀行と交渉して安くでこの家を手に入れることが出来るのならそれもエエかなとか思っていたけど、たぶん近い将来ここから引っ越すであろうことを考えると、まぁ今のままレンタルしているのがやはり一番良いのかな。
それにしても今晩はなんかエライ蒸し暑い。。。

2011年11月16日水曜日

Chocolate Box

Chocolate Box "Dark Chocolate" Shiraz 2008
先週末は三連休だったのでもう一本。近所の酒屋で前々から気になっていた目立つラベルのこのシリーズ、チョコレートボックス。これも確か15ドルほど。自分にとってこのシラーズは驚きだった。シラーズってこんなんだっけ、という感じのあまーいワイン。と言ってももちろんただ甘いだけではない、どんな料理に合うのかちょっと分からないけど、なんともイイ香りがするしなめらかで実に美味いシラーズです。他のも飲みたい。

2011年11月15日火曜日

Montes Alpha

Montes Alpha Cabernet Sauvignon 2008
これは少し前に飲んだMontes Classicの上級ワインになるのかな。コスコで15ドルほどだった。なかなか複雑な味わいだけども、それでいて印象はとてもエレガントで落ち着いた感じのカベルネソービニヨン。Montesは安心して飲めますなぁ。

帰ってきたN

なんか最近またネズミが帰ってきたようなのだ。夜静かになった頃に、毎晩台所からカリカリカリカリと何かをかじっているような音が聞こえてくる。そーっと見に行ってみると、いつもその音はオーブンの下から聞こえてくるのだが、電気を点けてサッとそこを覗いた瞬間にはもう気配は消え失せてしまっている。相当素早い。でも逃げる時にもオーブンの下からこちら側に姿を現したことはないので、たぶんオーブンの後ろの壁にコイツの出入口があるはずなのだ。
そういやこの前ネズミのことをココで書いた時に、ペパーミントオイルがネズミ駆除に有効なんだそうだということを書いて、その後実際に試してみたのだがネズミを遠ざける効果は短時間しか持たないようだ。実はこの時もオーブンの後ろの壁が怪しいと思って、オーブンの後ろの壁と床の隙間を埋めたのだけど、どうやらまた今回もオーブンの後ろなのだ。ということで、さっき再びオーブンをわっせわっせと前に出して後ろの様子を見てみたのだけど、出入口らしきものは見当たらない。確かにこの前は埋めなかった床から出ているガス管の周りの隙間と、備え付けキッチンの棚と壁の隙間があると言えばあるのだが、どう見てもネズミがこれらの隙間を通っているとは考えられへんねやけどなぁ。だって軟体動物じゃあるまいし、さすがに頭蓋骨よりせまい隙間は通られへんでしょ?とか一人でぶつくさ言いながらもまたこれらの隙間をDryDexでペタペタ埋めたのでした。しかし、これで来なくなったらホンマにあの3mmほどの隙間を通っていたということになるけどそれはあり得へんな。たぶん出入り口は他にあるはず。

一ヶ月切る

先週金曜日がVeterans Dayという祝日だったのでこの週末は三連休だった。なんか一日増えるだけでエライ長い週末だったように感じる。この長い週末の間、子供と近所を散歩したり公園で遊んだり庭のハンモックで昼寝したりと、それなりにゆっくりしていたのだけども何をしていてもふと頭の中にfollicle cellの三次元構造が出てきて仮説のシミュレーションを始めてしまうのだった。今朝またボスとあれやこれやとこのことについてデスカッションしたのだが、当たり前やけどもやっぱりいくらか実験をしないと脳内シミュレーションだけでは前には進まない。もうfollicleの話は論文を書き始めている段階なのだが、もし今考えていることを近いうちに確かめられるようであるのなら、この論文も二つに分けた方がイイのかも知れないという気がしてきた。来月の一時帰国まで一ヶ月を切ったので、今年中にできる実験はもう限られている。今週集め始めているバージンメス達を使った実験が今年最後の実験群になるだろうから、ここは一つ一つ意味のある実験をしたいところ。ワークショップの発表でどこまで含めるかも悩ましいところやなぁ。

2011年11月12日土曜日

NFF 2011

今日は毎年この時期この町にやってくる移動式遊園地、North Florida Fairにこれまたいつものようにアニカとロウチビを連れて行ってきた。もうこの二人は自分達でたいがいの乗り物に乗れるようになったので、今回はほとんどアニカのダディ、デイビッドと二人で子供二人について回っていただけだったのだが、それでもそれなりに疲れた。来年からはこれにマックスとソウシロが加わることになるのよねぇ。。。
そして、今日は結局こんな時間までラボで仕事をするはめに。。。

2011年11月9日水曜日

ソックリな

偶然なんだろうけど、先日自分のレビューが掲載されたJGGのspecial issue、"Drosophila models for studying cancer and tumorigenesis"とほぼ同時に、ハエを使った癌研究のレビュー論文が二本、他のジャーナルにも出てきた。

Drosophila cancer models.  Dev. Dyn. Oct. 28, 2011.

