いくつかZ-stackの画像を撮ってみたのだが、持って帰ってきたデータを見てみるとZeissの「.lsm」のファイル形式とは違って1セクションごとに全てのチャンネルを別々のTIFFとして保存してあるだけのように見えた。Leica LCS Liteとかいう専用のイメージブラウザはMacバージョンがないようなので、これはもしかしてImageJを使って一つずつ自分でスタック画像にオーガナイズせなあかんのかな、と思ったのだが、今日もう一度よく見てみたら保存したファイルの中にちゃんと「.lei」というファイルが一つあるではないか。このファイルをFijiで開こうとすると、自動的に「Bio-Formats Import Options」という窓が出てくるので、そこで「Group files with similar names」にチェックを入れるとHyperstackにした画像を開けてくれる。で、これをFijiでTIFF fileとして保存すればいつも通り使える。ということでファイルの問題も解決。今後少しずつこのLeicaも使っていこう。
2012年8月29日水曜日
COMのライカ
昨日は朝早くから隣の医学部にあるコンフォーカルのトレーニングを受けにいった。最近、と言ってももう一年ほど前からか、愛用しているコンフォーカル、Zeiss LSM510の調子が悪くなって時々使えないことがあるから。まぁだいぶ古いとはいえさすがに使えないのは困る、ということで医学部にあるLeica TCS SP2を試したろかなと思い立ったのだった。朝9時から担当のオバチャンに2時間くらい使い方を教えてもらった。Zeissとは随分違う操作法に慣れるのにちょっと時間がかかりそうだけども、もしかしたらこっちのほうが性能が高いかなという感触。
2012年8月27日月曜日
Oの穴
昨日の午後、外から帰ってきたら玄関のポーチの上になんか動物らしきものが横たわっているのが見えた。ネコが寝てるんかな、と思って近づいてみたらなんとオポッサム。夜に家の周りをガサガサ歩き回っているのはしょっちゅう見るけど昼間に見たのははじめてかも。近づいていくと、こちらの物音に気付いたのか眠たそうによろよろと起き上がって、なんとポーチの上にぽっかりと空いている穴から家の屋根裏へごそごそと入っていった。そして、入ってすぐのところでまた眠ったのか、その穴から長い尻尾を垂らしたまま動かなくなった。。。屋根裏にリスがいたこともあったけど、さすがにオポッサムは勘弁して欲しい。なんかオポッサムって名前だけ聞くとかわいらしい動物みたいなイメージがあったけども、実際はどでかいネズミといった感じで結構キモイ。アメリカ人の間では汚らしい害獣として認識されていると思う。大体シッポが一番キモイのに人の家の玄関の上でそのシッポを垂らしたまま寝るなっちゅう話やでこれが。また大家のオッサンに文句言ってこの穴を閉じてもらわなあかんな。。。
どうでもええけどオポッサムって有袋類なんですって。有袋類ってかわいいの多いのにねぇ。
どうでもええけどオポッサムって有袋類なんですって。有袋類ってかわいいの多いのにねぇ。
2012年8月24日金曜日
波長
昨日の朝ぼんやりと、久しぶりにジョンピーにメールして論文のことを話すついでにちょっとデスカッションしようかなぁ、とか思っていたところになんとジョンピーの方からメールが来た。なんやら彼とは波長が合うようだ。しかもジョンピーがアドバイスを求めてきたのは、自分が今ディスクで見ていることと結構関連性が高そうな話題。そんな訳で昨日は実験の空き時間に、メールで自分達のデータを見せ合いっこしながらデスカッション。お互いのテーマは、競合はしないけども同じ分子を異なる視点から見ているという感じなので、今後もうちょっと頻繁に情報交換しようぜということになった。
2012年8月23日木曜日
Columbia Valley Chardonnay
Chateau Ste. Michelle Columbia Valley Chardonnay 2010
先月の旅行中にみんなで飲もうと思ってサラソタのPublixで買ったものの、飲む機会がないまま持って帰ってきて置いてあったワイン。旅行中に暑い車内で暖めてしまったりしていたので、もしかしたら壊れてるかなと思ったけど全然大丈夫だった。酸っぱいリンゴと柑橘類の果実味が豊かで甘い余韻も心地良いシャルドネ。いろんな料理に合いそうだし、何回飲んでも飽きないかも。
2012年8月22日水曜日
2012年8月21日火曜日
今日から新学期
アメリカの学校は今日から新学期。ということで、うちのロウチビ姉さんは今日から一年生。といってももう既に一年間キンダーガーテンに通っていたので同じクラスで学年が一つ上がるだけ、ということで何ら心配はない。本人もいたって普通に登校していった。しかしながら、心配なのは二歳半のソウシロ。なんかついこないだ生まれたばっかりのように思えるけど、ソウシロも今日からついにプレスクール。今までママから離れたことがない上に、当然英語はまだなんにも分からない。どうなることやらと思っていたら案の定今日は結構泣いたようで、一時間ほどで先生から電話がかかってきてユンナが迎えにいくことになったそうだ。でもずっと泣いていた訳ではなかったようなので、なんとかなりそうかな。週に三日だけだから慣れるのにも少し時間がかかるだろうけど、こればっかりは少しずつ慣れていくしかない。
