それでは皆様、良いお年を!
2021年12月31日金曜日
大晦日 2021
ということで2021年ももうすぐ終わり。今年も一年、結局なんやかんやでコロナが終わらなかったけど、今年の後半はおかげさまでいくつか他のラボとの共同研究が形になり始めたし、今月久しぶりに飛行機に乗って札幌へ行くこともできた。来年はもう国内も国外もほとんどの学会が現地開催で計画されているので、また出張していろんな人に会うことができ始めるだろうか。オンラインでのミーティングには慣れたし便利な面も多いのだけど、対面でセミナーを聞いたり共同研究先で一緒に実験をしたりという機会が最近少し戻ってきて、やっぱり自分には実際に人と会って交流するのが大切なんだなと実感した。ということで、来年もっとそういう機会が戻ってきて多くの人と交流して研究を進めることができればと思う。
2021年12月30日木曜日
2021年12月28日火曜日
twin peaks
昨日はまた朝からみんなで幼虫の解剖をして午後からFACS。FACSでmosaic cloneをソートしてscRNA-seqというイベントはとりあえず終わったので、次はFACSによるploidy解析法を確立するための実験。これに関してはこれまでにいろんな方と何度もやってきて、結局クリアーなploidyのピークが得られなかったのだけど、今回ついにコントロールのサンプルでシャープなピークを見ることができてちょっと感動した。今までプロテアーゼ処理とかDNA染色とか固定とかサンプル調整の各段階の条件を検討してきたけど、今回 J が見つけてきた方法でやると固定しなくてもクリアーなピークを得られることができそうだ。ということで、いよいよ年明けにこれまでずっと見たかったものが見える可能性が高まってきた。
2021年12月25日土曜日
2021年12月24日金曜日
First contact
おぉ、早くもクリスマスイブ。今日は朝にフライデーミーティングをした後、午後のジャーナルクラブは自分の発表の番だった。今回紹介したのは以下の論文で、少し前にTwitterで流れてきた下のムービー、microfluidic chipの中で再現されたmouse embryo(緑)とendothelial cells(橙)のファーストコンタクトが美しくて、ただそれを皆に見せたかったというのがこの論文にした理由。まぁそれにしても、このtrophoblastのinvasionとウチらが見ているtumor cell invasionは類似点が多い。
3D biomimetic platform reveals the first interactions of the embryo and the maternal blood vessels. Developmental Cell, 56:3276-3287.e8.
2021年12月23日木曜日
30匹
先月、生理研に行ってSBF-SEM用に樹脂包埋したwing discは、その後技官の方にサンプルの端から少しずつ削ってもらって、サンプルの向きや場所を確認するという作業を行なっていた。組織を少し削っては超薄切片の画像を送ってもらって、こちらはその画像を見てどこからスキャンを始めるかを考えるという手順を数週間繰り返していたのだけど、やはり組織切片像だけで微妙な向きや場所を見極めるのはかなり難しいという結論に至った。ということで今週もう一度、新たに幼虫を30匹解剖して送付した。今回は、前回使った真っ黒な導電性樹脂だけでなく、普通の透明の樹脂にも包埋して試してみる予定。また年明けあたりに岡崎へ包埋しに行くことになるかな。
2021年12月17日金曜日
書評
今日が締め切りだった本の書評は、昨晩書き終えて今朝編集部に原稿を送った。少し前にこのブログでも紹介した新書「遺伝子命名物語」についての書評を掲載したいという某雑誌からの執筆依頼。本の書評を書くのは初めてだけど、本当に面白い本だったし、何より自分の話も取り上げてもらった本だし、ということで快諾したのだった。ショウジョウバエ研究者のメーリングリストでこの本を紹介したときは、ちゃんと丁寧な文章にしたのだけど、今回はかなりくだけた文体のエッセイみたいな文章にした。たまに読むネット上の書評で、大阪弁の話し言葉で本の紹介をしてくれる某先生の文章がとても読みやすいので、自分もそういう感じでいくかなと思って書いたらかなり書きやすかった。まぁ、ブログの文体と同じ感じかな。そんな訳で、結局編集部から言われていた2倍くらいの文字数になってしまったけど、担当の方からはすぐに返事が来て、すごく良い!ということだったので、とりあえずはゲラ刷りが来るのを待つ。
2021年12月14日火曜日
67
昨晩、日付が変わるぎりぎりまでかかって昨日が締め切りだったシークレットミッション67本をようやく完遂した。この分厚い電話帳みたいな2冊の全ページに目を通して1本ずつ全てにコメントを書いたなんて、ちょっと自分でもすごいと思う。昨日の朝の時点でまだ結構残っていたし、昨日は午前中に忘れていたミーティングがあったし、午後には一つ学位審査会にも出席しなければならなかったし、ということで大変な一日だった。頭を使いすぎたからか、今朝起きてもまだなんか頭が重い。まぁ少し達成感はあるのだけど、今週はまだもう一つ金曜日に執筆の締め切りがある。
2021年12月11日土曜日
2021年12月10日金曜日
ネオテニー!
