2025年9月20日土曜日
Baton Rouge
そんなわけで先週末は、京大からの学生を連れて近隣の観光へ。土曜日はタバスコミュージアム、そして日曜日はバトンルージュへ行ってきた。バトンルージュにあるLSUへは何度も行っているのだけど、ダウンタウンの方は歩いたことがなかったので、バトンルージュ観光は自分にとっても初めて。しかし、日曜は開いていない場所が多くて、旧州会議事堂とかタワーとかには入れずちょっと課題を残した。
Visit from Kyoto
先々週の金曜から今週の月曜まで10日間、京大のラボで研究していた学生3人がこちらを訪問していた。博士課程のロイと、この6月まで自分が不在の間も含め京大のフライルームでスクリーニングをやってくれていたバイトの学生2人。出張ということで、一週間毎日朝から晩まで結構しっかりと働いてもらった。自分が用意しておいたスクリーニングの続きも少し進んだし、ロイと一緒にここの共通機器のコンフォーカルを使って初めてタイムラプスも試すこともできた。タイムラプスは途中でレーザーが止まってしまってどうもうまくいかないのだけど、z-stackは綺麗に撮れることが分かった。金曜日のラボミーティングでは、ロイが自分の研究内容を紹介して、その後ラボメンバーみんなで近くのインド料理レストランへ。こちらの新しい大学院生達は、実験の技術的なことをはじめ色々と聞けたようだし、日本の学生達は3人ともアメリカでの初めての経験ばかりで、かなり楽しんでくれたようだ。
2025年9月17日水曜日
2025年9月13日土曜日
序盤三週終了
忙しすぎて、ブログを書く時間がなかった二週間だった。。。
いやぁ、やっぱり新しいコースのデザインをするのはかなり大変ということを実感。まぁ春セメの「Genetic Model Systems」も完全に新しいコースだったのだけど、ぴったりのテキストブックが見つかって、それに沿って組み立てていったのでなんとかなった感じだった。今回の「Advanced Cell Biology」は、教科書は探せば色々とあるし、前任者の資料ももらおうと思えばもらえるのだけど、今回は教科書なしで完全に自分のアイデアをもとにコースを組み立ててみようという試み。そんな訳で、GPTとも相談しながら毎日文献を漁りまくってなんとか水曜と金曜の講義を間に合わせている。生徒は13人。講義をしていると、頷きながら一生懸命ノートを取っている学生が結構いるので、まぁまぁ皆ついて来てくれている感覚はある。
2025年9月1日月曜日
第一回ラボミ
金曜日、いよいよここでの第一回目のラボミーティングを行おうということになり、初めてラボメンバーが集まることになった。この秋セメから来ることになった学生の中には、まだ他のメンバーと顔を合わせたことがない人もいたので、若干ぎこちない雰囲気の中、まずはウェブサイト用のグループ写真を撮ろうということになり、研究棟入口のロビーのところで記念撮影。学生は全部で8名だけど、春に手伝ってくれていた学部生のGだけはこの日来れなかった。この3ヶ月ほどはJMとJPの2人だけだったので、今週から急に人が増えて学生達をコントロールするのが大変になりそうやなぁ。
それにしても、こうして並んでみるとかなりダイバーシティが高いね。
2025年8月30日土曜日
第一週目終了
秋セメ第一週目終了。やっぱり始めの週は疲れるね。まぁ、長い苦難の4ヶ月の始まりだけど、とりあえず学生達と一緒に今回のコースのパターンを確認できたという感じ。今回は毎週一つのトピックを決めて、水曜日に講義をして、そのトピックに関する論文を課題として渡す。生徒達はいくつかのグループに分かれて、翌週の月曜日にその論文の内容についてプレゼン&ディスカッション。金曜日は論文のバックグラウンドを講義して、残りの時間は翌週のプレゼンに向けて生徒達がグループに分かれて相談、という流れ。これでいくと、授業は月水金だけど、自分が講義をするのは水曜日の一回と金曜の前半だけということになる。よーし、これなら何とかいけそうやん、という手応えを得た。もちろんこういうスタイルは、自分がやる講義の負担を減らす工夫でもあるのだけど、学生にとってもプレゼンやグループディスカッションというのは、自然と積極的に参加して自分で考えることにつながり、いわゆるアクティブラーニングとして有効という感じがした。今後4ヶ月をかけてどんな感じになっていくのか、まぁまぁ楽しみになってきた。
2025年8月27日水曜日
Ni-E移設完了
昨日の朝、こちらのNikonの技術者の方が二人来てくれて、Ni-Eの組み立てと調整をしてくれた。なんかここ最近リノベーションの件で、作業を約束していた日に来てくれないのが普通だったり、来てくれたとしても途中で帰ってしまってそれ以上来なかったりとかいうのが日常だったので、時間通りにちゃんと来て丁寧な作業を(しかもタダで)やってくれたことに感動した。まぁ、ちゃんとした会社の人達は普通そうだと思うんだけど、あまりの酷い対応に慣れてきている自分に気付いた。ともあれ、これで実験に必要なものはほぼほぼ揃ったのではないだろうか。あとはハエ達の餌を作るためのフライキッチンの整備か。
そういえば今日の午後、試しにNi-Eを動かしていて思ったのだが、少し前にデモで来てもらった2種類のオールインワンの顕微鏡と比べて、画質はNi-Eの方が良いと思う。しかも、自分にとってはやはり、接眼レンズから覗いてじっくり観察するスタイルの方がしっくりくる。
ACB1
いよいよ新学期第一週が始まった。今回のコース「Advanced Cell Biology」の第1週目のテーマは、Evolution of Multicellularity。ということで、月曜に引き続き今日が2回目の講義。生命の長い歴史の中で、単細胞生物から多細胞体制への進化は様々な分岐群で何度も起こっているようだが、この大きな変化はなぜどのようにして起こるのかという話。今日は主に、ChlamydomonasとVolvoxの比較を例としながら話した。これは基礎生物学で結構一般的なテーマだけど、ものすごく根本的であり奥深い問いなので、やっぱり面白いよね。今回の生徒は学部のシニアから大学院生まで14名。今朝は結構熱心に聞いてくれている子が多い気がした。
2025年8月23日土曜日
Advanced Cell Biology
今週から新学期の開始ということで、今週は大学の色々な会議やイベントに参加していて、授業開始前の一週間が飛ぶように過ぎ去ってしまった。ということで、月曜から授業が始まるのだけど、まだまだ準備ができていない。この秋学期担当するのは、「Advanced Cell Biology」。月水金の朝9時から50分の講義。そして、それに加えて月曜の午後は「Advanced Cell Biology Lab」の実習まである。かなりヘビーだし、そもそもアドバンスドと言ってもCell Biologyなんてかなり広い分野なので、どうしたもんかとこの夏の間ずっと頭を悩ませていた。まぁいまだに悩んでいるのだが、とりあえず今週はシラバスを書かないといけなくて、ぎりぎりこの週末で完成させる。中間期末試験の週を入れると全16週、講義は全部で40回以上あることになる。一回が50分とは言え、どう考えても多すぎる。まぁ細胞生物学の分厚い教科書をなぞっていけば40回分のトピックはあるだろうけど、そんな退屈な授業はしたくないし、アドバンスレベルだからそういう基礎的知識はあるものとして考えたい。ということで、自分が考えている細胞生物学の一つのコンセプトを、学生たちと一緒に14週かけて追求していきたいと思う。
「From the origins of life to the social behavior of cells, differences between unicellular organisms and multicellular systems, and ultimately to the breakdown of these systems in cancer.」
2025年8月14日木曜日
高校開始
今週から高校の新学期が始まった。ということで、いよいよ下の子がここの高校に通い始めた。これまでになんやかんやと手続きがあったのだけど、この夏に高校の校舎が新しく作られていたこともあり、訪問することもできていなかったので、新学期一日目に全く初めての場所に行くというなかなか不安な感じの始まりだった。日本の高校とは全く違っていて、ホームルームはなく、授業がある教室へ各自が移動するという大学に近い感じのシステムなのだそう。そんな中でももうすでに数人の友達が出来たようで、まだまだ手探りではあるけど、とりあえずはスタート出来たという感じ。
それにしてもアメリカの高校は朝が早くて、7時には登校していないといけないということで、家を出るのは6時半。朝、車で送りに行くと高校の横の道にはすでに送迎の行列ができていて、車の窓から朝日が昇るのを見ることができる。自分もとりあえずこの時間に合わせているので、今週からラボに来るのが8時になった。