で、大学のほうは新学期は来週からなんだそうな。あぁ、ついにアンダーグラジュエイトが帰ってくるな。。。
2012年8月17日金曜日
五誌目
さて投稿している論文だが、一昨日四誌目からもリジェクトの通知が来た。なんかこの論文、かわいそうに今までになくたらい回しにされている。一誌目投稿から早二ヶ月。。。ちょっとレベルの高いとこ狙いすぎなのかなぁと不安になってきた。結構オモシロイと思うんやけど。とまぁそういうことで、仕方がないのでこれまた粛々とリフォーマットを済ませて、今日の午後早速また次のジャーナルへ投稿した。今度こそレビューに回りますように。
2012年8月14日火曜日
Restivo Malbec(二本目)
Restivo Reserve Malbec 2010
六月に一度飲んだアルゼンチンのRestivoというとこのマルベック。もう一度飲みたくて先日コスコに行った時に買ってきた。六月にネットで検索したときにはほとんど何の情報も得られなかったのに、この二ヶ月ほどの間でこのワインに関するページがわーっと増えてきているようだ。ホームページは未だに見つからないけど、少し前にFacebookのページを作ったらしい。ともあれ、やっぱりこのワインはスゴイ旨い。甘くて濃厚。まだ見つけたことはないけど、カベルネも出しているようなので見つけたらこれも試さなあきまへんな。
2012年8月11日土曜日
Late summer party
今日は久しぶりのイマジナルディスク解剖大会。全部で100匹ほどのサンプルが取れたかな。
で、夕方はアンティアの家にいつもの近所のファミリーが集まってポットラックパーティ。えーと、あともう少しで夏休みが終わるからみんなで集まりましょう、というパーティだったのかな。まぁフロリダの暑い夏はまだまだ終わらないのだけども、今日の夕方はなんだか涼しくて、ポーチでワイン片手に雨上がりの庭をリスが駆け回るのをぼーっと眺めながらおしゃべりしていると気持ちよくて眠たくなってきたのだった。
2012年8月9日木曜日
Drosophila synthetica
少し前に、PLOS Blogsというサイトで「What is a species?」という記事を見た。PLoS ONEに出てきたある論文についての記事なのだが、よく見るとその論文の著者はあのモレノ先輩ではないですか。Drosophila syntheticaという新しい“種”('synthetic species'=合成種?)を作ったんだと。そういえば前回のFly Meetingのアブスト集を眺めていた時になんやらオモロイこと始めよったな、と思ったことを思い出した。この記事でも論じられているように、ポイントは“speciation”に対する議論の投げかけな訳なのだが、そんな小難しいことよりもこのDrosophila syntheticaを作り出したそのアイデアがなかなかオモシロイ。で、そのDrosophila syntheticaのgenotypeは以下の通り(もちろんこれはDrosophila meranogasterなんだけど)。
GMR-Gal4/GMR-Gal4; UAS-RasV12, gl[60J]/UAS-RasV12, gl[60J]
え、なんでこのmutant flyが新種になるの?と思ってしまうのだけど、理論的にはこのmutant fly lineとwild-type間には生殖的隔離が起こってしまう。つまり、GMR>RasV12はlethal phenotypeになるのだが、このmutant flyはGMR-Gal4をオンにするtranscription factorであるglassのhomozygous mutant(gl[60J]/gl[60J])になっているためにGal4の発現が起こらないのである。がしかし、このハエがwild-typeのハエと交雑すると次世代の全ての個体でこのglass mutant alleleがheterozygousになるために、GMR>RasV12がオンになって全滅するというトリック。この遊び心は感心するわ。
In summary, the synthetic species boundary described here can be reliably and predictably manipulated, allowing opening and closing speciation gates when desired, and isolates for the first time a transgenic animal from the original wild-type population. (PLoS ONE 7: e39054.)
