2024年3月2日土曜日

Mission complete

去年の5月頃に始まったシークレットミッションが今日ついに終わった。
今週一週間は、まさにこのミッションのクライマックスで、これに関わった20人ほどのエージェント全員が大学本部の某所に集められて、毎日朝から晩までほぼ軟禁状態で最後の作業を行なっていた。とりあえずは大きな問題が起こらずに無事終えることができたというのが一番大事なこと。
この一年ほどの間、このミッションに参加していることについては決して知られてはいけなかったし、近親者にも話してはいけないということで、本当にスパイ組織IMFのような活動を強いられることが結構あった。学生の目に入る可能性があるためラボで作業を行うことは絶対にできなかったし、パソコンでの作業は必ずネットワークから切り離さないといけないとか、関連するデータを持って公共交通機関に乗ってはいけないとか、色々とルールがあった。大学本部の某所で何度も開かれたミーティングへの招集とか新しいミッションに関する連絡は偽のダミーメールで送られてきていたし、会議以外で他のエージェントと出くわした時は互いに目配せをするだけだった。しかも、このミッションは大学の運営において非常に大切な上、何かミスがあると大きく報道されたりする類のものなので、絶対に失敗はできないということでチームの皆さんに常に緊張感があった。
今日、任務完了ということで、まとめ役となっていたH先生から「皆さんとこうして集まるのはこれが最後ということになります」という言葉を聞いてハッとした。また他のミッションでこの中の誰かと会うことがあるかも知れないけど、確かにこのメンバーで集まるのはこれが最後。この一年間チームとして活動してきて、しかも最後の一週間は朝から晩までインテンスにやり遂げた仲間なのだが、終わりはあっさり。多くを語らず一人また一人と部屋から去って各自の仕事場へ戻っていくこの感じは、M:I 4の最後でミッション終了後にチームのメンバーで任務の成功を祝いつつ一人ひとり去っていくあの少し感傷的でありつつもまた次のミッションがあるんだろうというスリリングな感じと似ていてなんだかグッときた。
今回我々が作り上げたこの仕事は、今後様々な場所で使われて多くの人に読まれることになるのだけど、論文とは違って決して制作者達の名前が明かされることはない、というのもまたその仕事が表立って知られることはないストイックなスパイのそれと似ている気がする。ともあれ、本当によくやったと思うし無事に終わって良かった。もう次はないと願いたい。

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