Ni-E
先月京都からまとめてFedExで送付した荷物の中に実体顕微鏡が5台あったのだけど、これらは何の問題もなくこちらに届いた。で、実はそれ以外にもNikonの蛍光顕微鏡 Ni-E があって、こちらはもうだいぶ前に分解して8箱に分けてしっかりと梱包してもらっていたのだけど、普通に送るのはさすがに怖いので、引っ越し前から専門の輸送業者と打ち合わせを重ねてきた。やはり専門輸送業者の方は輸出入の手続きがかなりしっかりしていてリライアブルなのは確かなのだが、こちらで用意しなければいけない書類の量に圧倒されて、なかなか手をつけることができていなかった。当然輸送費がかなり高くなることも分かっていたし、こちらで新しい顕微鏡のデモをしたりしているうちに、もう無理して送らなくても良いのでは、とまで思い始めていたのだけど、実体顕微鏡があっさりと届いたことで考えが変わった。もうFedExで送ってしまおうと。そんな訳で、先月末に京都のYラボの方々の協力のもとNi-Eが入った8箱を送り出してもらったところ、これまた何の問題もなく数日でこちらに届いた。この半年間ほど悩まされたあの輸出入関連書類は本当に必要なものなのだろうか。まぁでももう届いてしまったものは仕方ない。ということで、こちらのNikonに連絡を取って、再組立てと調整をお願いすることになった。こちらは再来週。ようやく先週から始まったラボのリノベーション工事が今週も続いているので、再来週にNi-Eがインストールされたら、ようやく本格始動できるかな。
2025年8月5日火曜日
FB2
土曜日、New Orleansで開催されたショウジョウバエの学会「Fly Bayou」に参加してきた。この学会はコロナ禍の2020年にWMが中心となって始めたもので、米国南部にあるDrosophila labの集まり。普段は月一回のオンラインセミナーシリーズをやっているのだけど、二年に一回実際に集まる学会をやろうということになって今回が第二回。実は二年前の第一回はバトンルージュのLSUで開催されたのだが、その時自分はたまたま出張でこちらに来ていてトークまでさせてもらったのだった。そんなこともあり、参加している人達はたいがい知り合いで、自分にとっては意外とすでにホーム感のある学会なのだった。最近、加入しているラボはかなり増えてきていて、東海岸から中西部まで30ラボに上るのだけど、今回の参加はほぼ地元のルイジアナ州から。今後もっと学会参加が増えるようにしたいね、というのが学会後にシーフードレストランで集まったボードメンバーでの議題の一つだった。
2025年7月31日木曜日
UL lines
こないだ京都でハエ達を整理してパッキングしていたのが7月の第一週だったので、丸一ヶ月の間ラボのハエ達の引っ越しをしていたことになる。結局、しっかり準備して送った第一陣は税関で数週間留置された挙句、日本に返送されて全滅してしまったので、控えとして用意したコピーの第二陣で新シリーズを構築することになった。この第二陣のハエ達は、第一陣が税関で止まったことを確認してから急遽用意して送り出したものだったこともあり、あまり状態が良くないものも多かった。そんな訳で、到着してからここ二週間ほどはリカバリーをしつつ、4月に送った約150本の系統との整合性を確認しながらナンバーを振り直して、ようやく新しいリストが完成した。これまで800以上あった系統を全体的に見直して、半分の400以下にまで選抜した。いやはや、だいぶ疲れたけど、やっぱりハエ達が揃うとようやくラボの基盤が整備された安心感がある。
それにしてもあの時もう一度大阪から京都へ戻って急遽第二陣を送り出したのは、自分ながらすごい英断だったと思う。絶対にやらねばと思って全く迷いはなかったのだけど、あそこで思い切ってやっていなかったらと思うと本当に恐ろしい。
2025年7月30日水曜日
JとK
大学院生としてうちのラボに来る予定だったイランの学生二人が、昨今の様々な情勢によりアメリカへ来ることが叶わなかったのだが、ビザの問題で来れなくなった新入生はうちの学部で彼ら以外にも数人いたようだ。それ以外にも在学生で休学する学生がいたりして、秋学期から授業や実習を手伝う大学院生のTAが足りなくなってしまったらしい。そんな訳で、この秋の入学を志望していたけど受け入れ人数の問題で、来年の春学期まで選考を延期された受験生の中から数人に対して、急遽秋入学への許可を出そうということになった。という話を、先々週の金曜日に急に大学院のコミッティメンバーから直接聞かされた。なぜ自分に直接その話が来たのかというと、コミッティが目を付けた受験生というのが、この春にうちの学部を卒業した学生で、修士課程でうちのラボを志望していた J と K だったからだ。他にも候補者は数人いたようだが、海外からの学生はもうすでにビザの手続きが間に合わないし、この二人の成績と評価がかなり良かったこと、そしてうちのラボに入学予定だったイランの学生が二人とも来れなくなったことなど複数の理由があった。まぁうちとしては喜ばしいことなので、その場で二つ返事でお願いした。
で、その後そのことについて、ファカルティの皆さんで投票を行いましょうというコミッティからのメールがあったのだけど、それに対して数人のファカルティから、コミッティによる選考過程が不透明だとか、海外の候補者を除外するのは差別に当たるとか、その学生は自分の授業のレポートでAIを使ったから許可できないとかなんとか、否定的な意見が出てきてファカルティ全体のメールで結構激しいやり取りが交わされていた。結局、ファカルティミーティングを開いて皆で議論してから投票しましょうということになり、先週あったそのミーティングではこれまたかなりインテンスな議論が一時間以上続いた。反対意見を持つ数人のファカルティの意見は正義感のある方々の正論と言えばそうなんだけど、今は問題解決のためにもう少し柔軟な対応をした方が良いはずだし、コミッティが事前に決めてしまったように見えたのが気に入らなかったのだろうけど、それで候補の学生を執拗に貶めるようなことを言うのは自分は納得がいかなかった。議論の主な対象になったのが自分のラボを志望している学生二人と言うこともあり、皆さんの議論が少し落ち着いた頃に自分の意見を言わせてもらった。ファカルティミーティングで長々と自分の意見を述べるのは初めてだったのでちょっと緊張したけど、しっかり頷いて聞いてくれている人が多かったので落ち着いて話せたと思う。そのスピーチの効果がどれくらいあったかは分からんけど、その後行われた投票では3分の2以上の賛成票が集まって、結局 J と K の二人ともこの秋からうちのラボに来れることになった。
数人のファカルティが大きな声で反対意見を出してきた時は、なんとなく皆その雰囲気に流されてダメになるんかなぁとか思ったのだけど、ここまで真剣に意見をぶつけ合って決めるのはアメリカらしいなぁと思った。ということで、来月から大学院生が4人、学部生もたぶん3人来ることになるのかな。誰が何をするのか、ちょっと具体的に考えていかんとあきませんな。
2025年7月23日水曜日
オジー
昨日、オジーが亡くなったらしい。つい最近、ブラックサバスの地元バーミンガムで最後のライブをやったというニュースを見たところだったので耳を疑った。
自分が学生の頃にバンドを始めてからもう30年経つけど、その頃からオジーはずっと自分のアイドルの一人だった。何度も聴いてギターを練習した数々の曲は、今でも完璧に脳内再生がかかる。オジーの音楽はとてもドラマチックでヘビーで、彼のバンドのライブは最高にアツかった。そして何より常にファニーでユーモアに溢れたチャーミングなロックスター。昨日から久しぶりにライブ映像とかをたくさん見返していると、涙と共にたくさん笑いが溢れてしまうのは本当にオジーならではだと思う。亡くなったのは悲しいけど、あの独特の声とどこかファニーな仕草はいつまでも記憶に残る。陳腐な言い方になってしまうけど、今頃はランディローズと。。。涙
上のライブは1993年の「Live & Loud」から。学生の頃この時のライブビデオをずっと見ていたから自分にはこの頃のバンドが一番馴染みがある。ザックワイルドが最高にカッコいいし、オジーは本当にオモシロイ。
2025年7月20日日曜日
Vanox
秋学期の授業開始まであと5週間。ということで、ちょっと具体的に授業の内容を考え始めないとなぁと思っている。今回教えるコースは「Advanced Cell Biology」で、月水金と週3回の授業。しかもこれと共に週一回の実習もあって、月曜日は朝が授業で午後は実習。これはだいぶヘビーやなという印象。そんなわけで、今から一ヶ月の間に少しずつ準備していきたいと思う。しかし、Advanced Cell Biologyの実習って何するねん?という感じ。前年度のシラバスを見ると、それってAdvancedなん?という感じのものであんまりピンとこない。まぁ確かに自分の学部生の頃の学生実習を思い出すと、そんなに面白かったようなものではないかも知れない。でもやっぱり“Advanced”なので、よくある一般的なものではなく、本当の研究に近いものでも良いのではないだろうか。せっかくだから、Drosophilaを使って将来的に論文に発展させることができるような実験を皆んなでやるというのはどうだろうかなと考えている。Genetic screeningとか。