Modeling tumor invasion and metastasis in Drosophila.  Dis. Model. Mech. Oct. 6, 2011.

Develomental Dynamicsの方のレビューは結構まんべんなくいろいろなテーマを取り上げているのに対し、Disease Models & Mechanismsの方のレビューはJGGのspecial issueにDr. MVのとこが寄稿したレビューにそっくりなtumor invasion and metastasisに関するレビュー。まぁハエで同じトピックということになればある程度似てしまうのは仕方ないんだろうけど、Figureとかモロにかぶっとるなぁ。ということで、Dr. MVが「おいおいこれはどういうことなん?」とうちのボスにメールしてきたそうな。まぁ自分ももしこんなことになってしまったらアイタタタと思うけど、これはしゃーないよねぇ。。。

トキメキ

さて、先日出たMARCMでの意外な結果について、昨日の朝ボスとあれやこれやと話してみたのだが、結局二人して当たり前の仮説しか出すことができなかった。というかまぁ、たぶんそういうことなんやろうけど。でもこの現象の裏に隠れている上流のメカニズムはたぶんとっても重要でオモシロイものであろうことは想像に難くない。この上流の部分に関しても、自分がもやもやと考えていたことがボスの考えと一致した。もしかしてココからまた新たなプロジェクトが生まれてくるかも、というトキメキがちょっとあったりもする。

2011年11月8日火曜日

Foreclosure

さて、実はちょっと大変なことが起こりつつあるのだ。もう6年半もアメリカに住んでいろんなトラブルを経験してきたけど、今回はこれまた研究留学中のトラブルとしては稀なものになりそうなのでここに記録を残しておくことにする。(最近アメリカではこのようなトラブルが続出しているらしいのだが。。。)

今自分が住んでいる家はレンタルハウス、つまり貸家です。4年前にこの家を見つけて小さな不動産屋と契約しました。一年ごとの契約更新です。この不動産屋は小さな不動産屋で小太りのアメリカ人夫婦が経営していたのですが、確か二年ぐらい前にこの不動産屋は閉められました。これが倒産だったのかなんなのかは知りません。大家である不動産屋が無くなったのですが、その後もこの家はその夫婦の持ち物(実際の名義は夫婦の娘)ということになっていたので、賃貸契約は個人契約のような形になって家賃をその夫婦に払うということで大して何かが変わった訳ではありませんでした。ただ、会社ではなくなってしかもお金がないのか、今まで契約条項に入っていた業者による定期的な庭の手入れ(掃除とか芝生のケア)が次第に少なくなっていき、ついには全く来なくなったので時々その大家の夫婦に「頼むから芝刈りしてよ」って電話したら、その旦那の方がフウフウ言いながら自分でやったりしていました。
そして先々週の水曜日。自分はもちろんラボにいたのですが、昼間に知らない男の人が家に現れて「あなたはこれを受け取る権利がある」とか何とか言って、分厚い書類の中から30ページほどの書類の束を差し出して置いていったらしいんですね。その書類をざっと見たところ、見慣れない単語がたくさんの英語で何のことやらよく分からなかったのですが、どうやら裁判所からの通達みたいなもので、原告が複数の銀行、被告がこの家の持ち主である大家の夫婦の娘とこの家の住人(つまり我々家族)になっていました。よく分からないので近所に住む友達のアメリカ人に見てもらったり、辞書を引いて調べたりしながらこの文書を解読してみたところ、どうやらこの娘が銀行から借金($50,000)をしていてその月々の返済がこの3月から滞っていると。それで銀行が原告になって裁判を起こした訳ですね。問題は、どうやら我々が住んでいるこの家がその借金の担保に入っていたということ。それで、つい最近あった第二回目の裁判の結果、二十日後(書類は10月20日付なので11月9日)までに何らかの方法によって和解を成立させることができなければこの家は差押えられると。だから最悪の場合、ある日突然我々は家に入れなくなって家の中のモノも全て没収される可能性があるということなんだそうだ。。。。。
まぁ、つまり事態は結構深刻である可能性が出てきた訳で、その夜すぐに大家に電話して「こんな書類を渡されたけどどういうことなの?」と聞きました。するとなんやらエライ焦った様子で「その書類はウチに届けられるべきものだから明日の朝すぐに取りにいく」とか言って、翌朝その大家夫婦の旦那が早速家に現れました。それでちょっと話をしたのですが、「君たちは心配しなくて大丈夫」「今まで通りちゃあんとレンタルできるよ」と繰り返すだけで何の詳しい説明もしようとしないんですね。「Are you sure?」と何回か聞き直しましたが、「オフコース!」と。そんなことで、とりあえずその場は「オゥケィ」と言って笑顔でシェイクハンズして前の晩にラボでコピーしておいたその書類を渡しておいたのですが、いつの間にか自分の全く知らないところで裁判が行われていて、さらにその結果として住んでいる家が差押えられる可能性があるというのに何の説明もなしに安心できるかいな、という話ですわ。
まぁこの大家のオッサンと話しても埒が明かないことは明らかだったので、自分達でいろいろと調べた結果、とりあえずは明後日の期日までに裁判所と原告である銀行の弁護士にこちらの状況と権利を主張するための文書を作成して送付しました。
もちろん明後日までに大家の娘がなんらかの方法で原告と和解することができれば、このオッサンの言うように我々は今までと変わりなくここに住むことが出来るはずですが、もし明後日までに和解が成立しなければ、この家は一時的に銀行のものとなり、うちは差押え処分の前に銀行との交渉を始めなければならないということになるはずです。
まぁとりあえずは今週何が起こるのかを楽しみに待ちまひょか。