2012年8月8日水曜日
アンソニー
今日の昼は、今月から新しくラボに加入したアンソニーの新歓ということで、ラボメンバーみんなでダウンタウンにあるJasmine's Cafeとかいうジャパニーズレストランへ。ちょっとオシャレな感じのするアメリカンジャパニーズで、Caterpillarとかいうヘンな名前のMaki Sushiを試してみたら意外とうまかった。こういうアメリカンなスシも居酒屋の創作料理みたいな感じで意外とおいしいのもあるのよね。
で、その後夕方にはアンソニーが修士課程でやっていた仕事の内容のトーク。Drosophila ovaryのstem cell nicheにおけるシグナリングに関するお話。これまた、意外としっかりfly pushingしてたんやなぁという印象。トークの後で、アンソニーが今後のプロジェクトに関してデスカッションして欲しいというので、明日二人でちょっと話す予定。あるenhancer regionからtranscription factor binding siteをコンピューター上でどうやって推定しましょうか、という自分が一昔前に少しやっていたようなことを話してあげないといかんのかな、たぶん。
2012年8月7日火曜日
Bogle Phantom
Bogle Phantom 2008
こないだのバケーション中に一度タラハシーに帰ってきたとき、うちで姉夫婦と一緒に開けたBogleのPhantom。期待していたけど、これはやっぱりスゴイウマイ。Bogleの素晴らしい単一品種ワインよりもさらに一つ値段が高いブレンドだけあって(といっても20ドルくらいだけど)、なんだか高級感がある。立ち上るなんともいえずかぐわしい香りに複雑でいてバランスの取れたまろやかな味わい。ブレンドは、Zinfandel 51%、Petite Sirah 47%、Mourvèdre 2%。後日また楽しもうと思っていた残りはいつの間にやらユンナが全部飲んでしまっていた。。。必ずもう一度飲みたいワイン。
Two Vines Riesling
Columbia Crest Two Vines Riesling 2010
こないだドイツに行った時にレストランで何度かリースリングのワインを飲んでから、またリースリングが飲みたいと思うようになっていた。一昨日の土曜日に近所のアンティアの一家を呼んでうちで手巻き寿司パーティをしたのだが、その時に寿司と一緒にどうかなと思って買ってきたワシントン州Columbia CrestのRiesling。でも結局、サッポロビールを気に入ってくれたアンティアとデイビッドには出す機会がなかったので、パーティ終了後に開けてみた。甘ーい桃やリンゴのような味がするけどすっきりとしていてとても飲みやすい。ちょっとカリフォルニアのリースリングも試したくなってきたなぁ。これはPublixで10ドルほど。
2012年8月4日土曜日
Job search workshop
今日の昼は医学部であったJob search workshopに顔を出してきた。医学部のDr. TMが中心になって二時間ほどのワークショップ。まぁ今回話していたのは結構基本的なことばっかりだったけど、そろそろこういうのにも参加していこうかなと。
で、夕方はラボミーティング。今日は一人ずつが各自のプログレスについて話す回。ズーちゃんが新しく始めようとしていることになんやかんやと気になることがあったので、つい色々と突っ込んでしまった。といっても実はほとんどのアイデアはボスが彼に示してあげたものだったようで、ミーティング後に今度はボスと二人でそれについて色々話したのだが、さすがにボスはもうちょっと深い考えを持っていたようなので少し安心した。自分はこのところほとんど新しい実験をしていなかったので今日は大して話すこともなかったのだが、今日からいよいよ新しい実験用のハエをかけ合わせ始めた。
2012年8月3日金曜日
オボディー
「オボディーってどうやって使うの?」ってジャッキーが唐突に聞いてきた。
オボディーっていうのはいわゆるdominant female-sterile (DFS) mutationsの「ovoD」のことで、このmutant alleleのautosomal insertion(P[ovoD1])とFLP-FRTを用いてovaryでgerm-line chimeraを作るテクニックである「FLP-DFS」のことを言っとる訳です。recessive zygotic lethal mutationのmaternal effectを解析するのに有効なんですね。oogenesisでgerm-line cloneを見たい場合にもよく使います。まぁ、基本的にはheat shockでmitotic recombinationを誘導する普通のFLP-FRT mosaic systemと同じなんだけども、recombination後にovoDのchromosomeを1コピーでも持っているegg chamberはみんなoogenesisのearly stageで死んでしまうので、基本的には全てのegg chamberがhomozygous germ-line mutant cloneになるから便利なんだよ、と教えてあげたのだが、ここでふと「え、じゃあどうやってオボディーのラインって維持してるの?」という疑問が二人同時に出てきた。これ、知らんかったけどオモシロイというかシブイトリックやねぇ。
ちなみに答えは例えばコチラ
↓
