そういや昨日コンフォーカルに行く前にニッキーがオフィスに来てスクリーニングの結果を教えてくれたのだった。このスクリーニング、BloomingtonのDeficiency Kitを使って、あるbackground mutationのマッピングをするというただのcomplementation testを利用したdeficiency screeningなのだが、一度目のスクリーンでなぜか10ラインほども取れてきて、しかもその10ラインの中にポジコンになるはずのラインが含まれていなかった。つまりなんかへまをやらかしやがった訳で、もう一度この10ラインのcomplimentation testをやらせていたのだった。それで、今度はそのうち2ラインだけが残ったと言うので、調べてみたらこの2ラインのゲノム欠失領域はかぶっていることが判明。ヨカッタヨカッタ。ようやくコレで目的のbackground mutationが15遺伝子ほどに絞られたことになる。いくつか面白そうな遺伝子も含まれているようなので、ここからはワクワクですな。
2010年10月29日金曜日
2ライン
昨日の午後コンフォーカルをしているとだんだん頭が痛くなってきて、気がつくとなにやら喉にも痛みを感じ始めた。これはもしかしたらロウチビの風邪をもらったかも知れないなと思って、昨晩は帰って晩御飯を食べた後ビタミン剤を飲んで速攻で寝た。今朝は寝すぎでちょっとふらふらするけど風邪の症状は出てきていないので、なんとか気合いで勝てるかも知れない。
2010年10月27日水曜日
キャンセル
今日は午後に入れていたコンフォーカルの予約をキャンセルしてプロポーザルの原稿に集中することにした。そういえば来年4月にSan Diegoで開催されるFly Meetingのアブストラクト投稿締め切りも再来週の月曜日に迫ってきているので、こちらの原稿も早めに見せてくれと先週のスカイプでボスが言っていた。明日と明後日の午後はコンフォーカルをする予定なので、どちらの原稿も今日中に一度書き終えてしまいたいところ。昼は大学の食堂でMMプロジェクトの基本となる論文を今一度精読。どちらかというとこういう培養細胞を用いたWesternのバンドとグラフだらけの論文というのは苦手なのだが、この論文はかなり面白い。Cellに載った論文だけあってデータ量もその緻密さも圧倒的。いろんなcell lineやmammalの遺伝子の名前にはあまりなじみがないので時々前に戻って読み直したりしないといけないことに面倒臭さを感じるが、たぶんハエになじみのない人がDrosophilaの論文を読むと似たような感じなんかな。
2010年10月26日火曜日
高熱
ロウチビが高熱を出している。今朝は元気だったと思うのだが、昼過ぎから急に熱が出て寒いと言って毛布にくるまって寝たらしい。ただの風邪ならしょっちゅうひいていたのだが、高熱を出したのは久しぶりだからちょっと驚いた。少し前に起きてきた時は、今度は暑くて眠れないと言う。そう言えば確かに今日は随分蒸し暑い。ということで、さっき久しぶりにクーラーを入れた。今は解熱剤とクーラーのおかげで熟睡している。さぁ、この隙にちょっと原稿書きに集中できるだろうか。
2010年10月25日月曜日
釣延期
今日日曜日は朝からマイクと海釣りに出かける約束をしていたので早起きしたのだが、7時頃「そろそろ行くかい?」とマイクに電話したら、なんやら昨日のミュージックフェスティバルで足を痛めたんだとか。。。ということで、久しぶりの海釣りを楽しみにしていたのだが、残念ながら中止して次の機会に延期。仕方がないので、今日は「早急に」と言われつつもまだ書き始めていなかったボスに頼まれていたMMプロジェクトのプロポーザルのための原稿書き。基本的にはgenetic interactionを調べるための研究なのだが、三遺伝子間でのinteractionなのでちょっと複雑。何度考えても全てのpreliminary resultをコンシステントに説明する仮説に辿り着かない。。。こういう時は、とりあえず書き始めてみる。
2010年10月22日金曜日
MM
先週サバチカル先へ帰っていったボスは今、来月初旬に締め切りのNIHのグラントプロポーザルを書いているらしい。昨日の朝のスカイプデスカッションで、「MMプロジェクトをこのプロポーザルに加えようかと思っているのだけども、どう思う?」と聞くので、とりあえずMMの基本的なアイデアと今考えている実験計画をしゃべったら、「サウンズグッド、じゃあそれ早急に原稿を書いて送ってね。」と。むむう、今あんまり時間的余裕がないのだけども、、、仕方ない。ちょっと何本か論文を読みなおさにゃならん。
Fzr
「Drosophila fizzy-related down-regulates mitotic cyclins and is required for cell proliferation arrest and entry into endocycles.」
Sigrist S.J. and Lehner C.F. (1997) Cell 90: 671-681.