ともあれ、とりあえず実習室にどれくらい使えるものがあるのか見に行ってみたところ、普通の光学顕微鏡はたくさんあったのだけど、蛍光顕微鏡がない。と思っていたら、隣の準備室みたいなところに、この写真のずいぶんレトロな感じの蛍光顕微鏡を見つけた。ネットで調べたらOlympusのVanoxという1970年代のものらしい。こんな古いやつは初めて見るけど、これって本当に蛍光シグナルを見れるんだろうか?電源を入れてみると一応ライトは点いたので、一度サンプルを作って試しに見てみようと思う。
2025年7月17日木曜日
半年
豊昇龍が今日からまたもや休場というのは残念すぎるんだけど、今場所からいよいよ安青錦がきている感じ。内無双って一瞬だからよく見ていないと何が起こったのか分からないよね。
アメリカに来てすぐの頃に何もない部屋で初場所を観戦していたのが印象的で、最近は大相撲が始まると、あぁあれから何ヶ月経つんだなぁと認識する。ということで、こちらに来て約半年経ったということね。この半年で、家もラボもだいたいの基盤が整ってきたし、こちらで結構な数の新しい知り合いができたことを考えると、まぁまぁそれなりに歩を進めることができているのかな。
2025年7月15日火曜日
pumped
今朝、ダウンタウンの自転車屋さんに寄ってタイヤの空気を入れてもらったら、なんだか気分が晴れやかだ。このところほぼ毎日夕方には大雨が降るけど天気は良いし、夏真っ盛りという感じになってきた。しかし体の方はまだまだ時差ぼけが抜けず、夕方にはまぶたが重たくなってくる。今週は、こちらに到着したハエ達の様子をチェックして新しいバイアルに移しつつ、新しいラボのストックリストを作る。
そういや、わくわくしていることを「Feeling pumped!」とか言うけど、あぁなるほどねぇと思った。
2025年7月12日土曜日
4台
そんな訳で、今日は大学院生のJPと一緒に、こちらに届いた34箱を一つ一つ開梱して中身を調べていた。前回の教訓から、今回はかなり念入りに梱包したこともあり、箱自体が少し凹んだりしていても、中身が壊れたりしているものはなかったようだ。ニコンの担当の方が梱包してくれた実体顕微鏡はやはりさすがと言うべきか、二重梱包でしっかりした緩衝材が使われていて、全く問題がなかったように見える。そんな訳で、今日は自分で4台の実体顕微鏡を組み立てて、フライプッシング用のCO2ステーションがこれで4台完成。日本のラボの色々なものが移設されて、ハエ達のバイアルも一気に増えて、いよいよフライルームらしくなってきた。自分でフライルームを立ち上げるのは今回でもう3回目なのだが、なんか今回が一番苦労しているなぁ。
34
昨日は、3本目のヒューストンからの飛行機が1時間ほど遅れたものの、日付が変わる少し前に無事ラフィエットに到着。今回、キャリーケースに保冷剤とともに抗体や試薬類をたくさん詰め込んでの入国だったので、税関で開けられて面倒なことにならないか心配していたのだけど大丈夫だった。前回同様、入国手続きもスムーズ。抗体類はとりあえず、昨晩は家の冷蔵庫に緊急避難させて、今日ラボの冷蔵庫に入れることができた。
そして、一昨日最後に送った予備ストックの3箱のハエ達は、なんと昨日自分よりも早くこちらに到着していたようで、今日ラボに行くとすでに到着した34箱の山の中にあった。すぐに開けて、元気そうにしているハエ達を確認できてホッとした。追跡記録を見てみると、こいつらもメンフィスの中継地点を通過してきているので、先週送り出していまだに輸入手続きで足止めされている第一弾のハエ達をメンフィスで追い越してきたことになる。全く同じものを出荷しているのになんでこんなことが起こるのか、ここでは詳しく書けないけど今回の経験でよく分かったので、今後のためにちゃんと覚えておきたいと思う。というわけで、未だメンフィスにいる第一弾のハエ達と1箱の抗体類、そして自分ではもはやちゃんと覚えていないけど多分書籍類が入っている3箱以外は全て到着した。
2025年7月9日水曜日
5 years
二週間の一時帰国は今日が最後の夜。結局やはり今日も京都へ赴き、念の為に取っておいたコピーシリーズのハエ達約550ラインをパッキングして送り出した。しっかりと梱包したしエクスプレスで発送したけど、この暑さがかなり心配ではある。そもそも日本国内の移動で少なくとも数時間は30度超に晒されるだろうからなぁ。アメリカ入国後の税関検査もどうなるかは分からないし。。。まぁともあれ、やれることはやった。
残しておいたハエ達を今日送り出したことで、ついに京大のフライルームのハエは全ていなくなった。最後に一人で片付けをしていると、このフライルームであった色々なことが思い出されてなかなか感慨深かった。ここで学生達と一緒にすごい数の解剖をして、たくさんディスカッションをして、時々パーティをして、そしてやっぱりフライプッシングし続けた5年間だったなぁと。そういえば少し前にGPTとハエの輸送についてチャットしてて、今度の論文の Acknowledgements には、世代を経ていつも自分と一緒に移動して研究に貢献してくれているハエ達について書いてみようかという話をしたのだった。
"I thank the resilient generations of Drosophila melanogaster who, having crossed oceans and survived multiple lab relocations, continue to contribute tirelessly to my research. Without their wings, none of this work would fly."
そんな訳で、とりあえず自分も明日ルイジアナへ向かいます。
2025年7月8日火曜日
税関
さて、先週FedExでアメリカへ向けて送り出した荷物をずっと追跡しているのだが、まさに心配していたハエ達が入っている箱と抗体類の箱が、メンフィスの税関で足止めされていて土曜日から動かない。品目の書き方を間違えたか、というか証明書類をちゃんと揃えるべきだったか。実体顕微鏡とかが入っている箱は、すでに昨日からルイジアナの方のラボへ届き始めているようだ。今日、税関手続きについては自分とルイジアナの受取先にFedExから連絡がきたので、とりあえず必要な情報を提供して様子を見るしかない。ハエに関しては、こういう時のために念の為に取っておいたコピーシリーズも明日発送するかな。自分がアメリカへ発つのが明後日に迫ってくる中、ギリギリの作戦が続く。
2025年7月4日金曜日
36
早くも土曜日。今週は毎日、朝から晩まで京大のフライルームの整理とパッキングをしていた。結局この数日間で送った荷物は全部で36箱。予想以上に多くなったし、インキュベーターも5台を福井の方へ送ったのだけど、フライルームは意外とあんまり片付いた感じはしない。まぁでもとりあえず送りたかったものは昨日でほぼ送り出せたので、疲労とともに達成感を感じながら、夕方にはカモカフェ下のScapeへ赴いて製作中のステンドグラスについてディスカッション。その後さらに上のカモカフェへ行って少しゆっくりすることができた。
今回送った箱には、うちのストックの大部分のハエと抗体類も含まれている。Lafayette到着予定は来週火曜。なんとか無事に辿り着くことを祈るのみ。
2025年6月29日日曜日
2025年6月28日土曜日
Led Zep
一昨日のヒューストン–羽田のフライトではあまり眠れず、結局映画を4本観たのだが、この「Becoming Led Zeppelin」は素晴らしかった。見たことがない貴重な映像が多かったし、各メンバーのコメントはいずれも興味深い。自分がどれほどこのバンドの音楽を聴いてきたか、しみじみと考えた。50年以上経ってもやっぱりLed Zepは最高にイケてる。
2025年6月26日木曜日
二週間
あっという間に六月も終盤。春セメスターが終わってから早くも一ヶ月以上経ってしまった。この三ヶ月の夏休みの間にやりたいことはたくさんあるのだが、なかなか順調には進まない。あと二ヶ月、なるべく計画的に行きたいもんだ。そして今日からまた一時帰国、ということで、いま早朝のLafayetteの空港でこれを書いている。今回は二週間の帰国。来週はほぼ一週間京都に滞在して、いよいよ京大のラボを閉じるための片付けをする予定。全部片付けることができるのか、We will see what happens...
