2011年4月12日火曜日

ニッキー

先週の金曜日にニッキーのhonors thesisのdefense(卒論発表会)があった。二年ほどもラボにいたのにほとんどデータを持っていないので、コレどうすんねん、と思っていたのだが、とりあえず自分があげた予備実験のデータにこの三週間でやったいくつかの実験結果を足して発表はなんとかかんとか形になったという感じ。一応defenseもパスできたらしい。といってもまぁ、アンダーグラジュエイトのdefenseなんて普通はやればパスできるようなもんなんだそうで、ダメだった例なんてないんだとか。まぁこれで彼はhonor studentとして卒業できるし、こちらもこれ以上彼のことで頭を悩ませる必要はないからイイのだけど、実は発表会の前日の晩に彼が作った発表スライドを見てあげた時、彼が尋ねてきた色々な質問に大きなショックを受けてしまったのだった。というのも質問のほとんどがコンセプチュアルなものではなくて、実験テクニックに対する基本的な質問だったから。「FRT40Aの40Aってなんなの?」って聞かれた時には笑ってしまった。抗体染色のことも良く理解していない様子だったし、enhancer trap lineとかFlip-out Gal4なんて何も分かっていない感じだった。結局彼はfly geneticsにおける実験の基礎的なことをなーんにも理解していなかったのだ。なるほど、だから実験をさせても毎回失敗していた訳だ、と納得した。とは言っても、当然こういった基礎的なことは今までに何回も教えたはずだし、たいがいの学生達はラボに来て始めの一ヶ月くらいでこういったことは大体学ぶし、もし理解できなくてもちゃんと質問しているように思う。彼は研究に対しての興味は結構持っていたと思うんやけどなぁ。まぁ、やっぱりいろんなタイプの学生がいるんやなぁ、とこちらも勉強になりましたわ。

さて、そして今朝はボスと毎週恒例のミーティング。論文に必要な実験の話をしているうちにだんだんとディープなデスカッションになってきて、結局一時間半も話していた。その中でボスがふと思いついた新しいアイデアはなかなか鋭いもので、二人でエライ盛り上がってしまった。このアイデアは今までに使っているテクニックで案外簡単に確かめることが出来るかも。しかももし当たっていれば、これはブレイクスルーになり得る。今後三ヶ月間ほどは三本の論文を仕上げるために全力を注ぐつもりだけども、このアイデアは片手間に試す価値はあるな。ということで、早速それ用のハエを作ろうっと。

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