We demonstrate that fizzy-related (fzr), a conserved eukaryotic gene, negatively regulates the levels of cyclins A, B, and B3. These mitotic cyclins that bind and activate cdk1 (cdc2) are rapidly degraded during exit from M and during G1. While Drosophila fizzy has previously been shown to be required for cyclin destruction during M phase, fzr is required for cyclin removal during G1 when the embryonic epidermal cell proliferation stops and during G2 preceding salivary gland endoreduplication. Loss of fzr causes progression through an extra division cycle in the epidermis and inhibition of endoreduplication in the salivary gland, in addition to failure of cyclin removal. Conversely, premature fzr overexpression down-regulates mitotic cyclins, inhibits mitosis, and transforms mitotic cycles into endoreduplication cycles.
UAS-fzr、初めてディスクで試してみたけど、overexpressionさせた細胞は全てキレイに分裂をストップしてendocycleに入っていた。今更だけどスゴイなぁと思って、顕微鏡を覗きながら笑ってしまった。
2010年10月20日水曜日
そろそろハロウィーン
さて、そろそろ10月も後半ということで、いよいよHalloweenの雰囲気になってきました。まず先週土曜日は隣町のHavanaで毎年恒例のPumpkin Festivalへ。
で、日曜日はカボチャをたくさん置いてある近所の教会に、写真撮影がてらカボチャを買いに行って来た。
早速彫ったジャックオーランタン。左はロウチビが作ったお城。
で、日曜日はカボチャをたくさん置いてある近所の教会に、写真撮影がてらカボチャを買いに行って来た。
早速彫ったジャックオーランタン。左はロウチビが作ったお城。
2010年10月16日土曜日
ミストゥリーサ
昨日は夕方5時からロウチビのプレスクールで、先生の一人、ミス・トゥリーサのバンドのコンサートがあるということで家族全員で見に行ってきた。コンサートと言ってももちろん子供向けの音楽なのだが、バンドはなかなかイイ音を出していた。もちろん子供達は大喜びで踊り回って、その間大人はピザを食べながら親同士で色んな人と交流、というなかなか楽しい会だった。そういや久しぶりに会った何人かから「ユーのロングヘアー結構好きだったのに。。。」と言われた。うーん、アメリカ人得意のお世辞ならば、「ヘアカットしたのね、私それ好きだわ。」と言うのが普通だと思うのだが。。。あと、「ユーの新聞記事見たよ!」と言ってくれた人も何人かいたな。コンサートの間中ステージの前で録音をしていたマックス君のダディに話しかけてみると、ロックミュージックのプロデューサーをしていたことがあるんだとか。それで熱くロックの話をしていたら、「レッドゼップが好きなら、絶対気に入ると思うよ」と言ってWolfmotherというバンドを教えてくれた。確かにコレは好きかも。
2010年10月15日金曜日
平和賞
今年のノーベル平和賞の件について、こりゃ中国共産党員であるドンちゃんに是非意見を聞いてみないといかんと思って早速聞いてみたら、やはりかなり御立腹のようだった。曰く、「これは明らかなる西欧諸国による中国への内政干渉でありノーベル賞をプロパンガンダ利用している、こんなことは絶対に受け入れられない!」と。うんうん、まぁ言いたいことはよく分かるよ。確かに、平和賞はそういうもんやからねぇ。去年「核なき世界」を提唱して平和賞を受賞したオバマさんもつい先日の核実験はやりにくかっただろうし。ニックも加わって三人でそんな話をしていると、ドンちゃんがぽつりと「中国人のノーベル賞受賞はいつもこんなんだよ。」
「へ?いつもって?」
「だってこんな感じで平和賞を受賞した中国人は二人目でしょ。」
「えっと、、、もう一人いたっけ??」
「ダライラマ!」
「うぉ、、、ダライラマは中国人か!?」(ニックと二人でビックリ仰天)
「中国人じゃなきゃ何人だよ。チベット人か?でもチベットなんて国はないぞ。彼は中国人だ。」
ちなみにアメリカ人ニックは、チベットはチベットという国であって中国ではないと主張。
うんうん、なるほどねぇ。やっぱり異文化コミュニケーションってオモシロイですなぁ。
2010年10月14日木曜日
ボスの一時帰国
サバチカルに出ているボスが先週NYのCSHでのミーティングに出席後、今週数日間だけタラハシに滞在している。ということで昨日はラボのメンバー数人でボスを囲んでランチを取った後、午後はボスと二人で二時間みっちりとデスカッションした。いろんなプロジェクトの新しいデータについて話し合ったが、やはりボスもBCFに一番興味を持ったようで大半は今後コレをどういう風に発展させていくかという話に終始した。普段週に一回スカイプでちょこっとミーティングしているけど、やはり実際に会って話す方が断然話が早いし実のあるデスカッションができることを実感。といっても明日また北京へ向かって、次帰ってくるのは二ヶ月後。それまでにまた何か掴めているだろうか。
2010年10月12日火曜日
忙しい土曜日
