2011年1月13日木曜日

回転卵

Scienceに非常にオモシロイ論文が出た。BerkeleyのDr. DBのラボから。Drosophilaのfollicleを見ている者として、これはめっちゃオモシロイと同時にびっくらこいた。
Drosophilaの卵はoogenesisの間に丸い形から楕円形へと前後軸に沿ったelongationを起こすのだが、このelongationの過程においてはembryogenesisで見られるconvergent extensionのような細胞移動は見られない。しかしながら、stage 5 - 9のelongationが起こっている間に、なんと卵を覆っているfollicular epitheliumが卵の前後軸を中心にしてその全体が回転しているのだという。そしてこのfollicular epitheliumの回転が、その回転方向へのfibrillar extracellular matrix(Collagen IV)の平面極性配置を誘導し、それによって前後軸を中心軸として卵の周囲全体に張り巡らされたCollagen IV matrixがコルセットのように丸い卵を締め付けて卵全体の形を楕円形に変形させるのだという結論。
実はfollicleのみならず、その中にあるgerm line cellsも一緒に回っているので、つまりはegg chamber全体が回転していることになる訳だが、epithelial layerの外側を覆うextracellular matrixは回転していないのだ。つまりECMの上で(というか内側で)全てのものが移動(というか回転)していることになる。サプリメントの動画を見て笑った。stage 5 - 9の間に3回転ということらしいけど、めっちゃ回っているように見える。ていうかこのステージのegg chamber同士ってstalk cellでつながってるのに、こんなに回転したらstalk cellがねじ切れてしまわへんのかなと心配になるくらい。しかもvkg-GFPで可視化されたECMは回転していないのでなんだかオモチャでも見ているかのようで楽しい。
もちろんこの回転運動を発見したことはスゴイのだけど、それよりもこの発見をここまで一貫性のあるオモシロイお話にまとめあげたことに感心する。自分もこんな論文が書きたいと思わされた。しかし一つ困ったことが、最近follicleのlive imagingを考えていたのだがこんなに回転していたらできへんやないかということ。コレ、border cell migrationを見ている人達は気付いてなかったのかなぁ。

0 件のコメント:

コメントを投稿