昨日、Facebookで流れてきたニュースに驚愕した。そのニュースのタイトルは、「日本のウーパールーパー89年ぶり発見。胆振の池、生殖能力備えた幼形成熟」。なんと!エゾサンショウウオのネオテニー個体がついに見つかったんだという。言葉を失った。まぁ、このニュースを見て驚愕したり感動したりする人はそれほど多くはないのだろうけど。。。
エゾサンショウウオのネオテニー個体群(幼生のまま変態せずに生殖をする、いわゆるヘテロクロニー)は、1924年に北海道の倶多楽湖で発見されたのだが、養殖魚が導入されたせいでその後絶滅してしまったのだ。自分が学生の時にお世話になった若原先生の研究室では、このエゾサンショウウオのネオテニーの仕組みを研究していた。そんな訳で、若原先生はじめ研究室のメンバーは皆、エゾサンショウウオのネオテニー個体群は倶多楽湖の他にも必ずどこかに棲息しているはずだと信じて、北海道のいろんな場所を探し回っていたのだ。そんなロマンを追う先生のもとで、学生達も皆同じようにロマンを感じていたのだと思う。あの頃、結局ネオテニー個体群を見つけることはできなかったものの、広い北海道のどこかに潜んでいるのではないかとその後もずっと思っていた。あれから十数年、それがついに見つかったのだ。ということで、これは本当にうれしいことなんだけど、こうなってくるとやっぱりこのネオテニー個体がどういう仕組みで幼形成熟しているのか、ちゃんと研究してみたくなるねぇ。
Paedomorphosis in the Ezo salamander (Hynobius retardatus) rediscovered after almost 90 years. Zoological Letters, 7:14.
Although paedomorphosis is widespread across salamander families, only two species have ever been documented to exhibit paedomorphosis in Hynobiidae. One of these two exceptional species is Hynobius retardatus in which paedomorphosis was first reported in 1924, in specimens from Lake Kuttara in Hokkaido. This population became extinct after the last observation in 1932; since then, no paedomorphs of this species have been reported anywhere. Here, we report the rediscovery of paedomorphs of this species. Three paedomorph-like male salamanders were collected from a pond in the south Hokkaido in December 2020 and April 2021; in size, these specimens were similar to metamorphosed adults but they still displayed larval features such as external gills and a well-developed caudal fin. An artificial fertilization experiment demonstrated that they were sexually compatible with metamorphosed females, thus, confirming them to be paedomorphs. Future efforts to find additional paedomorphs in this and other populations are required to assess the prevalence of paedomorphosis in H. retardatus and to improve understanding of the ecology and evolution of paedomorphisis in Urodela.
2021年12月3日金曜日
札幌4日目
今日も昨日と同じ手順で、さらに多くの幼虫を解剖してAFM解析。1日目に条件検討を行なって、昨日2日目は実際に実験データがちゃんと取れたのだけど、3日目の今日はそれらを踏まえてさらに要領良くデータを取ることができた。ということで、この3日間で合計24個のwing discそれぞれから4点、つまり全部で96地点でのAFM計測データを得ることができたということになる。AFMに慣れているSI博士にとってもこれは初めての実験になる訳で、はっきり言ってここまできちんとデータを取れるとは思っていなかった。まぁこのデータを解析して、ポジティブなデータが得られるかどうかはこれからだけど、ともかく全ての計測をしてくれたSI博士、そして解剖の場所を提供してくれたNT博士にも感謝。久しぶりにいろんな人と会うこともできたし、コロナ後初の出張は本当に実りあるものになった。
2021年12月2日木曜日
札幌2日目
今日は朝からSI博士のいる理学部2号館へ行って、まずは今回やる実験の打ち合わせ。昼は中央食堂でうどんを食べてから、Uさんに会うために北キャンパスまでぶらぶらと歩いた。Uさんのラボでは小一時間ほどお互いの近況を話し合ってから、構内循環バスで理学部に戻ってきていよいよ実験開始。ということで、まずは理学部5号館にいるTさんのラボで実体顕微鏡を借りて幼虫の解剖をして、解剖したimaginal discを持ってもう一度2号館へ戻って、SI博士と一緒に原子間力顕微鏡(AFM)を使った解析に挑んだ。AFM解析に慣れているSI博士とはいえ、ショウジョウバエの組織を解析するのは初めてということで、セッティングに少し時間がかかったけど、最終的にはなんとかそれっぽいデータが出始めた。AFMでは、肉眼で見えるか見えないかくらいの微細なレコード針みたいなカンチレバーを細胞の表面に接触させてその反応を記録する訳だが、そのカンチレバーの接触によってimaginal discが微妙に揺れてしまうことでデータにばらつきが出てしまうようだ。明日、さらにこの辺りを改善しながらデータを取ることができればと思う。
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