つまりこれらのラインにはP[ovoD1]以外にも、dominant male-sterile (heterozygous females fertile) のmutationも含まれとるんですね。例えば上のFRT G13ではMs(2)M[1]、FRT 82BではbetaTub85D[D]というmutationがそれに当たる。だからこれらのストックの中で、次世代を産み出すメスはovoDを持っていないし、次世代を産み出すオスはdominant male-sterile alleleを持っていないんですね。随分前に少しだけこのFLP-DFSシステムを使った記憶があるんだけども、そういやその時実験に使うバージンメスはマーカーを見て選ばないといけなかったようなことを思い出したわ。
2012年8月2日木曜日
クラムス
Differences in levels of the transmembrane protein Crumbs can influence cell survival at clonal boundaries. Dev. Biol. 368: 358−369.
昨日のジャーナルクラブで発表した論文だけども、うーむ困ったなぁ、というのが正直な感想。いわゆるcell competitionをCrumbsで説明しようとした論文。いや、言わんとしているmolecular mechanismはかなり面白いのだけども、どうもいくつかの矛盾点が結論を見えにくくしている、というかあっさりと納得することが出来ないので発表するのに困った。まぁ、Discussionを読むと著者らが解釈に苦しんだことはよく分かるのだけど。
まぁでも簡単に言ってしまうと、
Here we examined tissues where groups of cells with different Crb levels were juxtaposed and observed high levels of cell death, specifically near the boundaries between the two populations. Based on the requirement of the ECD in these effects and indications that Crb molecules may interact across cell junctions, we propose that Crb itself could function as a comparison factor to directly regulate cell survival nonautonomously.
ということなのである。
つまり、transmembrane proteinであるCrumbs (Crb) はその長いECD (extracellular domain) を介して細胞間のCrb同士でhomophilicに結合している、と考えた上で、隣り合う細胞間でCrbのexpression levelに差が生じた場合、これらの細胞間で結合できないCrbが結合出来る側の隣接細胞間境界膜上に移動してしまうことによって、細胞内でCrbのplanarなasymmetric intracellular distributionが形成されてしまう。このCrbのasymmetric distributionが、他のCrb-binding moleculeのasymmetric distribution(例えば、membrane-associated pro-apoptotic proteinのlocal concentration)をも引き起こしてしまうことによってapoptosis pathwayを刺激してしまうんじゃないかなぁ、と。
実は論文を読む前にこの仮説を説明するFigure 5のマンガを眺めていて「おっ、これはもしかして」と思ったのだが。ちなみに、隣接細胞間におけるCrb発現レベルの差異によって誘導されるnonautonomous cell deathは「an example, albeit atypical, of cell competition」である、と言っている通り、Minute cloneやdMyc overexpressionのcompetitive mosaic situationではCrbの発現に差が見られない。Crbの場合、wing discのA-P compartment boundaryをまたいでcompetitionが起こることとかもそうだけど、やっぱりcell competitionにおいて勝ち負けを決定する仕組みっていうのは結構mutant cellの性格によってまちまちなんかもなぁ、という感じがする。
それにしても、crb mutant cloneとwild-type cellのclonal boundaryで、wild-type cellのendogenous Crb(ちなみにExpandedも)がmutant cloneと接している境界膜上から消失するphenotypeはクリアーやねぇ。まぁこれは以前の論文でも示されているのだけど。この論文ではCrb-ECD overexpressing cloneにおいても同様に、wild-type cellとの境界の両側の細胞においてCrbとExのplanar asymmetric distributionが誘導されることが示されているのだが、このCrb-ECD overexpression cloneはcell competitionを誘導しないんですなぁ。難しいね。
登録:
投稿 (Atom)