Borsao Tres Picos

町の北の方にあるこの町一番のケーキ屋さんの向かいにある酒屋にふらっと入ってみたら、結構な数のワインが置いてあった。たぶんこの町では一番の品揃えなんじゃないだろうか。思わず見入ってしまい、結局このスペインワインを購入。16ドルくらいだったかな。レジに持っていくとオバチャンが「あなたどうやってこれを見つけたの?これはイイワインよ。」と太鼓判を押してくれた。
Bodegas Borsao Tres Picos Garnacha 2009
甘い香り、複雑なスパイスの味、心地よい余韻。Garnacha 100%。いやー旨いなぁ。自分は結構グルナッシュのワインが好きなんだと思う。以前にSanta Duc Gigondasを飲んだ時も、あぁこのワイン好きだなぁと思ったのだった。

2011年11月6日日曜日

DST2011終了

今日でサマータイム終了。さっきパソコンの時計が深夜2時になった瞬間に1時に戻った。2時に時間を変える理由ってなんかあるんやろね。まぁとりあえず部屋の時計も一時間戻しておいたけど、時間を戻すのってなんかうれしいですな。

MARCM in FCs

昨晩ある書類を作るためにラボに出てきたついでに染色の終わったサンプルを顕微鏡で覗いてみたら、エライ予想外の結果になっていて笑ってしまった。まぁ大体ゲゲッとびっくりするような予想外の結果はオモシロイことを孕んでいることが多いのだけど、論文にまとめようというこの段階でこんな予想外の結果が出てくるとはこれまた予想外。考えようによってはオモシロイのだが、ちょっと理解に苦しむ。
このMARCMテクニックを使った実験、follicleの話で残された重要な実験の一つだったのだが、やっぱりもっと早くにやっておくべきだったなぁとちょっと反省。といっても、今までディスクで使っていたMARCM systemがどうもfollicle cellではおかしかったので仕方ないと言えば仕方ないのだ。ちなみに自分の経験上、follicle cellではMARCM systemがうまく機能しないことが多い。何が問題かというと、mutant cloneではない細胞でもGFPが漏れて発現しているように見えることがよくあるのだ。ということで、今回は他のラボがfollicleで使っていたMARCM flyを手に入れて、さらにFRT mutant alleleのchromosomeにRFP markerもリコンバインしてダブルマーキングシステムにしてやった。そうすると、やっぱりこの新しいMARCMでもGFPを発現しないはずのheterozygous mutant cell(1 copy of Gal80)が弱くGFPを発現しているのを確認できた。つまりfollicleではGal80の効きが弱いということか。ともあれ、この漏れが今回の実験結果に影響を及ぼすことはないはずなので、この予想外の結果が何を意味しているのかこれまた考えねばならなくなった。

2011年11月5日土曜日

アリスン二回目

今朝のラボミーティングは自分が担当しているアンダーグラジュエイト、アリスンの研究発表の番ということだったので、昨日二人で新しいデータを見直していろいろと発表する内容について話した。今年の前半に彼女がやったスクリーニングで拾ってきたいくつかの遺伝子について、今まだ基本的なフェノタイプを見始めている段階なのだが、発表を聞きながら今後の計画を考えていたらやっぱりなかなかオモシロイのかもと思えてきた。イイプロジェクトに発展する可能性を秘めている。
来週はさらにレクシーの研究発表もあるのだが、どちらかというとレクシーはまだあんまり実験のシステムをうまく理解出来ていない気がするので、来週またさらに時間をとって話さなきゃいかんかな。まぁでも二人とも最近だんだんと自分達で実験を管理し始めているようなので、もう少しトレーニングすれば使えるデータを出してくるんじゃないかな、と期待。

2011年11月2日水曜日

Halloween 2011

昨日はハロウィーン。いつものように夕方から近所のジェネイの家に友達の家族がたくさん集まってパーティを楽しんだあと、みんなで近所をTrick or Treatして歩き回りました。
毎年凝った仮装で楽しませてくれるマイク。今年は狼男。
そして、その狼男を本気で怖がるトリックオアトリートデビューのソウシロ。
Halloweenはきっと子供にとって一年で一番楽しい日なんじゃないかな。