2022年8月26日金曜日
2022年8月24日水曜日
11:45
この数日間執筆していた申請書は今日の正午が締め切りということで、何とか11:45くらいにすべり込みセーフ。なんか今回はちょっと完成までの見通しが甘かったか、実は昨日の夜かなり遅くまで執筆していた。まぁ、初めて申請書という形にまとめた新しいアイデアだったので、文章だけではなく説明用の模式図とかもいくつか新しく作ったので予想以上に時間がかかってしまった感じ。新しい内容の申請書を書いていると、色々と調べて勉強しなければいけないし、どうやってアイデアをまとめるかをすごく考えさせられるので良い影響がある。ぎりぎりになったけど、今回も執筆が難航してあれやこれやと考えているうちに新しい方向を思い付いた。この秋は科研費を書く気はあまりなかったのだけど、せっかくなのでこの新しい内容を科研費でも申請しようかなという気になってきた。まぁでもとりあえず、次はいよいよ論文の執筆だ。
2022年8月23日火曜日
2022年8月21日日曜日
IKNM
SBF-SEMのぬり絵は、今現在予定していた179個中162個塗り終わっているので、残りあと17細胞。自分はここまでに14個塗ったのだけど、意外とまだそれほど飽きてはいない。もしかしたら、今後長く趣味としてやっていけるかもしれない、と思えるくらいこのぬり絵は色々な発見がある。まずいくつかやって分かったのは、imaginal discの細胞って実はものすごく複雑な形態をとっているということ。一つ一つの細胞がかなり細長い形になっている上にタコみたいな足をたくさん伸ばして周りの細胞と絡み合っている。まぁこれに関しては、以前にTEMで見たときに大体想像していたのだが、予想以上のカオス。そして、みんな自由奔放に伸びているのだけど、どの細胞も必ず下はどこかで基底膜にくっついていて、上も必ずどこかで管腔に微絨毛を出している。ここまで無理矢理体を伸ばして、必ず上と下の両側に達しておかなければいけない理由は何なんだろう。まぁもちろんそうでなければpseudostratifiedと言えども単層上皮でなくなってしまうけど。
ということはですよ、こいつらは分裂した後にまたbasal側に体を伸ばし直して基底膜まで達するということなのか。大変やな。ところがしかしである。vertebrate neuroepitheliumのIKNMに関する数々の論文では大概、M期に核が上へ上がっても細胞は下の方までひょろひょろっと伸びて繋がっている図が載っているのだ。imaginal discとはちょっと違うのかな。。。
そういえば、pseudostratified epitheliaでは、細胞が分裂するときに必ず核をapical表面に押し上げてから分裂するinterkinetic nuclear migration(IKNM)という現象が知られている。これは、pseudostratified epitheliaの細胞は密集状態になっていて、スペース的に上皮層内での有糸分裂が難しいからだ、と言われている。今回のSBF-SEMの画像でも時々分裂期の細胞がいて、確かにみんなapical表面で丸く膨らんでいる。で、下はどうなっているんだろうと思って辿ってみると、なんとそれらの細胞の体は大きな丸いところだけで基底膜側にはつながっていない。え、そうなんですね、知らなかった。ていうか、これって報告されているんだろうか?
Wing discでのIKNMといえば、Dr. MGのとこの2011年の論文(Curr Biol, 21:485-491)(以前にもココで紹介してた)があって、それには以下のような記述がある。
"While analyzing the localization of anti-PH3+ nuclei, we observed that mitotic cells possessed an intensely F-actin-rich basal process that formed in early prophase and was present throughout mitosis. We also observed long, thin basal extensions of apically rounded mitotic cells in single-cell clones labeled with GFP. These findings indicate that, during mitotic rounding, imaginal disc cells can maintain some connectivity with the basal side of the epithelium despite the dramatic apical translocation of both the nucleus and bulk cytoplasm."