デモ2
一昨日の火曜日、うちのラボでEvident APX100のデモをしてもらった。今回のデモ用サンプルを作るために、先週末から解剖をしたり試薬を調整したりなんやかんやと準備して、なんとか8種類のサンプルを作った。ライブイメージング用のサンプルも当日の昼に作ったりしたので色々と試すことができて良かった。顕微鏡は、最近の新しいものらしく自動化された便利なプログラムが色々とあって素晴らしいし、光学性能もさすがOlympusという感じ。しかしなんと言っても今回は、実験サンプルを全て自分のラボで自前で作成できたことが嬉しかった、というかなんとかできてほっとした。そろそろどの顕微鏡を買うか考えないといかんな。
2025年6月23日月曜日
USAMRDC
先週の金曜日、一つグラントの一次選考の提出締め切り日だったので、先週はちょっとその申請書に集中していた。このグラントは、アメリカ陸軍の医療に関する研究、開発、調達のための主要な組織であるUSAMRDC(米国陸軍医療研究開発司令部)が募集しているもので、連邦議会によって指示された医学研究プログラム(CDMRP)の研究助成金の一つということになるのかな。少し前に大学から情報が来て、こういうものがあるということを初めて知ったので、そのあたりのことはあんまりちゃんと理解できていないのだが、とりあえずがんの基礎研究を対象としたセクションもあったので出してみようという気になった。このところNIHが資金削減の標的にされていることもあり、こういう軍関係のものはどうだろうかと思ったのだけど、国防予算も結構な削減対象になっているらしい。まぁどれくらいの競争率なのかもよく分からないけど、とりあえず結果を待とう。
それにしてもこのUSAMRDC、陸軍の医療関係だけでかなりの研究開発プログラムがあるようで、さすが米軍の規模はすごいなと実感。
TABASCO
今日は、この町から車で40分ほど南下したところにあるAvery Islandというところに行ってきた。地図で見ると、川に囲まれた円形の島のように見えるこの場所は巨大な岩塩ドームで、実はあのタバスコソースの工場がここにある。TABASCOの発祥の地であり、全てのタバスコソースは150年以上ずっとここで作られているらしい。ということで、前々から興味を持っていたこの場所を訪問して、タバスコミュージアムで歴史とか製造過程を見学してきた。ペッパーの発酵樽がある場所は独特の発酵臭がすごかったし、ショップでは色々な味のタバスコを味見できたり、なかなか楽しむことができた。工場の周りは、古いオークの木とスワンプが広がるルイジアナらしい風景が見られる自然公園になっている。
2025年6月20日金曜日
Juneteenth
昨日6月19日は、Juneteenthという祝日だった。こんな祝日あったっけと思って調べたら、どうやら2021年に制定された新しいものだそうで、前に住んでいた時にはなかったものだった。テキサス州から始まった奴隷解放を祝う日なんだそうな。
3週間ほど前に日本からこちらへ到着した下の子は、今週バトンルージュのLSUで開催されていた高校生向けのミュージックバンドのサマーキャンプに参加していた。5日間のキャンプ最終日だった昨日は、夕方に最後のコンサートがあるということで、迎えに行きがてらコンサートを見てきた。アメリカの高校生達と一緒に演奏して、この5日間でできたたくさんの友達と嬉しそうに話している様子を見て少し安心した。
2025年6月14日土曜日
Pray
先週の水曜日、「アメリカに侵入して危害を加えようとする危険な外国勢力からアメリカ人を保護する」とかいう名目で、特定12カ国からの入国を原則禁止、他の7カ国にも入国制限を行うという大統領令が出された。この12カ国には当然イランが入っており、この秋から大学院生としてうちのラボに加入予定だったイランの学生2人のビザは絶望的な状況になった。イランにいる彼らにも当然この情報は入っており、各々からこれはもうダメだと思うというメールが来た。二人とも本来は今年の1月に入学予定だったのにビザが発行されず延期となり、この秋こそはと希望を持っていたこともあり、かなりショックを受けて落ち込んでいる様子だった。念願のアメリカ留学への道が開けたのに、あと一歩というところで急に扉を閉ざされたのだから察するに余りある。本当に可哀想だと思うけど自分には何もできないし、能力も熱意も抜群に高かったこの二人がうちのラボのスタートに不可欠なピースであると信じていた自分にとっても非常に残念なことになってしまった。
ということで、今週メールで彼らと話していた矢先に入った昨日のイスラエルによるイラン空爆のニュース。二人が住んでいるテヘランも標的になっていて、夜中にミサイルとものすごい爆発音がだんだん近づいて来る中、震えて眠れない一夜を過ごしたらしい。当然アメリカ政府は今回の空爆のタイミングを知っていたのだろうし、これを前提として先週の入国禁止令を出したのではないだろうか。最近、こういう理不尽な国の政策によって自分の将来の計画が台無しにされて、途方に暮れている人が世界中にたくさんいるんだろうと思う。本当に色んな面で難しい世界になってきているけど、こんな時こそ自分のサイエンスに集中したい。
2025年6月10日火曜日
買い物
いつの間にか6月に入ってもう10日も経ってるやん。夏休みに入って授業がなくなったのに、なんか忙しさがあんまり変わっていないのはなんでだろう。先週の日曜日に、ついに日本の家族がこちらに引っ越してきたので、この10日ほどの間、毎日のように買い物に行ったりしていたということが一つ。そしてこのところラボのセットアップのためのオンラインショッピングをしまくっているのだけど、大学の法人カードを使った$500以上の買い物は全て、大学からの事前承認を得ないといけないというかなりメンドクサイルールがあることを最近知った。つまり、これを知らずに注文しまくっていたら、経理関係の部署から注意されたのだった。どうやら去年から始まった一時的なルールらしいのだが、よくもまぁこんなスタートアップの時にアホみたいなルールを作ってくれたもんだ。ホンマに勘弁して欲しい。で、もう一つの忙しい原因は、いよいよラボの学生達の指導が本格化してきたからかな。最近、大学院生のJMとJPに少しずつFly Geneticsの授業をして、基本的なところはほぼ終わったのだけど、今週からまた一人新しい学生が来ることになった。
2025年5月31日土曜日
Widefield
ラボのセットアップをする上で、一番重要で且つ一番高い買い物になる設備が顕微鏡だ。以前、遺伝研にいた時に購入したNikonの蛍光顕微鏡はなんとかこちらに移動できればと思って、梱包してもらって送付手続きもしているのだけど、運送業者へ提出する書類がまだ難航中。本当はコンフォーカルを導入したいのだけど、今あるスタートアップだけでは価格的にちょっと厳しいので、それは今後グラントが獲得できた時に考えることになる。まぁ、コンフォーカルは一応共通機器にもあるし。ということで、最近ずっと新しい蛍光顕微鏡のことを考えていた。エピで高倍率レンズでもコンフォーカルに近い画像が得られて、z-stackとかタイムラプスとかもしっかりできて、学生達が手軽に使えるようにあまり難しい操作を要求しない、そしてコンパクトであまり場所を取らず暗室を必要としないもの、という感じだと、ベンチトップ型All-in-oneタイプのものが候補になってきた。具体的には、Keyence BZ-X、Evident APX100、Andor BC43、Invitrogen EVOS、ECHO Revolutionとか。こういうのって、箱の中にサンプルをセットしたら画像がモニターにパッと映って、もっと拡大してみたいところにワンクリックでサッと行けるとか、めっちゃ便利なんだろうけど、暗室で接眼レンズを覗いてひたすら観察している時の発見に興奮してきた自分としてはちょっと抵抗があったりする。と同時に、Gen Zの若い学生はこういうものの方がどんどん使ってくれるのではないかとも思う。そんな訳で、来週は月曜日にOlympusの人と面談して、金曜日はKeyenceがデモ機を持ってきてくれる。
2025年5月24日土曜日
JP
先週、うちの学部の他のラボにいる2年目の大学院生JPから、そちらのラボでPhDをやらせてもらえないだろうか、というメールが来た。少し前からうちに来ることになったJMとかなり似たような状況。今うちのラボにいる大学院生はJMだけで、秋の新学期からイランの2人が入学することになっている。とはいえ、今の政府による移民とか大学に対する対応を見るにつけ、イランからの2人が夏の間にビザを取得できる可能性は低いのではないかという気がしてきた。実は彼ら以外にも、この春にうちの学部を卒業したアメリカ人の学生が2人、そして国内の他大学にいる留学生が2人、次の春からうちのラボに来ることを目指している。まぁ場所と資金の都合上、そんなにたくさん受け入れることはできないし、いずれも予定とか希望であって、イランの2人のビザが下りなかったら年末まで大学院生はJMだけということにもなりかねない。秋学期が始まると学部生が3人来る予定だけど、彼らは研究に集中できるわけではない。という色々な可能性を考えつつ、今週JPと面接をした結果、結局彼女を2人目の大学院生として受け入れることにした。JPはこちらの分野での研究は初めてだけど、これまで海洋生態学をやってきた学生ということもあり、がんの進展を進化生態学的な視点から見るという私の説明をすんなり理解していたので、意外とやっていけるのではないかと思ったのだった。ラボの移籍がスムーズにいけば、この夏からとりあえず彼女らと3人で研究をスタートできそうだ。
2025年5月22日木曜日
F and J
今日、国土安全保障省長官からハーバード大学へ出された通達文書。読んでみるとなんやらちょっと内容が稚拙なんだけど、国土安全保障省のTwitterアカウントが掲載しているものだから本物なのでしょう。先ほどコーヒータイムに集まっていた同期のファカルティ達との間で話題になった。危険分子とみなされる人達に関する情報を全て提出せよという政府からの要求に大学側が応じなければ、在学している外国人の全ての F- or J- nonimmigrant status を剥奪すると。ということは、全ての留学生と相当数のポスドクも含まれることになるか。
これは本当にショッキングなことで、ハーバードがこれにどう対応するのか注視したい。しかしこれって、イスラエルから来ている方々も含まれてしまうと思うんやけど、それはエエのかな。