土曜日は朝から晩まで忙しい一日だった。この日は年に一回のAsian Festival。この町の結構大きな祭りの一つで、日本人コミュニティーも大々的にブースを作って色々な日本文化の紹介をしたりステージで音楽演奏や盆踊りなんかを披露する。自分も二年前に即席バンドを作ってこのステージで数曲演奏したことがある。今年はマイアミ領事館の主席領事の方がこのAsian Festivalを見に来られるということで、朝、祭りが始まる前にマイアミから到着した主席領事にうちのDepartmentを案内した、といってもほとんど一階のホールで雑談しただけだったけど。その後、11時から日本人コミュニティーによる御神輿の行進があったのでダウンタウンの祭会場へ。朝から結構な人出。ロウチビも日本人の子供達と一緒に御神輿を引かせてもらえるということだったので、日本から送ってもらった浴衣を着て参加。出店の間をぬって浴衣を着た子供達がワッショイワッショイの掛け声で御神輿を引く姿を見て、何とも言えず日本が懐かしくなった。
その後、午後3時からはTom Brown Parkでロウチビのプレスクールの友達クララのバースデーパーティ。こじんまりとしたパーティだったが、スペイン人、フランス人、ドイツ人、イスラエル人、日本人そしてアメリカ人という六家族で、ふと気付けばなんとも国際的なバースデーパーティ。アメリカ人がたくさんのパーティだと会話に入りづらいことが多いのだけど、こういうパーティだとしゃべりやすいし話も尽きないのでみんなとゆっくり会話を楽しめた。
で、家に帰って夕食後ようやくラボへ。なんやかんやで深夜2時過ぎまで実験をしていた。このところやりたいことが多すぎて実験を組みすぎなのかも知れないけど、踏ん張りどころですな。
2010年10月9日土曜日
ヒンジ
昨日の朝、wing discのhinge region specificなGal4 driverを探していて一つナイスなヤツを見つけた。hinge region全体に且つ特異的に発現している遺伝子と言えばhomothoraxかteashirtかなと思っていろんな論文を拾い読みしていると、hthとtshは確かにhingeに来てるんだけどもどうも「全体且つ特異的」という訳ではないことに気付いた。dachsousのexpression patternは求めているものにかなり近いのだが、ds-Gal4のデータがない。ところがいくつかの論文で、zfh2(zinc finger homeodomain 2)という遺伝子がまさにその「hinge region全体且つ特異的」という感じのexpression patternを示しているのを見つけた。Gal4 driverはMS209-Gal4。
「The expression of a novel marker for proximal wing fate, zfh-2, is initially activated by Wingless throughout the “wing primordium”, but later is repressed by the activity of Vestigial and Nubbin, which together define a more distal domain (Whitworth & Russell, 2003).」
ということで、hinge-specificになるのは大体3rd instarぐらいからのようだがコレは使えそう。ナイスなGal4を見つけた時はハッピーになりますなぁ。しかしこのGal4、4th chromosomeに乗っとる。
で、昼はランチがてら論文を読みに大学の食堂へ。読んだのはDr. DMによる以下のレビュー。
「Morphogenetic Cell Movements: Diversity from Modular Mechanical Properties」Science 322:1502-1505. (2008)
Animal tissue and organ development requires the orchestration of cell movements, including those of interconnected cell groups, termed collective cell movements. Such movements are incredibly diverse. Recent work suggests that two core cellular properties, cell-cell adhesion and contractility, can largely determine geometry, packing, sorting, and rearrangement of epithelial cell layers. Two additional force-generating properties, the ability to generate cell protrusions and cell adhesion to the extracellular matrix, contribute to active motility. These mechanical properties can be regulated independently in cells, suggesting that they can be employed in a combinatorial manner. A small number of properties used in combination could, in principle, generate a diverse array of cell shapes and arrangements and thus orchestrate the varied morphogenetic events observed during metazoan organ development.
