2026年4月23日木曜日

HST14

今日も朝一で講義、午後は実習で先週の続き。二週前からcapstone projectのバックグラウンドとなるinvasion hotspotの研究内容ついて話し始めて、今朝の講義で全ての内容を話し終えた。来週はもう学生達のプレゼンだけなので、これがこのHistologyコースの最後の講義ということになる。
組織学というと自分の中では、HE染色した組織切片を観察して、組織の構造や名称を確認して暗記する記述的な教科だったのだけど、そんな退屈な授業は自分が耐えられないので、今回全く新しい自分なりの組織学のコースをデザインしてみた。生体組織をdynamic systemとして理解するHistologyというコンセプトで、組織の構造と成り立ちから様々なレベルでの機能と制約、進化、恒常性維持、そして崩壊と再構成、病態などについて、Drosophila modelの知見を随所に織り込みつつ説明した。いざやってみると、これまた驚くほど自分の研究領域がピッタリとはまり、意外と話しやすかったし、やっていて楽しかった。しかも、結構優秀な学生が多かったためか、彼らはしっかりついてきていたと思う。
今日の最後の授業では、invasion hotspotから始まる腫瘍浸潤のプロセスについて、Egr-Grnd-JNK-MMP1というシグナリングの活性化が、なぜinvasion hotspotという内在性の組織構造で特異的に生じるのかについて話した。このプロセスを説明するには、pseudostratified epitheliumの構造、epithelial junctions、apicobasal polarity、ECM、mechanotransduction、tumor suppressor geneとoncogene、細胞分裂時のinterkinetic nuclear migrationとspindle orientationなどを全て考える必要があるのだけど、ここまでの13回の講義と論文講読でこれら全てを網羅してきた。今日の講義は、ここまでに張ってきたこれら全ての伏線を一つひとつ回収していく作業でもあり、全てを学んできた彼らはすんなりと理解していたようだった。
最後に一人の学生から、これはもしかしたらヒトの組織で言うとsquamocolumnar junctionのような部位に当たるのではないですか?という質問が出たのはまさに狙い通りで、あぁここまで少しずつ頑張った甲斐があったなぁと思った。来週の学生達による発表会が楽しみだ。

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