2025年2月2日日曜日

GMS.3

先週木曜日の授業は、「Genetic Model Organisms」というテーマだったのだけど、大まかなコンセプトについては第一回で話しているので、今回はその中でも線虫 C. elegans について。前半にモデル生物としてのC. elegansの概要について話して、後半は実際にC. elegansがモデル生物として使われた研究の例として、Agingの研究におけるマイルストーンとなったいくつかの論文を紹介。このdaf-2 and daf-16に関する話は、日本でも何度か老化研究を紹介する授業で使ったことがあるので、まぁやりやすかったかな。課題として出したのは、細胞浸潤のモデルとしてC. elegansのanchor cellを用いた最近の研究論文。

2025年2月1日土曜日

オフィス

今週も火曜と木曜の朝に授業をした以外は、基本的にオフィスで仕事をしていた。オフィスはラボと同じ5階にあるのだけどラボとは少し離れていて、しかも廊下から扉を開けてさらにその先に三つある扉のうちの一つという、ちょっと奥まった分かりにくい場所にある。ここは建物自体がかなり古くて、内部は改築をしているからか部屋の構造が複雑になっている。自分がもらったオフィススペースは、おそらく昔は実験室の一部だったのだろう。部屋の一角の天井には大きな換気口があって、そこにヒュームフードみたいなものがあったことを示唆している。部屋には大きな机が2台と古い椅子がいくつかあったので、とりあえず机をオフィスらしい配置に並べ替えてみた。そんな感じで、どんなオフィスにしようかと想像しながら、月曜と火曜はまずは掃除に勤しんだ。そもそも全てのものがかなり古いので、それほど綺麗になったわけではないけど、床や窓を磨くと少し自分の居場所になったような気がしてきた。部屋には縦長の窓が一つあってそこからキャンパスの風景が臨めるので、その窓の隣にデスクを置いてみた。

2025年1月26日日曜日

Hideaway

土曜日の夜、ダウンタウンのレストランでBiology Departmentの比較的若いファカルティ達が集まって、新人歓迎会的な飲み会。自分とカナダから来たIPが新入りなのだけど、年齢で言うとこの中ではたぶん自分が一番年上なのではないかな。それにしてもまぁみんなよくしゃべること。MTは口が悪い上に声が大きくて、一度隣のテーブルのおばちゃんに注意されたほど。おばちゃんもまさかこれが大学の先生達の集まりだとは思わなかっただろう。皆んな色んな国から来ていて個性的で面白い上にとても親切で、仲間に入れてもらった感じがして安心した。

2025年1月24日金曜日

Rêve

昨日から気温が少し上がって雪も解け始めたので、午後に近くのダウンタウンまで散歩して、目をつけていたカフェへ。賑やかだけど仕事をしている人も多くてなかなか雰囲気が良い。しかも意外なことにブルーベリーマフィンがとても美味しかった。ここは家からもラボからもまぁまぁ近いし、時々来ることになるかな。

大混戦

今場所は横綱照ノ富士の引退があり、綱取りが期待された琴櫻がまさかの負け越し、そしてあと二日を残して先頭が二敗の金峰山でそれを追う三敗の力士が四人という大混戦になってきた。この中では、豊昇龍にだいぶ凄みが出てきた感じがするけどどうなることやら。ということで、こちらに来てから大相撲を生中継で観戦することはできなくなったけど、毎朝NHKのサイトで録画の取組動画を見ている。まぁ時差だけはどうしようもないからねぇ。

2025年1月23日木曜日

GMS.2

今日は朝から第二週目の授業。いまだに大雪の影響で大学からは自宅待機の指令が出ているので、今日も自宅からオンラインで実施。「Mendelian Genetics and Chromosome Theory」というトピックで、まずは遺伝学の基礎となったメンデルの遺伝学実験から、サットン、ボベリ、モーガンなどによる染色体説実証までの古典的な研究を紹介。授業の後半には、染色体説の延長線上にある最近の研究として、特定の染色体のaneuploidyに対するがん細胞の依存性について示した論文の実験を紹介した。先週も同じような感じで、一つのトピックについて教科書的な内容を話しつつ、コンセプトの理解を深めるために実際の研究論文を紹介するという構成にしたのだが、これは今までにもやってきた授業スタイルの一つ。研究論文のパートはレベルが一段階高くなる訳だけど、大学院生にはこれくらいがちょうど良いのではないかという感覚が掴めてきた気がする。なんか、毎週ジャナクラの発表をしているような感じになるのかも。

