2010年6月5日土曜日

片桐先生

今日の朝、大学院時代のラボの先輩MY博士からメールが届いた。「片桐先生が札幌の病院で亡くなられたそうです」と。
少しの間言葉も出なかった。片桐千明先生には自分が大学四年生の時の卒業研究を指導して頂いたのだが、先生はちょうどその年で定年退官されることになっていたのでした。なので修士課程からはMW先生の研究室に移籍して新しい研究テーマに取り組んでいたのだが、片桐先生は退官された後も私の卒業研究をもう少し発展させて論文として発表するために、足繁くラボに通って下さってよく二人でデスカッションしたものだった。私が修士課程を卒業する時にようやく、少しずつ平行して実験を進めていた先生とのプロジェクトも形になり論文を発表することができたのでした。最後に二人で飲みに行って乾杯したのだが、その帰り道まだ雪深い北大の構内で別れ際に「僕の最後の弟子だな。」と言って下さったのがなぜかとても嬉しかったことをよく覚えている。研究が遅々として進まないことでしょっちゅう研究態度を戒められたものだったが、最後にそのように言って頂いてなんとなく「あぁようやく少しは認めてもらえたのかな」という気持ちになったのだと思う。自分の研究人生は片桐先生の研究室で始まった。そして先生には実験生物学の基礎とその楽しさを教えて頂いた。あと、研究には気合いが重要であることも。アメリカに来てからも何回か近況報告のメールをやり取りしたのだが、それもここ二年間ほどは怠っていたことを今とても後悔している。もう一度お会いしてデスカッションしたかったです。

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