つまり、形態形成時に見られるepithelial cellのcell shape changeやrearrangementなどによる様々なcollective cell movementは、cell-cell adhesion、contractility、protrusiveness、cell-matrix adhesionといった別々のモジュールが作り出すmechanical forceを統合したアウトプットである、ということ。だからcollective cell movementを理解するには、いろんなmoleculeやsignaling pathwayがどのようにしてこれら各々のモジュールをspatiotemporally specificに制御しているのか、ということが重要であると。しかし今更だけど、これを読んでいるとDrosophila follicle cellはこういうことを研究する上で非常に有用なモデルであることを再確認させられる。まぁDr. DMが書いたものだから必然的にそういう印象になるんだろうけど。
2010年10月8日金曜日
2010年10月7日木曜日
北大初
今朝起きてニュースを見たら、日本人研究者が二人今年のノーベル化学賞を受賞というニュースが目に飛び込んできた。しかもそのうち一人の鈴木先生は北大名誉教授だと知って二重の驚き。北大からのノーベル賞は今回が初めてだと思う。学生の頃ろくに化学の勉強をしなかったからだろうけど、失礼ながらこんなすごい先生が北大にいたとは全く知らなかった。しかしながら同じ大学の同じ研究科出身の大先輩の受賞ということで、本当に嬉しいし大きな励みになります。
で、今日の午後はニッキーの卒業論文のためのProspectus(趣意書?)が明後日金曜日締め切りだということなので、その原稿の校正。うーん、学部生ならこんなもんなんだろうかと思いながら語句や文章を書き直してコメントを入れていたら原稿が真っ赤になってしまった。で、そういう細かいところを一通り直しているときにふと、Preliminary ResultsとExperimental Designの内容が全くもってリンクしていないことに気付いて愕然。もうちょっと全体の構成をしっかりと考えてから書いてほしいですわ。。。
2010年10月5日火曜日
2010年10月1日金曜日
ニール
今朝ラボでハエをいじっていたら、昔よく聞いていたCrosby, Stills, Nash & Youngの曲が聞こえてきた。うちのラボではいつも誰かがiPodかラジオで音楽をかけているのだが、CSN&Yなんてなかなかシブイ趣味しとるなぁと思って、誰がかけてるのか聞いてみたらニックだった。
「ニック、CSN&Y好きなの?」と聞いたら「すごくね」と言うもんだからうれしくなって「実はミーもNeil Youngが大好きで彼のCDは全部持っていたし、大学生になってバンドを組んだとき初めて演奏したのはCrazy HorseのCinnamon Girlだったんだぜ」なんて話をしていたら無性にNeil Youngが聞きたくなってきた。それで、そういやニールは最近どうしてんのかなと思ってネットで調べてみたら、なんとまぁ一昨日にNew Albumをリリースしたばかりのようだ。このオヤジ、とうに還暦を迎えているはずだと思うのだがまだまだ元気そうで安心した。YouTubeのNeil Young ChannelでこのNew Album「Le Noise」を視聴できるビデオがあった。なんか見た目はきちゃないホームレスのじいさんみたいになってるけど(まぁホームレスみたいなのは昔からか)、あの大好きな声と熱いパッションが込められた心に響く曲、そしてあの鋭い眼差しは昔のまま。もちろん野暮ったいギターの弾き方も。今はYouTubeで昔の曲もたいがい視聴できるけど、やっぱりCDでかけ流したいなぁ。今度実家に帰った時に何枚かもって帰ろうかな。
このカバーは一番好きだったベストアルバム、DECADE。
もう一つ
昨日の午後、またもやベンチの上に累々とたまってきていたハエ達を整理した。ここ数週間で新たに作りだした系統とストックセンターから送られてきた系統、合わせて50以上の系統をストックリストに入れた。このハエを整理する時間ってなんだかもったいない不毛な時間に思えてくるのだけども、やはり自分用のストックリストを作るようになってから随分快適になったのは確か。しかもこの整理をしている時に、少し前に作っておいて忘れていた系統をいくつか見つけた。これらはSSTのintracellular signalingをもう少し調べるためのもの。最近BCFのことばっかり考えていたけど、SSTを論文にするにはもう少し細胞内でシグナリングに何が起こっているのか調べておかないといけないのだった。ということで今日は昼御飯を食べながらこのための実験計画を立ててみたのだが、一つ重要な実験がどうしても手持ちのハエでは出来ないことが判明。ツールは揃っているのだが、全てのツールを一度に同じハエのゲノムに載せることができない。うーむ、困った。まぁこんなことはよくあるけど、ハエにもう一つ染色体があればなぁ、というかなんでハエの第四染色体は使い物にならないくらい小さいんだ。。。まぁ、どれかをリコンバインするしかないか。
そういや数日前に、待ちに待っていたハエがPenn StateのDr. MRから届いた。一体どんなものが見られるのか、早く見たくてしょうがない。
登録:
投稿 (Atom)