2025年1月22日水曜日

Snow storm

予報通り、雪は火曜日未明から降り始めて、昨日は一日中ものすごい勢いで降り続けていた。気温もかなり下がって、雪国仕様ではないこの家では比較的広いリビングがなかなか暖まらない。一方で、一番小さい屋根裏部屋だけはしっかり温風が出るような構造になっていて、暑すぎるくらいになっているので、一階と二階を行ったり来たりしている。この地域でここまで雪が積もるのは歴史的なことらしく、はしゃいでいる人達の声も聞こえてくるけど、当然除雪車とかもないのでひたすら雪が融けるのを待つしかない。大学からは金曜まで自宅待機とのアナウンスがあった。かといって授業が休校になるわけではなく、オンラインでやりましょうということで、昨日の朝は家からZOOMでのオンライン授業。まだ家にインターネットが開通していないので、ラップトップをスマホでテザリングして実施したのだけど意外と安定していた。そんな訳で、今日も一日自宅でぶらぶらと仕事。そして明日の朝もまたオンラインでの授業です。

2025年1月21日火曜日

Gumbo

この週末は月曜がMLK dayで三連休ということで、久しぶりに少しゆっくりできた。
土曜日、New OrleansにいるWMが、Houstonへ行く途中でLafayetteを通るということで、昼に地元のケイジャンレストランで一緒にランチ。WMはまぁいつも通りだったけど、アメリカでの授業とか研究費のこととかについて色々とアドバイスを聞くことができて良かった。そして月曜日は、隣の家に住んでいる大家さんが晩御飯に誘ってくれたので、アジアンマーケットで見つけた日本酒と饅頭を持ってお宅訪問。旦那のマットはここの地元出身で、この地域の郷土料理の一つであるガンボを作ってくれた。ガンボは、ちょっとスパイシーで濃いスープがたっぷりとライスにかかっていて、見た目はカレーライスに似ているけど味は全然違う。そう言えば、土曜日のWMとのランチでもガンボを食べたんだった。すでにいくつかのレストランでガンボを試しているけど、どの店のも少しずつ違っていてなかなか面白い。マットのはチキンとソーセージが入っている地元の伝統的なものだそうで、これまたとても美味しかった。せっかくだから、落ち着いたら一度ガンボの作り方を自分で研究してみよう。

2025年1月18日土曜日

New Impreza

昨日、ようやく車を手に入れることができた。はじめは中古の Forester に決めようとしたのだけど、その後紆余曲折あって新車でも比較的価格が低めの Impreza にすることにした。スバルのスタッフは皆さんとても親切で、証明書類とか支払い手続きとか保険加入とか煩雑なことについて色々と手伝ってもらった。こちらに来て一週間と少し、毎日のように色んなセットアップの手続きに追われていてまだなかなか買い物もできていないけど、これで少しは自分のペースでできるようになるかな。

GMS.1

ULLではこの1月から始まる春学期で早速授業を1コース担当することになっている。1週に75分の授業を2コマで、1月から5月まで春休みを挟んで14週、ということで全部で28回。そんなにしゃべることあるかいなっていう感じ。ちなみにコースは大学院生向けのもので、「Genetic Model Systems」というものになった。今までにない新しいコースになるので、前任者の資料などは何も無く、全て自分で組み立てる必要がある。そんな訳で、引っ越しで忙しいなか少しずつ構想を練っていたのだが、今週の木曜日に早くも第1回目の授業をしてきた。初めてのコースということもあって学生数が少ないので、教室は小さめのミーティングルームのような部屋。イントロダクションとして、genetic model systemとは、というテーマでなんやかんやと学生に質問を投げかけながら話してみたのだが、やはり日本と違って学生の反応は良い。基本的に、木曜日に一つのトピックについて授業をして、そのトピックに関する論文を課題として渡す。そして、次週の火曜日はその論文の内容について学生達にプレゼンしてもらいながらディスカッションするというスタイル。ということで、次週の火曜日はプレゼンとディスカッションなのだけど、なんと来週の火曜水曜あたりに雪が降る予報が出ており、自宅待機で授業はオンラインになる可能性が高いとか。。。この地域で雪が降るのはかなり珍しいことのようで、皆さんの話題になっている。