2025年5月18日日曜日
10 inmates
なんかうちらがニューオリンズに行ってた木曜の夜、ニューオリンズのダウンタウンの近くにある刑務所から囚人が10人も脱獄したんだそうな。これまでに3人が捕まったらしいけど、まだ7人が逃走中。殺人犯やら強盗犯やらが含まれているということで、かなり危険。報道を見ていると、刑務所の警備や施設が相当ずさんだったようで、本当にダメだなぁという感じ。ちょっとゴールデンカムイを思い出した。
多様性が豊かで同調圧力の低い自由な雰囲気と社会の治安がトレードオフの関係にあるのは、ある程度仕方がないことなのかも知れないけど、やっぱり治安が悪いというのは困ったことよね。早く全員捕まりますように。
Commencement
昨日は朝から大学の卒業式ということで、町の一番大きなドーム会場で開催される式に出席してきた。アメリカでは卒業式のことを「Commencement(始まり)」というらしい。始まりだから入学式のことかと思っていた。ともあれ、このCommencementは大学の大切な行事なので教員は原則出席しないといけないらしい。そして、出席にあたってはドレスコードがあって、いわゆるAcademic Regalia(大学式服)を着て出席しなければいけませんという通達。アメリカの大学を卒業したことがない自分はもちろんそんなものを持っていなかったので、少し前から色々と調べてAmazonで探して、ガウンとフードと帽子という一揃いの3点セットを手に入れた。調べてみるとフードの色とか帽子の形とかなんやかんやと意味があり、基本的にはヨーロッパの中世のものに由来するようだが、アメリカ独自の様式があるらしい。卒業式は二日間に渡ってカレッジ別に行われていて、うちらはCollege of Sciencesとしてのもの。学部学生、修士課程、博士課程の全ての卒業生一人一人の表彰をステージ上で行うので、結構長い時間だったけど学生達の嬉しそうな表情を見るのは良い経験だった。
写真は、入場前のファカルティ待機室の様子。
2025年5月16日金曜日
Dr. TM
先週で期末試験も終わり、いろんな報告書とかレビューの類いも片付いてきたところで、今週は火水木と三日間、日本からTM博士がこちらを訪問してくれていた。水曜日にはうちの学部でセミナーをしてもらって、昨日木曜日はニューオーリンズへの日帰り旅行をしながら、ひたすら二人でディスカッションをしていた。TM博士は北大のYラボで数年間助教をしていて、自分とは入れ替わりだったので同時期にラボにいたことはないのだけど、同じラボにいた訳なのでその界隈に関する話は尽きない。ということで、お互いの研究の話から学生達の話、そしてこの研究分野に関わっている多くの研究者のことから日本の大学の問題点まで、本当に色々な話題について理解を深めることができて楽しかった。
2025年5月6日火曜日
swamped
日本からこちらに帰ってきて今日で9日目、ようやく時差ボケから回復したかな。今週は今学期のファイナルウィークということで、期末試験が行われている。自分が担当しているクラスでは、論文のレビューをするというtake-home examの課題を土曜日にオンラインで公開したので、今週は学生達がそのレポートを提出するのを待って採点をするだけ。ということで、日本の科研費の報告書(3本)、京大の学内ファンドの報告書、学生のフェローシップ申請書の添削、共同研究の論文の担当パートの執筆、ラボの機器注文のための事務手続き、アメリカのグラントのレビュー、などなどいくらでも湧いてくる事務仕事に浸っている。ちなみに、こちらではこういうのを「swamped」と言ったりする。swampというと、まさにこのルイジアナ南部の地域を覆う沼地のことなんだけど、沼にはまって身動き取れないような状態のことを表す比喩なんだろう。以前に同僚のメリッサが「I'm swamped by the panicking students!」とか言っているのを聞いて、なるほどそんな表現があるのか、なかなか上手いこと言うなぁと思ったのだった。
2025年5月1日木曜日
GMS.15
今日から早くも五月で春セメスターもそろそろ終わり。来週が期末試験なので、その試験を作らないといけない。そしてその前に今日が最後の授業ということになるので、期末試験の準備になるような授業を用意してやろうと思っていたのだけど、昨晩は時差ボケによる眠気がすごくて晩御飯を食べる前に寝てしまった。で、目覚めてみるとまだ午前1時過ぎ。そんな訳で、朝までに授業の準備は大体できたのだけど、これだとまた今日も夕方に眠くなるんだろうなぁ。まぁ仕方ないか。
試験は、これまでに学んだことを踏まえて取り組むようなレポートが良いかなと。中間試験では、架空の心疾患を研究するための遺伝学モデルを考えて実験計画を立てるというものにした。期末試験は、実際にbioRxivで公開されているプレプリントの論文に対するレビューを行うというものにする予定。なので今日の最後の授業では、論文のピアレビューとはどういうものなのか、レビュワーはどういう役割を果たすべきなのか、というようなことについて話そうと思う。
2025年4月30日水曜日
帰LFT
日曜日の午後に関空から出国して、サンフランシスコ、ヒューストンを経由して、こちらの日曜の夜遅くにラフィエットの家に帰宅。いつも通り、大体丸一日かかる感じ。フロリダにいた頃はアトランタが近かったので、アトランタがハブのDELTAを毎回使っていたのだけど、ここはヒューストンの方が近くて便利なので、最近はUNITEDを使っている。
関空ーサンフランシスコは10時間ほどのフライトなので、やっぱり西海岸はだいぶ日本に近いなという感覚。なのだが、今回の一時帰国でここルイジアナでの生活と日本が自分の中でなんとなくシームレスにつながっている感じを持った。以前アメリカに住んでいた頃は、日本への一時帰国は一年に一度あるかないかという頻度だったけど、今回は三ヶ月ちょいだったし、また数ヶ月後に行かなければとかいう事情がそう感じさせるのかな。まぁでも時差ボケだけはいかんともし難い。
2025年4月26日土曜日
2025年4月21日月曜日
京都
土曜日の早朝にLafayetteを出て、ヒューストン、羽田を経由して日曜の夜に大阪の実家に到着。そして昨日の午後、無事京都に到着。今回は河原町丸太町近く、鴨川に面したホテルに投宿。部屋はゆったりした綺麗な和室で、大浴場があり、朝食も素晴らしく、一階のロビーから鴨川に出て散歩できる。我ながら良い宿を見つけたもんだ。昨晩は、Yさんと二人でYさん行きつけの焼鳥屋で乾杯。とても美味しい鳥料理の数々を頂いた。
今日から三日間は、皆さんとミーティングしつつ、ラボで色々と作業をしなければ。
2025年4月18日金曜日
GMS.9~14
そういえば授業内容について、8週目までこのブログで記録していたけど、Fly Meetingのあたりから忙しすぎて記録を怠っていたので、ここで簡単におさらいしておこう。
GMS.9:Genetic interaction, Epistasis, Modifiers
HypomorphとかAntimorphとかのterminologyの説明から始まり、ハエの複眼の赤色を作る2つのパスウェイ(PteridineとOmmochrome)におけるepistasisを紹介。そして、modifier screenの例として、ommatidium R7 cellの形成に関わるsevenlessのmutantがUVライトへの走性を失っている表現型を利用したdominant modifier screeningについて。
GMS.10:Review for mid-term exam
中間試験前にこれまでの授業の復習(San Diegoのホテルからリモート講義)
GMS.11:Targeted mutagenesis and genome editing I
Homologous recombinationとNon-homologous end-joining、マウスにおけるgene knockout、トランスジェニックマウスができるようになった歴史、そしてTamoxifen-induced CreER/loxPのシステムまで。
GMS.12:Targeted mutagenesis and genome editing II
CRISPR-Cas9について。1987年にCRISPR配列が発見されてから、それがファージに対するバクテリアの免疫システムであることが分かり、このシステムを利用したゲノム編集技術を開発したE. CharpentierとJ.A. Doudnaのノーベル賞の仕事まで。
GMS.13:Clonal analysis with genetic mosaics
まずはGynandromorphから。Drosophilaで発展してきた遺伝学的モザイク解析技術について。Gal4-UASとFLP-FRTの合わせ技、MARCMとかFlp-out Gal4システムまで話した。1970年代、FLP-FRTが開発される前、A. García-BellidoらがX線によってmitotic recombinationを誘導して、各種phenotypic markerを目印にモザイク解析をしていたのは本当にすごいなと思う。
GMS.14:Application of genetic analysis
Case study I: Cell competition and compensatory cell growth ということで、これまでに学んできた遺伝学実験手法が、実際の研究でどのように使われるのかを示す例として、自分のcell competitionとCCHに関する仕事を紹介。
こうして14週間の授業を振り返ってみると、これはなかなか素晴らしいコースになったのではないかと自画自賛したくなる。古典的なメンデルの遺伝学やモーガンの染色体説から始まり、X線によるmutagenesis、バランサー染色体、C. elegans、ハイデルベルグスクリーニング、トランスポゾンの発見、P-element、エンハンサートラップ、Gal4-UAS、RNAi、トランスジェニックマウス、相同組換え、CRISPR-Cas9、モザイク解析まで、生命科学の発展の基盤となった発見や遺伝学実験技術について歴史を追いながら見ていくことによって、体系的な知識を学ぶことができたのではないかと期待。少なくとも自分はこの辺りのことを今一度しっかり勉強できて良かった。まぁ、学生からの評価はまた追々。
Spring break!
