2013年10月12日土曜日

AiA

Apoptotic cells can induce non-autonomous apoptosis through the TNF pathway.  eLife 2: e01004.

「Apoptosis-induced Apoptosis」で「AiA」なんだってさ。なかなかオシャレやん。
実はこのお話、今年四月にDCであったFly Meetingの「Apoptosis」ワークショップで聞いたのだけど、その時にオモロイねぇと思ってワークショップ終了後に発表者のスペイン人のオネーチャンに話しかけにいったのだった。そしたら自分の顔を見るなり「CCH!」ってサムアップしてくれたなかなかノリのイイネーチャンだったのでよく覚えている。で、この論文の筆頭著者の名前を見たときに「あれ?ちょっと待てよ。」と思った。APGって、この人は確か2004年にあのモラタ爺のところから出た有名なcompensatory proliferationの論文を書いた人やないの。え、じゃあ何?もしかしたらあのネーチャンがAPGやった訳か、、、なんやそれやったらもっといろいろとしゃべりたいことあったかも、と。まぁ近いうちにまたどこかで会えるんやろうけど。

さて、この論文で示されているコンセプト自体は非常にシンプル。つまり、アポトーシスを起こしている細胞達はEiger (TNF-α) を発現しており、この細胞外に分泌されたEigerが近隣の細胞達にも仲良くアポトーシスを促すという現象。wing discのposterior compartmentにapoptotic cellsを誘導した場合に、anterior compartmentの細胞でも連鎖的にアポトーシスが見られる、という観察結果から「AiA」という訳だけども、もちろんこの現象の原因としてはAiA以外にも色々と他の可能性も考えられる訳で、それらの考え得るpossibilityを一つ一つ実験で否定していくことによりAiAというコンセプトを証明していくという感じのお話。Gal4 & Q systemのコンビネーションがキレイにハマっている。あと重要なのは、同じ現象をマウスのhair follicle cellsで見られるcoordinated cell death、つまりはmammalのpathological conditionでも保存されている可能性を示したところか。

These observations reveal a novel mechanism to coordinate cohort behavior of dying cells that is seen both in normal development and under pathological conditions.

アポトーシスが起こった時に必ずこのAiAが起こるとは限らないと思うんだけども、現象としてオモシロイし、確かに色んな場面で起こっていそうな話ではある。今度はこのAiAをドライブするほうのメカニズムだけじゃなくて、ブレーキになるほうのメカニズムも教えて欲しいところやね。

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