Aneuploidy-induced delaminating cells drive tumorigenesis in Drosophila epithelia. (2012) PNAS. 109: 20549-54.
基本的には、chromosomal instability(CIN)によるaneuploidyがハエのimaginal discにおいてtumorigenesisを促すそのメカニズムを示した論文。
wing discでCINを誘導するために、spindle assembly checkpoint、spindle assembly、chromosome condensation、cytokinesisに関わる各遺伝子をRNAiでknockdownしている。実際にこれらのRNAiでCINが誘導されていることを確認するために、adultでのMinute及びyellowのloss of heterozygosity、そしてdiscにおいてUAS-GFP on 2nd and UAS-RFP on 3rdのloss of heterozygosityを見ているのだが、実際かなりaneuploidyが起こっている様が見られて面白い。で、この場合これらの細胞ではapoptosisとbasal delaminationが起こるのだが、このapoptosisをp35でブロックするとinvasiveなneoplasic tumor growthが誘導される。ちなみにこの細胞死はp53 independentである。これらCIN-induced delaminating cellsでは、aPKC、Dlg、E-Cadherinの発現低下とmislocalization、JNK→MMP1の活性化によるbasement membraneの破壊、及びJNK→Wgの活性化が起こっており、基本的にはこれらのことでCIN-induced tumorigenesisを説明している。E-Cadherin mislocalizationによるdelaminationと、JNK activationによるMMPとWgのupregulationというこの二つの現象自体は別に新しい知見というわけではないので、ここで大事なことはaneuploidyを起こした細胞においてdelaminationとJNK activationが起こるメカニズムなんだけどもこれらは明確には説明されていない。apical–basal polarityの破綻がJNK activationを誘導することは分かっているのだが、それならaneuploid cellにおいてapical–basal polarityの破綻が起こる理由はなんなのか。ここはオモロイとこやね。まぁもちろんこれらのaneuploid cellのgenetic backgroundがどうなっているかは全く分からない訳で、「stress, most probably as a result of aneuploidy-induced protein stoichiometry imbalances, contributes to this rapid response.」ということになるか。
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