ふむ。まぁ確かに、この論文のコンフォーカル画像を見るとアクチンケーブルが核の下にあって、これが核を上へ押し上げているんだろうけど、基底膜にまでコネクトしているようには見えない。いや、実は前からずーっと疑問に思ってたんよね。核分裂がapical表面で起こるのは分かるけど、こんな上下に細長く伸びている細胞がどうやって縦方向のcytokinesisをやりきるんだろうかと(imaginal discのような単層上皮では、細胞は必ず上皮シートの平行方向に分裂する)。なるほど、apical側で丸くなって分裂するわけね。まぁそりゃそうか。確かによく見てみると、丸くなった細胞の下側に尾を引くように小さな泡みたいなのがたくさん付いている。たぶんこれは、basal側から体を引っ込めていった時に剥がれ落ちた細胞の切れ端なんだろう。
まぁでもいずれにせよ、そんな感じでこのぬり絵は知らず知らずやっているうちにかなり勉強になるんですね。自分の実験モデルのことをよーく知っておくのはとても大切なことなわけで、これは学生達にとっても観察眼を養う本当に良いトレーニングになると見た。今後新しくきた学生には必ずやってもらおうかな。
2022年8月20日土曜日
9月末
昨日の午後、論文投稿へ向けてみんなでミーティング。去年プレプリントサーバで公開した論文は、どこかレビュープロセスの早いジャーナルでさっさと出してしまおうと思っていたのだけど、この一年で色々と重要な追加データが出てきたので、やっぱりそれらも全部入れてもっとビジブルなところでの発表を目指そうということになった。全編に渡って書き直すということで、まずは自分から追加のデータとそれを新しい構成にどうインテグレートするのかについて説明。その上で、あとどういう実験が必要でそれを誰が担当するかについて話し合った。これは R がメインでやってきた論文なのだが、そろそろ R が就活で忙しくなるかもという事情もあり、他の2人にも結構分担してもらうことになりそうだ。まぁ、もうすでにSBF-SEMとかも含め、みんなでやっている感じになってきているのだけど。ということで、とりあえずの完成目標は9月末。
2022年8月18日木曜日
extended
申請を考えていたある学内ファンドの締め切りが明日ということで、今日はちょっと本気で申請書の執筆に向き合わねば、と思っていたら午後に事務局から締め切り延長のお知らせメールが来た。次の締め切りは来週水曜日。ふーむ、応募数が意外と少ないということやよね。俄然やる気が出てきた、と同時にちょっと余裕ができたので、週末の自分に期待しようとなった。そんな訳で、今日の午後はまたSBF-SEMの細胞ぬり絵をしたり。
2022年8月17日水曜日
送り火
昨日京都に帰ってきて、今日からラボに復帰。そして今晩は五山送り火。実は京都に住むまで見たことが無かったし、去年も一昨年もコロナの影響で送り火は少しだけの点しか無かったので今日はちょっと楽しみにしていた。日が暮れてから、雷が近づいてきてものすごい雨が降り始めたのでちょっと心配したのだが、点火予定の8時にちょうど合わせたかのように雨はさっと上がった。うちの研究棟は東側の大きな窓の正面に大文字が見えるので、そこから見ようと思っていたのだけど、今日は屋上に出られるということで、他のラボの方々と一緒に屋上に出て、さらに梯子を登って階段室の上へ上がると京都市街地を一望できる高さだった。少し待っていると、まず西の方の左大文字、船形に始まり、松ヶ崎の妙法、そして最後に東正面の大文字と、市街地を囲む山の一つ一つに火が燈り始めた。直前に降った雨のおかげで空気が澄んだためか、どれもとても綺麗に見えて幻想的。その後30分ほど、火が消えて無くなるまでぼんやりと眺めていた。いやぁ、なかなか良いもんですね。
2022年8月15日月曜日
富士山とSDGs
- SDGsというのは、人類がこの地球上で持続可能な世界を実現するために2030年までに達成すべき具体的な目標として国連で採択されたものである。
- これらの目標を達成するためには、世界の多くの国の人々が何らかの行動を起こす必要がある。そして、多くの人々の行動に変革をもたらすためには、まず人々の意識を変えていく必要がある。 世界規模で人々の意識を変えるには、何らかの非常に分かりやすい象徴的なもの、つまりアイコン的なものの存在が必要であろう。
- 今回は、このSDGsとして掲げられた目標の中でも、特に将来的なエネルギー不足の解消、環境に与える負荷の軽減のためのクリーンエネルギーの普及に焦点を当てる。
- この問題に対し、自然のリソースとして世界的にも高い可能性を秘めていながら、他のクリーンエネルギーに比べて未だに普及率が低い地熱エネルギーを利用した発電を解決策の一つとして提案したい。
- そこで、地熱発電の開発と普及を全世界的に宣伝するために、富士山をそのアイコンとして使用する。富士山は、日本を象徴する美しい山であり、芸術作品の題材としても世界的に知名度が高く、活火山として稀有な存在である。