うちの大学は今日からスプリングブレイク。来週は一週間休みで、再来週はもう一週授業があるのだけど期末試験前ということもあり、論文ディスカッションの授業を一回やるだけで、もう講義はしない予定。ということで、昨日の14週目の講義が、この春セメスターのコース「Genetic Model Systems」の最後の講義ということになる。まだ期末試験があるけど、これでほぼほぼ終わったということだ。三ヶ月前に始まった当初は、週2回の授業が15週とか、全く終わりが見えず、本当にやり切れるのかという不安がかなり大きかったし、毎週この準備に追われていた気がするけど、まぁ、なんとかなったな。達成感と解放感、そしていよいよ研究の方に戻れるという期待。
2025年4月17日木曜日
Crawfish!
先週の金曜日は、Lagniappe Dayといううちの大学の大きなイベントだった。メインはcrawfish boil、つまり皆んなでボイルしたザリガニを食べるイベント。ザリガニはこの時期のルイジアナの名物料理で、ケイジャンのスパイシーな味付けがされた山盛りの真っ赤なザリガニの写真をよく見ていたので、いよいよ初体験ということでちょっと楽しみにしていた。ということで、昼にキャンパス内で料理されたザリガニをもらったのだけど、大きな袋にまぁものすごい量のザリガニ、多分100匹くらい入っているものをもらった。これが一人分というのだからすごい。大きな木の下に腰掛けてひたすら皮を剥いて尻尾の部分の身を食べた。ザリガニは、日本の池とか田んぼで見るまさにあのアメリカザリガニなんだけど、この辺りの広大なスワンプで養殖されているのだそう。そして翌日土曜日には、スーザンに誘われてクロウフィッシュホームパーティに参加。同じファカルティのAとSも来ていて、4人でこれまた山盛りのザリガニを食べた。そんな感じで今ルイジアナはザリガニの季節真っ盛り。そして今日4月17日は、National Crawfish Dayなんだそうな。
2025年4月11日金曜日
JM
数日前に、うちのBiology Departmentの大学院生JMからメールが来て、うちのラボの研究に興味があって、あなたのラボでPhDのための研究をさせて欲しいという。CVを見てみたら、大学院に入学して三年目で、これまではDr. FVのラボで培養細胞を使って抗がん剤の研究をしていたのだけど、今は他のラボを探しているんだとか。まぁ一度話してみるか、と思って昨日面接をしたところ、今まで所属していたラボは隣町New Iberiaの研究所にあるのだけど、授業やTAはLafayetteのメインキャンパスだから、行き来が大変だったんだそうな。あと、近々Dr. FVが違う大学に移籍するということも聞いていたので、多分それも他を探している理由の一つなんだろうなと理解。結構しっかりしている感じだったし、やる気もありそうだし、うちはまだたまに来るだけの学部生が二人いるだけで人手は欲しいので、とりあえず受け入れて様子を見てみるかということになった。
のだが、その面接の後、新人教員達で集まってコーヒーを飲みに行った時にその話をしたら、New Iberiaの研究所に出入りしている I が顔を曇らせて、その学生はちょっと問題があったっていう話を聞いているよと。どうやらあんまり実験をしないからDr. FVとうまくいっていなかったんだとか。あぁ、先に I に聞いておけば良かったなぁと思ってももう遅い。そんな訳で、その学生はただDr. FVと合わなかったということなのかも知れないしねぇ、とか皆んなに慰められつつ、たぶん学生の指導ということに関して自分は彼らよりもだいぶ大変な思いをしてきている気がするし、まぁちょっとトライしてみるわとということになった。
NOLA
今週月曜日は、こちらに赴任して初めてNew OrleansのWMラボを訪問してきた。前に訪問したのは一昨年の夏だから二年ぶりのはずだけど、あの時結構長居させてもらったし、ほとんどのラボメンバーをよく知っているので馴染みの場所という感じ。今回は、うちのラボのセットアップにあたって、どういうものを導入するか検討するために今一度色々と見せてもらいがてら、WMや他のラボメンバーと研究の話をさせてもらった。LafayetteからNew Orleansまでは車で2時間半くらいなので、今後共同研究とかで互いのラボを学生が行き来することも可能だよねという話になった。
そんなわけで、ラボのセットアップのために購入する設備や備品はだいぶ固まってきたのだけど、ラボの改修に関する学内の手続きは遅々として進まない。もう自分の中ではそろそろ諦めつつあって、改修は後回しで新しい設備を導入してハエ達を日本から連れて来て、来月には実験を開始させようと考えている。ということで、次考えないといけないのはハエ達の輸入に当たっての手続きか。
2025年4月9日水曜日
スーザン
なんか、先週は本当に忙しかった。と言ってもまだその忙しさは続いていて、明日は講義があるし、金曜日は「Fly Bayou」でのトークがある。先週とくに忙しかったのは、学部生のためのアドバイジングがあったから。自分が担当することになった4人の学生一人一人と、これまでの履修状況を確認して次の秋学期にどのような授業を取れば良いのかを話し合って決めるのだが、各々学年も違えばレベルもまちまちなのでなかなか難しい。そもそもまずは自分がこの大学の単位履修のシステムをしっかり理解していないとアドバイスできないのだけど、アメリカの大学を卒業していない自分にとってはシステムが複雑すぎて何がなんやらよく分からない状況だった。そんな訳でかなり困っていたのだけど、たまたま同じフロアにいるスーザン(たぶんこの学部の最年長)と廊下ですれ違った時に話してみたところ、自分が担当している学生一人一人の情報を一緒に見ながら指導の仕方を丁寧に教えてくれた。具体的に一人一人のケースについて教えてもらったことで、ようやくどうすれば良いのかが分かって、一応アドバイジングをつつがなく終えることができた。もう本当にスーザンに感謝。「Don't be bashful and ask any questions!」と言ってウインクするおばあちゃんがとても頼もしく見えた。そんなわけで、今週土曜日にスーザンの自宅で開かれるザリガニパーティにも呼んでもらったのでした。
2025年4月1日火曜日
娘のspring break
San DiegoのFly Meetingから帰ってきた先週月曜日の夜、同じくらいの時間にケンタッキーから飛行機で到着した娘とLafayetteの空港で再会して、空港に停めていた車で家まで帰ってきた。娘は先週スプリングブレイクだということで、その後土曜日までうちでゆっくりしていた。まぁせっかくなので色々と料理してあげたのだが、普段大学のカフェテリアで食べている娘は、たいがいの料理を感動して食べてくれたので作り甲斐があった。特にどこかへ出かけることもしなかったけど、町で色々と買い物をしたり、カフェでゆっくりしたり、大学の美術館を見に行ったり。と言っても、先週うちの大学はまだスプリングブレイクではなく授業もあったので、自分は結構忙しくしていた。うちのスプリングブレイクは今月18日から。ということで19日から約一週間、一時帰国します。京都滞在は21日から24日の予定。
2025年3月26日水曜日
Midway
学会最終日の午後は、港に停泊して博物館になっている空母ミッドウェイを日本人数人で見学してきた。数千人が暮らせるようになっていた巨大な戦艦なので、内部は小さな町のようであり、且つ迷路のように入り組んでいて、かなり興味深く見学したけどだいぶ疲れた。甲板では多くの戦闘機に触れることができるのもすごいし、ここから眺める港の景色は素晴らしい。
その後、またホテルの近くまで戻ってきて、YN博士と二人で色々なことを話しながら学会後の時間をまったりと過ごした。
DROS25 閉幕
サンディエゴで開催されたDrosophila Conferenceは、大相撲とともに日曜日で閉幕。今回、自分の出番はセッションチェアとしてだけだったので気楽に参加できたのだけど、いろんな人の発表を見ていて、やっぱり自分も何か発表するものを持って来れば良かったなと思った。というのも、何人か自分と同じようについ最近ラボを新しく立ち上げたPIの方々と知り合ったのだけど、皆さんラボの紹介も兼ねて研究の発表をしつつ学生を募集したりしていたのよね。そして、やはり今回かなり気になったのは、現トランプ政権下でのアメリカの状況。かなりの数のポスター発表がキャンセルされているのを見たり、多くの大学でファカルティサーチが止められていることを聞いたり、多くのスピーカーが講演の最後に一致団結を呼びかけているのを見たりして、アメリカの大学、サイエンスに深刻な影響を及ぼしていることを直に感じた。実はこの一月からアメリカに来たんだよねっていう話をすると、皆さん「Congratulations!!」と言った後に口を揃えて「それにしても大変な時に来てしまったねぇ。。。」と。しかし同時に、もう少し遅かったら採用が取り消された可能性もあるから、ラッキーだったねぇ、という話も。まぁ、とりあえず今はなんとか耐え忍ぶしかない、というのが皆さん共通の想いですね。
