昨日、ジョンピーからのメールに気になることが書いてあった。ジョンピーがうちのラボを出て行く時に、hsFLP; Sp/Cyo; Dr/TM6bという便利なダブルバランサーの系統を持っていったのだが、ジョンピーがこの二年ほどの間にこのハエを使ってバランスさせた系統から時々Cyoが抜けてしまっていたことがあるんだとか。しかも抜ける時は結構短い世代のうちに消え失せていたらしい。TM6bからTbが抜けるというのは聞いたことがあるけど、そんなCyoが抜けてしまうなんて聞いたことないし、ソレってラインを作る時にミスっただけなんとちゃうのんと、そこまで考えてハッと気付いた。確かに自分もこの何年かの間にこのダブルバランサーを使ってバランスした系統のハエからCyoが抜けていたことがある。しかもセカンドにSp/Cyoを入れたはずなのにSpもCyoも両方消え失せていたことがある。これは18℃に置いていたからCurlyのフェノタイプが出ていないとかいう訳ではなくて、25℃に戻してもやっぱり翅はまっすぐなままなのだ。Spのフェノタイプは時々微妙な感じなので、そういうのを発見するたびに自分がラインを確立する際にミスったんだと思っていたけど、もしかしたらやっぱりアレもCyoが抜けたからだったのか。とは言っても、大概のヤツはちゃんと維持されているように思うし、このhsFLP; Sp/Cyo; Dr/TM6b自体も非常に安定していてこのラインからCyoが抜けているのは見たことがない。ちなみにこのダブルバランサーは以前に自分が作ったものなんだが、このCyoをどこから取ってきたのか全く覚えていない。うーむ、コレってどういうことなんだろうか。ちょっと説明がつかないんだけども、このダブルバランサーは日常的に使っているラインなので怖くなってきた。とりあえず他のCyoかSM6と交換せにゃいかんけど、こんな風に何らかの状況によって抜けてしまうCyoなんてあるんだろうか?
Ashburnerの「Drosophila」には「Cy」について以下のようにある。
The expression of Cy is temperature-sensitive; Cy/+ flies overlap wild type if they are grown at 20℃ or less. .....The expressivity of the Cy mutation is also reduced if flies are reared in culture rooms illuminated by fluorescent lights. The second problem with Cy is that on some balancers or on some genetic backgrounds, its expressivity can be weak even at 25℃. .....Another feature of Cy which can be important is that it is quite readily reverted to wild type by mutation, after either ethylmethane sulfonate (EMS) mutagenesis or irradiation.
CyのexpressivityではSpも消えてしまったことが説明できない。しかもCyoには左右のCyを結ぶthird inversionが入っている訳だし、ストック中にそんな頻繁にmutationが起こるとも考えられんしなぁ。。。
どなたかfly pusherの方、何か知りませんか?
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