- つまり、この地熱エネルギー開発の普及という目的において、富士山は非常に優れた象徴として世界の人々の意識変革に役立つ可能性を持っている。
と、いうような感じの中学一年生夏休みの宿題のレポート。こういうのって、全くの無駄にならなければ良いなと思って、一応書き留めておこうと思った訳ですわ。まぁ、こういうのを夏休みにお父さんと一緒に考えるというプロセス自体に意味があるんだろうということは分かっているけど、この休暇中に少しは書こうと思っていた自分の申請書はほぼ手をつけていない。
2022年8月14日日曜日
Le Sommet des Dieux
今日は、中学一年生の夏休みの課題として出されている富士山についてのレポートを一緒に考える。富士山と言っても富士山の何についてのレポートなんだろう、ということで学校から出された課題を見ると、「富士山とSDGsについて」。SDGsが掲げている内容は、今後人類が取り組んでいかなければならない大事な課題だということに何の異論もないのだけど、なんていうか、安易に濫用されているような印象もあってちょっと複雑やなぁ。地球温暖化と環境汚染とかゴミやトイレの問題とか、そういう優等生的で安易なものを題材にするのか、それとも何かもっと独自の斬新なアイデアで富士山をアイコンとするようなものにするのか、なかなか難しいところ。
で、それとは関係ないのだけど、今日は台風が来ていて外では遊べないので、夕方から子供と一緒に映画館へ行って「神々の山嶺」という作品を観てきた。日本の原作小説が漫画になり、それらを元にしてフランスで製作されたアニメ作品。原作のことは知らなかったのだけど、とても楽しめた。まず雪山の映像とか岩壁の登攀の描写が凄い迫力だし、フランス製作なのに日本の町中での場面はなんだか懐かしい独特の雰囲気がある。「一度山を覚えたら取り憑かれる」と言いながら無心で命を懸けて挑む登山家の姿に圧倒されて感動しつつ、少し共感を覚えた。またもう一度見たくなる作品。
collision
これも J が撮ったwing discのinvasive tumor clone。浸潤移動中のクローン集団がぶつかって融合する場面が映っている。ロイがタイムラプスイメージングのプロトコールを頑張って確立してくれたことと、FV3000が導入されてから多点同時撮影を行えるようになったこともあり、最近タイムラプスのデータがどんどん出てくるようになった。やはり、今まで固定サンプルでは見えていなかった新しい発見がたくさんあって楽しいのだけど、人間の目には多すぎる情報量。いくつかの細胞を凝視しながら、何が起こっているのか少しずつ見ていく感じ。
2022年8月13日土曜日
Jupiter
夏休みと言っても、世間一般的に盆休みはこの週末からということで、今日はまだ平日なのかな。意外と仕事関係のメールがどんどん来るので、昼間ぶらぶらしていたショッピングモールのフードコートでお昼ごはんを食べながらメールの返信をしたり。夕方には、J が送ってくれたJupiter-GFPでmicrotubuleの動きを追ったタイムラプス画像がなかなかクリアーですごかったので、ちょっと興奮して色々と考えてみたり。下の写真はこのタイムラプス画像のホットスポット近辺を一枚にプロットしたもの。これまでに他のいろんな方法で見てきて自分が持っているイメージとおおよそ一致しているかな。
2022年8月11日木曜日
2022年8月5日金曜日
2022年8月4日木曜日
Lab HP renewal
6月から少しずつ進めていたラボウェブサイトのリニューアル作業が終了した。まぁ、ウェブサイトは適宜更新していくべきものなのだが、なかなかそれが出来ていなかったということで久しぶりの大幅な刷新になった。そもそもこのウェブサイトは、日本に来て遺伝研で研究を始めた時に作ったもので、当時手元に自分の研究内容を説明する日本語の素材があまりなかったこともあり、ほとんど英語で作ってそのままにしてあった。しかも、研究内容はこの数年でかなり変わってきているので、早くアップデートしたいとずっと思っていた。ということで、まずはラボの看板を「Morphomeostasis」から「Cancer Cell Evolution」へ掛け替えた。Morphomeostasisというコンセプトは今でもウチの研究の重要なコンセプトの一つであるし、モーフォメミーティングも継続しているのだけど、このところラボの研究はほぼtumor invasionとpolyploid giant cancer cellsにフォーカスを絞っている。全体としては発がんというプロセスをモデルとして、細胞の進化を考える研究になってきているということで、Cancer Cell Evolution。今回は、春先に短期間うちのラボに参加してくれていた S がデザインとか文章に関してかなり手伝ってくれたので大幅な更新をすることができた。自分一人ではなかなかやる時間がなかったので、S に感謝。今後はもう少し頻繁にアップデートするようにしましょう。
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