2025年3月23日日曜日
2025年3月21日金曜日
DROS25 二日目
今日から本格的にFly Meetingが始まった。のだが、とりあえず今朝は7時半から予定していたオンラインの授業から。これまでの9回の授業内容をざっと復習して、来週火曜に出題する中間試験のプレビュー的な説明をした。そんな訳で8時半からのプリナリーセッションには少し遅れたけど、その後は午後のポスター、夕方のセッション、そして晩御飯後の夜のワークショップまで、一日フルに参加して先ほどホテルに帰ってきたのは22時過ぎ。夜のPolyploidyワークショップは当然知り合いの研究者がたくさん参加していたし、ディスカッションが結構盛り上がってなかなか楽しかった。"C"か"N"か、polyteneかpolyploidか、という話であそこまで盛り上がるとは思わなかったけど、まぁその辺りの問いも突き詰めていくと生物学的に結構重要なのかも知れないね。
2025年3月20日木曜日
DROS25開幕
今日は一日中移動。朝9時半発の飛行機に乗って、ヒューストンで乗り換えて、サンディエゴのホテルに到着したのは夕方6時頃。で、夕方のオープニングセッションにぎりぎり間に合った。このサンディエゴ会場での開催は、前回一度コロナで来れなかったから8年ぶりになるのか。随分新しい建物が増築されていて驚いたけど、会場になっている辺りは昔のまま。オープニングミキサーでは多くの日本人の方々に会って挨拶することができた。
明日の朝、一応オンラインで少しだけ授業をする予定にしているのだが、ルイジアナとは時差が2時間あるから朝7時半から。
2025年3月18日火曜日
高安
豊昇龍、昨日から休場なのか。そんな調子が悪いようには見えなかったけどねぇ。しかしそれよりも高安。もしかして、ついに高安の優勝が見られるのだろうか。終盤戦かなり楽しみになってきましたなぁ。
こちらは、明日からいよいよSan DiegoでのFly Meetingが始まる。今回は自分の発表とかはないのだけど、Cell Stress and Cell Deathというセッションの座長をやることになった。去年は参加しなかったのでちょっと久しぶりだし、アメリカ国内移動で時差ボケがない参加は10年以上ぶりだ。多くの友人に会ってたくさん話をしてきたいと思う。
2025年3月15日土曜日
春場所
いよいよまた春場所が始まって、毎朝前日の取り組み動画を見ながら朝ごはんを食べている。そういやちょうどこちらに来てすぐの頃、まだ何もない家のリビングに置いてあったアウトドア用簡易テーブルで、毎朝初場所を観ていたんだった。あれからちょうど二ヶ月経ったということやね。まぁ、だいぶ生活も仕事も落ち着いてきて、最近ようやくラボのセットアップに取り掛かり始めている感じ。この二ヶ月間、毎週の授業の準備に追われていたということもあるのだけど、実はこの段階に来るまで色んな書類提出とかオンライントレーニングによる認証手続きとかにも追われていた。自分で行うべき手続きが終わったら、次はそれをもって人を動かしたいのだが、そうなると今度はその指揮系統を理解して、どの部署の誰に話をすれば良いのかを探ったり。まぁそんなこんなでやっとこさ大学の公費が使えるクレジットカードを手に入れたし、今週ようやくラボに来てくれた大学の施設掛の人と、ラボスペースの古くなって壊れている箇所の修繕とか模様替えについて話し合うことができた。
そういえば、昨日の朝の教授会で、うちの Biology Department が所属している College of Science の Dean(学部長)から重大発表があった。まぁうちの学部にとってとても良いことなんだろうと思う。これについてはまた追々。
2025年3月9日日曜日
GMS.8
先週の講義のトピックは、「Targeted misexpression and gene silencing」。ということで、基本的にはGal4-UASを用いたoverexpressionによるgain-of-function analysisと、RNAiによるtissue-specific loss-of-funtion analysisについて。後半はそのケーススタディとして、P. Léopoldラボから2012年に報告されたDilp8発見の論文を紹介した。この論文は、Gal4-UAS-RNAiがとても効果的に使われていると思う。1st スクリーニングは、rn-Gal4>avl-RNAiをテスターラインとして、発生遅延がレスキューされるUAS-RNAiをスクリーニングしているのだけど、10100ラインから121ラインを同定したとかサラッと書いているのがすごい。著者は3人だけど、ピエールはたぶん実験していないだろうと考えると、2人で10100クロスやったってことなんだろう。でもこのスクリーニングがすごいのは、rn-Gal4>rpl7-RNAiに切り替えて行った121ラインに対する2nd スクリーニングで、当たりが1ラインだけだったこと。狙った未知の仮想遺伝子がゲノムワイドスクリーンで一つだけ当たるっていうのは、仮説もストラテジーもドンピシャだったということよね。こらホンマにスゴイわぁ、と感心しながらこれまた熱く語ってしまった。おまけに、Dilp8の上流でJNKの関与を調べるためにpuc-lacZを使っていて、先週のエンハンサートラップの話と結びついたりもしたので、教材としてはなかなか良かったなと思う。
2025年3月7日金曜日
Advisor
数日間に渡るマルディグラの喧騒が終わって、昨日から街に平穏な日常が戻ってきた感じ。
今日は午前中にまたファカルティミーティングがあって、学部生に対する単位取得とか進路に関する指導要領について、特に今年度からの変更点などに関してかなり熱い議論がなされていたのだが、はっきり言ってよう分からず、自分は静かに聞いているだけだった。終わったあとに、自分と同じ新任のカナディアン I も、なんや全く分からんかったわって言っていたので、これはアメリカの大学のシステムが特殊でややこしいということなんだろう。一年生がどの授業の単位を取るべきかについては、どうやら高校の時の成績も関係してくるようだし、二年目以降も大学に入ってからの成績と卒業後の進路を考えると、取るべき単位とその順番は一人一人違うので、担任の教員(advisor)が色々と相談に乗ってあげないといけないらしい。毎年数人の学部生のadvisorになるというのはまぁエエとして、そもそも大学の授業なんて自分が取りたいのを取ったらエエんとちゃうのんと思うのだが、ここでは違うようだ。確かに、学部卒業後に医学部とか獣医学部といった専門課程を目指す学生にとって、単位の選択はかなり重要になる。ということで、我々がしっかりと理解しておかないと適切な進路指導できないということになるんだけど、やっぱり、それ先生を頼るの?そんなん学生が自分で調べるべきなんとちゃう?結構過保護よねぇ、とか I と話していた。アメリカの大学は学費が高い分、学生に対するサービスも手厚くするということなんだろうか。他の州立大学もこんな感じなんかな。
2025年3月4日火曜日
GMS.7
今週は、Mardi Gras(この地域のいわゆる謝肉祭)のお祭り期間で月火水は大学も休日、ということで火曜の授業は休講。
先週の講義は「Transposable elements II : Insertional mutagenesis」ということで、前回に引き続いてトランスポゾンの話の後編。前半は、ショウジョウバエでP-elementを使って初めて行われたエンハンサートラップによるゲノムワイドスクリーニングの話。1989年、H. Bellen(WJ Gehring lab)と E. Bier(YN Jan lab)らが、それぞれ P-lArB と P-lacW を用いて行ったものであり、Genes & Devにback-to-backで発表されている。これらのP-elementを持っているハエと、3番染色体99BにΔ2-3(stable genomic P-transposase)が載っているハエを掛け合わせてジャンプスタートを作るというスキームはどちらも同じ。これらのスクリーニングから膨大な数のlac-Zリポーターラインが得られており、トランスポゾンのランダムインサーションを用いたスクリーニングが、mutagenesisだけでなくenhancer trapのようなゲノムワイドな解析に非常に有効であることを示したものである。
後半は、enhancer trapのlac-Zリポーターラインを用いた遺伝子発現解析について、実例を挙げながらその仕組みや問題点を説明。あと一応、Sleeping BeautyとPiggyBacの紹介もした。そんな訳で本来は今日、Sleeping Beautyを用いたマウスでのmutagenesisの論文について議論する予定だったのだけど、Mardi Grasで休みというのを忘れていたので、こちらは来週火曜に持ち越し。