2025年1月16日木曜日

セットアップ

さて、この数日間、まずは生活基盤のセットアップに奔走していたのだが、以前に長いこと住んでいた国とはいえ、ほとんど全てのものをまた新しく作るのはかなり難航した。
まず銀行口座を作ろうと思って銀行に行ったら、パスポート以外にアメリカの現住所を確認できるものが必要と言われて断念。住所の証明の一つは、電気ガス水道などのユーティリティの請求書になるけど、まだ住み始めたばかりで請求書がないし、そもそもユーティリティの契約がまだ。ユーティリティの契約には電話番号が必要なので、携帯電話のSIMを注文。住所証明にもなるIDとしては日本と同様に運転免許証が一番なのだけど、フロリダの時のは当然期限切れだし、ルイジアナ州の免許を取るにはまた試験を受けて発行を待たないといけないので時間がかかる。そこで銀行の人に教えてもらったのがState IDというもので、州が発行する運転免許ではない身分証明のカードで、それには住所が入るし即日発行されるらしい。車を買いに行ったら、これまた購入時に同様なものが必要ということで、やはりまずはState IDを取得しようと思ったのだが、State IDにも住所証明が必要。。。じゃあ一体何から手をつければエエねん?ということで、もう一度しっかり順番を整理して考えた。
家の賃貸契約書、携帯電話番号、ユーティリティの契約書、大学のID、などを取得してから町のDMV(免許証とかを発行する所)へ行ったのだが、そこではState IDの発行は取り扱っておらず、Crowleyという隣町のDMVを案内された。なんでこんなところなん?と聞きたくなるような寂れた小さな町だったけど、そこでようやくState IDをゲット。State IDは身分証明書としては運転免許証と同等なので、これとパスポートがあれば銀行口座開設も含めて大体のものが上手くいき始めた。今回、以前に取得したSSNカードをちゃんと持っていたからまだマシだったかもしれない。20年前に初めてアメリカに来た時はSSNもなかったし、そもそもスマホとか無かった時代だからもっと大変だったことを少しずつ思い出している。
そんな感じでとりあえず、生活基盤のセットアップの基本的なところはできてきた。

2025年1月15日水曜日

6日目

Lafayetteに到着してから今日が6日目の朝。始めの3日間はホテルに滞在して、日曜日の夜から自分の家に住み始めた。今回の家はダウンタウン近くのエリアにあるレンタルハウスで、3LDK+屋根裏部屋という感じ。戦前の1939年に建てられた家ということなので、築86年とか。たしかによく見るとかなり古いことが分かるけど、どの部屋もゆったりしていてなかなか良い。家具はまだほとんどないので、少しずつ揃えていければと思う。大家さんは若い夫婦で、まだ小さな男の子と3人で隣の家に住んでおり、とても親切にしてくれるので安心した。
今はまだ日本から持ってきた食料が色々とあるのだけど、この数日の間に試してみたいくつかのレストランはどこもなかなか美味しかった。やはりこの町は食のレベルがなかなか高いのかもしれない。

2025年1月10日金曜日

Lafayette 到着

昨晩遅く、無事 Lafayette に到着。空港からはレンタカーで、とりあえず予約していたホテルに投宿。契約している家にはもう入れるはずなのだけど、電気ガス水道ネット等のユーティリティのセットアップがまだだし寝床もないので、日曜までこのホテルに滞在しながら最低限の生活のセットアップを行う予定。昨日の旅ではラッキーなことに、インチョンからアトランタまでの12時間超フライトがファーストクラスにアップグレードされた。いつかあの Delta One を使ってみたいと思っていたので、席に案内された時は嬉しくて色々な機能を試してみた。扉を閉めると個室になるし、フルフラットになるシートに敷布団や掛け布団も付いているのでもちろん快適なのだけど、機内の乾燥がすごくてあまり熟睡はできなかったかな。晩も朝も韓国風を選んだ機内食は、どちらもかなり美味しくてしっかり楽しむことができた。しかしこのファーストクラスの快適さを知ってしまうと、今後あれやな。。。
さぁ、とりあえず今日から週末にかけて、やれることをどんどんやっていかなければ。

2025年1月8日水曜日

京都編最終回

今日は日本で過ごす最後の日。いくつか残っていた役所での手続きを済ませるためにもう一度京都へ。ついでにもう一度、住んでいた岩倉の家を訪れて郵便物がないか確認してきた。約五年住んだこの場所もこの町もとても居心地が良い住処だったし、ついにこれでお別れかと思うとたくさんの思い出が甦ってきて結構感傷的になった。さらば岩倉。そして出町柳から京都を去ろうというちょうどその時、父からの電話があって、ビザがついに届いたよという報告をもらった。ギリギリセーフ。そんなわけで、いよいよ明日出国する。この三週間、実家で過ごして心の準備はだいぶできた気がするのだけど、アメリカでの授業の準備とかラボ始動の準備とかはまだまだ途上にある。まぁ、いつものようになんとかなるでしょう、というか、なんとかするしかないのよね。。。

