2011年9月9日金曜日

GFP-protein trap

今日コンフォーカルをやっていておかしなことに気付いた。以前からあるタンパクの細胞内局在を抗体染色で見ていて、これは非常にクリアーなdistinctive patternが得られていたので別にこの結果を疑っていた訳ではなかったのだけども、これが今後の基礎となるデータということもあって、この抗体染色での局在パターンが本物なのかどうかGFP-trap lineでも確かめておこうと思った。FlyTrapからオーダーしたこのGFP-trap lineは、enhancer trapではなくてprotein trapなのでGFP-fusion proteinがendogenousに発現されているはずのもの。ところが蛍光顕微鏡下で見たところ、どうもGFPのシグナルがベターっとuniformにある感じで抗体染色のパターンとはちょっと違う感じがした。GFPシグナルがちょっと弱いということもあったので、今回このGFP-trap lineのimaginal discを、今まで使っていたこのタンパクに対する抗体とanti-GFP antibodyでco-stainingしてみたのだ。するとおかしなことに、コンフォーカルのZ-stackで見てみたらやはりGFPシグナルはuniformにある感じなのにもかかわらず、GFP antibodyの局在パターンはピッタリとタンパクの抗体染色のシグナルと一致していた。どういうことなのかねぇ、こういうことって結構あることなのかなぁ。
ということで、GFP-protein trap lineのシグナルは必ず一度anti-GFPを使って確認した方が良いのかもしれない。もちろんanti-GFPでGFPシグナルをエンハンスすることが出来る訳だけども、この場合見た目のGFPシグナルに惑わされないようにanti-GFPの二次抗体はGFPとは別のチャンネルした方がイイ。

6 件のコメント:

  1. こういうGFP-trapってGFPがタンパクの真ん中とかにあるのですか。もしそうだとすれば、そもそもエンドの蛋白と局在が違うことがあっても不思議じゃない気もします(局在が同じであることも多いと思いますが)。

    GFPのシグナルとGFP antibodyの局在が違うっていうのは、ちょっと不思議すぎるような気もしますね。僕はどっちかというと、抗体のシグナルより、GFPのシグナルを信じます(より直接的だし、抗体だと、固定とかdetergentによって蛋白が細胞から抜けたりするし)。どっちかというと、抗体のcross reactivityとかで、GFP antibodyか二次抗体が変なのを拾っているような気も。。。個人的な経験なのですが、超スペシフィックなはずのmyc antibodyが他の蛋白にくっついて大分時間を無駄にした経験があります。

    大きなお世話かもしれないですが、しったかコメントをさせていただきましたm(--)m

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  2. syoo4sさん、どうも。コミッティーミーティングはうまくいきましたか?
    コメントありがとうございます。そう、そうなんですよね、GFP-fusionがエンドのタンパクと局在が違う可能性は充分あり得る訳なんですが、不思議なことにこのタンパクに対する抗体とanti-GFPのシグナルがキレイにマッチしとるんですよ。タンパク自体のlocalization patternはエピトープが異なる三種類の抗体で確かめているんですけど、確かにstaining processでのアーチファクトの可能性も考えるべきなのかも知れません(ていうかそれをちょっとでも気にしたからprotein-trapを見ようと思ったのだった)。でも実はこのタンパク、平凡な誰でも知っているタンパクで元の抗体染色のパターンが間違っているとはちょっと考えにくいということもあるんです(とは言っても今私が追っている局在パターンは今までに報告されていないものなんですけど)。他にもanti-GFPで確かめたいprotein-trap lineがあるんで、これはまた後ほどリポートしますわ(覚えていたら)。

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  3. どうもです。コミッティーミーティングは無事終了しました。

    僕にとって一番不思議なのは、anti-gfpとgfpが違うようにみえることですね。こういうのって、一度ハマると結構ハマりますよね。僕はドツボにハマったことがあります。gfp antibodyはポリクロなのでしょうか。僕の個人的な経験なのですが、invitrogenのラビットのポリクロは結構シグナルが強いけれど、何かノンスペも多い気がします。clontechのモノクロのJL8は、シャープで、いい感じです。でも、結局こういうのって、究極的には、ノックアウトかノックダウンでシグナルが消えるってことを言わない限り、確信はもてない気もしますよね。まぁ、サイエンスで100%なんて到底無理だから、ある程度可能性を高めたら、それでよし、とするのもありだと思います。ただ、そのデータが一番大事なら、やっぱり相当な確度で確信したいですよね。

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  4. syoo4sさん、貴重な情報をありがとうございます。うちのanti-GFPはAbcamのab290、ラビットポリクロですね。clontechのJL8、一度試してみようかと思います。
    しかし今回、GFPよりもanti-GFPのシグナルの方がspecificに来ているというのがヘンなんですよね。逆なら抗体のせいにできるんですけど、syoo4sさんの言うようにcross reactivityの可能性もありますもんね。ノックダウンについては今やっているとこなんですわ。このタンパクに対するRNAiがいくつかとGFP-RNAi flyがあるので、タンパクに対するRNAiでGFPシグナルが消えて、GFP-RNAiでタンパクのexpressionが消えるか、ということです。まぁそれでもGFPとanti-GFPの違いは説明できないんやけどねぇ。

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  5. なるほどabcamのab290なんですね。今、abcamのページを見てみたところ、かなり評判はいい感じですね。今一つ気付いたのですが、このサイト(http://www.abcam.com/GFP-antibody-ab290.html)の真ん中あたりにのっているGFPとab290の見え方が、著しく違う気が。。ab290は膜あたりを強く染めているのに、GFPはもっとdiffuseな感じ。これを見る限り、この抗体は、GFPにくっつくのは間違いなさそうですが、何か膜あたりのGFPのsubpopulationをより強く感知するような感じが。全然関係ないですが、以前abcamのマウスのモノクロのGFP antibodyを買ったのですが(どれか今手元に情報がないのですが)、ほとんど使い物にならなかったです。abcamはいいのもあれば、変なのもある、という印象ですね。

    あと上にも書いたのですが、抗体染色は、やっぱり蛋白が細胞から抜けたりするかもしれません。微小管とか染める時は、あえて、ちょっとdetergentを多めに入れて、チューブリンモノマーを細胞から抜けさして、ポリマーだけ染める、とか僕らは結構やります。まぁflypusher48さんの状況は、蛋白抜けとは違いそうですが。

    しかし、まぁ染色は色々あるし、やっぱりRNAiのデータが大切な感じですね。

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  6. syoo4sさん

    >今一つ気付いたのですが、このサイト(http://www.abcam.com/GFP-antibody-ab290.html)の真ん中あたりにのっているGFPとab290の見え方が、著しく違う気が。。

    おぉぉ、確かにこの写真はヤバイですねw。もしこれが本当なら、この抗体はsubcellular localizationを見るのには適していませんということになりますか。。。JL8注文しますわ。

    >微小管とか染める時は、あえて、ちょっとdetergentを多めに入れて、チューブリンモノマーを細胞から抜けさして、ポリマーだけ染める、とか僕らは結構やります。

    へぇぇ、そんなことやるんですか?それは初めて聞きましたなぁ。

    ともあれ、いろんな情報ありがとうございました。またよろしくお願いします。

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