2025年2月27日木曜日
Thursday night
今日は朝に講義。そして午後はBiologyの新任教員が集まって、一月からここに来た私と I の疑問にみんなで答えるというミーティングを開催してくれた。学生指導担当、成績評価、物品購入、ラボのリノベーション、スタートアップ資金とか、日々疑問に思っていたことを色々と聞くことができて良かった。大学のオンラインシステム上に膨大な情報があるのだけど、例外とか新しいルールとかもあるし、基本的にこういう細かいことは誰も教えてくれないので、逐一自分で聞くしかないのねという感じ。
最近は、講義のある木曜日が一週間で一番大変な日なので、木曜の夜はちょっとリラックスできる。と言っても今晩は、京大の方のフライルームでまだスクリーニングをしてくれている学部生二人とのオンラインミーティングを予定していたので、それが終わってから鍋を楽しんだ。青ネギをたくさん入れた生姜風味の鶏寄せ鍋。実はここのコンロの火力調節が難しくてゆっくりと煮込んだからか、とても上品で奥深い味になった。
2025年2月22日土曜日
GMS.6
今週の講義のトピックは、「Transposable elements I : Finding of transposon in Maize and Drosophila」。ということで、前半はBarbara McClintockがトウモロコシの粒の色の研究で発見したtransposable element、いわゆるトランスポゾンのお話。このところの講義では毎回、ノーベル賞を受賞した研究について話しているけど、このマクリントックという方はこれまたスゴイ研究者だなと再確認させられた。ゲノムの中で場所を変える遺伝因子という彼女の発見は、当時の遺伝学の常識を覆すものだったこともあり、発表後もかなり長い間周りからは理解されずほとんど無視されていたにも拘らず、自分の学説が正しいことは分かっていたのだという。で、後半はショウジョウバエのトランスポゾン、P elementの発見につながったhybrid dysgenesisのお話と、P elementを用いたgermline transformationの方法について。
これまで自分はトランスポゾンについてあまり詳しく勉強してこなかったけど、ヒトゲノムの40%以上がレトロトランスポゾンとか、よく考えてみるとかなり面白いよねぇ。来週はさらに「Transposable elements II」ということで、引き続きトランスポゾンの話をする予定。
2025年2月18日火曜日
LSU
昨日月曜日は、LSU(Louisiana State University)のDr. SCから招待してもらってセミナーをしてきた。LSUはうちのULとはまた別の州立大学で、隣町のバトンルージュにある。朝から晩までみっちりとスケジュールを組んでくれていたので、朝早くに出て車で高速を1時間ほど走ってLSUに到着。町も大学もLafayetteより一回り大きい感じ。特にBiological Sciencesは、三つの学科から成っていてかなり規模が大きいようだ。夕方に予定されていたセミナーまでの間に、Dr. SCのフライラボを見せてもらったり、大学院生達と一緒にランチを取ったり、7人のファカルティ一人ずつと面談したり。セミナーの後は、Dr. SCと亀仙人みたいなおじいちゃんの研究者と三人で、大学近くのレストランでディナー。話を聞いていると、どうやらこのおじいちゃんはかなりすごい研究者で、業績はさることながら、これまでに幾つものバイオベンチャーを立ち上げていたり、日本の理研でアドバイザーをしていたこともあって、これまで何十回も日本を訪れているらしい。地元のケイジャン料理を食べながら、色々と面白い話を聞かせてもらった。そんな訳で、朝早かったうえに一日中ソーシャライズしてトークもしてかなり疲れたので、そこからまた運転して帰るのはちょっとしんどかったけど、翌朝にまた授業があるので頑張って帰ってきた。
そういえば、LSUのファカルティで日本人の方2人と知り合うことができた。ルイジアナに来る日本人は珍しいということで、お二人ともかなり興味を持たれていた様子。今後色々と教えてもらうことになるかも。
2025年2月15日土曜日
GMS.5
今週の講義のトピックは「Loss-of-function mutagenesis for forward genetics」。ということで、Nüsslein-Volhard & Wieschaus によるいわゆる Heidelberg screen の概要、その遺伝学的な戦略と発生生物学における意義などについて説明。原著やその周辺資料を眺めて、これまた本当にすごい仕事やなぁと改めて感動しながら準備していたのだけど、そのすごさがどれくらい伝わったかな。というのも、このHeidelberg screenから出てきた数々の発見は生物学史においてとてつもなく大きな意義があるのは当然なんだけども、スクリーニングでのターゲットにしたフェノタイプが、幼虫の腹側に生えている細かい毛(denticles:歯状突起)のパターンというなんとも地味でマニアックなものだから、熱く説明しながらもちょっと学生の反応が気になってしまったのでした。
ジャワカレー
日本から持ってきたジャワカレーのルウを使った普通のカレーだけど、やっぱり日本のカレーは美味いね。ということで、最近だいぶ料理も再開し始めている。食材は、肉、野菜、果物はだいたいのものが大きなスーパーで手に入る。まぁやはり魚と加工食品は日本と同じようなものはあまり手に入らないけど、エビや貝のようなシーフードはまぁまぁあるかな。あと、この町に新しくできた結構大きめのアジアンスーパーがあって、調味料とか冷凍食品とか日本のものもそれなりに売っている。
家の方は、昨日ついにソファが届いたので、ダイニングとリビングの空間がだいぶ心地良いものになってきた。ちなみにソファを届けてくれた家具屋は、前日からSMSで配達時間を知らせてくれていて、翌朝の7時から昼前までの間に届く予定とかいうことだったのだけど、さすがに7時ということはないだろうと思っていたら、朝の7時前に「あと2〜3分で到着します!」とかいうメッセージが来た。えぇ⁉︎マジでーとか思っているうちに、本当に7時に大きなトラックが家の前に停まって、二人の作業員が運び込んで組み立ててくれたんだけど、結構びっくりしたな。7時はちょっと早すぎだろう。まぁ良いんだけど。
2025年2月11日火曜日
2025年2月9日日曜日
TANTO 29
日本からこちらの町に到着したのが1月9日だったから、今日でちょうど一ヶ月経ったわけだ。いやぁもう毎日何かやらなければいけないことがあったり、なんやかんやといろんなことに遭遇したりして、振り返ってみてもえらい長く感じる一ヶ月間だった。いまだに家の中では日本から送ったダンボール箱が片付けられていないし、ラボのセットアップはまだ何も手をつけることができていないけど、とりあえずこちらでの生活や仕事のための基本的な手続きはほぼほぼ出来たはず。先週は、注文していたダイニングセットが届いたし、今週の金曜日にはソファが届く予定で、家の中は少しずつ自分の生活空間ができつつある。そして一昨日は、ダウンタウンで見つけたなかなか良い雰囲気の自転車屋さんでマウンテンバイクを手に入れてきた。今回のは BIRIA というドイツブランドのバイクで、たまたまこの自転車屋さんにこれがあったからなんだけど、とても乗りやすいしスッキリとしたシンプルなデザインで色も気に入った。ということで、明日からはこれに乗って通勤する。
2025年2月8日土曜日
GMS.4
今週木曜の授業は「Recombination and Chromosomal Rearrangement」ということで、遺伝学の歴史におけるターニングポイントとなった二十世紀初頭の論文数編を紹介しながら。これらの論文で報告された数々の発見は、第2回の授業で話したメンデルの遺伝学実験、サットンやボベリの染色体説を統合して現代遺伝学の基礎を成すに至ったもので、全てT.H. Morganラボのフライルームで研究していた学生(A.H. Sturtevant, C.B. Bridges, H.J. Muller)による研究。ということで、いつもより説明に力がこもったかな。ショウジョウバエの数々の変異体を見つけてそれらを用いた遺伝学実験は、その後の生物学研究のアプローチも一変させた歴史的なものであることがよく分かる。
課題として出したのは、ショウジョウバエのオスで減数分裂時の組換えが起こらないAchiasmyの仕組みと性染色体の進化について考察した論文。これに関しては、実は自分もあまりよく知らないので、学生達と一緒に勉強できればと思う。
2025年2月7日金曜日
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