ということで、このブログの京都編は今日が最終回。次回からはまた新しいシーズン、波乱の幕開け「ルイジアナ編」に入ります。

お別れ

月曜日、最後の片付けをしにラボへ。と言っても、今年度中はまだ引き続き学生達が実験をする予定なので、片付けたのは基本的に自分のオフィススペース。実験室、フライルームの方は、また4月に一時帰国するときに片付ける予定。大学に来るのはこの日が最後ということで、鴨川の飛び石を渡ってお世話になったカモカフェのDちゃんとScapeのNさんにも挨拶をしに行ってきた。自分にとって、京都に来て一番良かったことの一つはカモカフェを見つけたこと。こんなに落ち着けるカフェは他にはない。Dちゃんとは同い年ということもあり、お互いこれからも頑張りましょうと握手をして別れた。Nさんとは、ルイジアナの新しいラボに置くためのステンドグラスのデザインについて、そして今後の何らかの共同プロジェクトの可能性についても話した。そんなこともあり、京都を離れてもここにはまた帰って来る。そして日が暮れた頃にラボに戻ってきて、Yラボの皆さんと記念写真を撮ってお別れ。皆さま本当にお世話になりました。

2025年1月4日土曜日

ビザ面接

一昨日、ビザの面接を受けに朝から大阪の米国総領事館を訪問。予約は9:15だったのだが、ちょっと早めの8:45くらいに行くと建物の外にすでに20人以上並んでおり、まず中に入るまでにかなり待たされた。以前ここに来たのはもう10年以上前のことだけど、中はほとんど変わっていないのか、少しずつ記憶が戻ってきた。1階でセキュリティチェックを受けてから、階段で3階に上がって窓口で書類のチェックと指紋の採取。その次は2階に降りて領事との面接。なのだけど、面接の窓口が2つしかなくて長蛇の列ができており、だいぶ待ちくたびれた頃に自分の番が回ってきた。面接では、ユーはアメリカ行って何するねんとか、以前のビザの時は何しとったんとか、ありきたりなことしか聞かれなかった。で、なんかちょっとコンピューターで調べたあとに、ハイじゃあアプルーブされましたよーとか言われて意外とあっさり終わった。随分と長いこと領事と議論している人もいたけど、ウチらのビザってこんなもんだっけね。ちなみに、1月8日のフライトを予約してるねんけど間に合いますかねって聞いてみたら、それはキビシイねぇって笑いながらも色々と調べてくれた。まず、ビザの受け取りは郵送よりも自分で取りに来る方が確実だろうと思って、自分でピックアップしに来る設定にしてあったのだけど、どうやら一度東京の大使館に送られることになるから郵送の方が早いらしい。ということで、家に帰ってきてすぐに郵送に切り替える手続きをして、心に余裕を持たせるためにフライトをさらに一日後ろへずらして1月9日に変更。その後、領事館からメールが来て、通常であれば6日月曜日にビザの発行となり、8日にお手元に届く見込みとのこと。さぁ、あとは全て予定通りに進むことを祈るのみ。

2025年1月2日木曜日

謹賀新年 2025

新年明けましておめでとうございます。
皆さま、本年もどうぞよろしくお願いします。

元旦は、大晦日から息子がこちら大阪の実家に来ていたので、四人でおせちを食べて、午後はぶらぶらと地元の神社へ初詣。子供の頃は毎年大晦日の夜に、紅白歌合戦が終わったら家族でこの地元の神社に並びに来て、年明けの時報を聞いてから境内にあるたくさんの社の一つ一つを拝んでまわるという夜中の初詣をしていたことを思い出した。夜に見上げる本殿は荘厳さがあり、裏のほうにある小さな社はとても暗くてちょっと怖かったり、露店が出ているお稲荷さんのあたりは幻想的だったり、そのような雰囲気のなか、一年の始まりとしてなんだかとても大切なことをしているような気がしたもんだ。今年は渡米してまた新しいスタートということで、色々とがんばらなあきませんけど、うまくいきますようにとお祈り。