2026年2月19日木曜日
AOBS
そんなわけで、このマルディグラの連休期間は大学にほぼ人がいないので、毎日コンフォーカルを独り占めして、最近やっていた実験の結果をじっくり観察した。そして、このSP5の御し方はほぼほぼマスターしたと思う。それにしてもこのコンフォーカルはかなり古くて、時々レーザーが不安定になってハラハラさせられることもあるのだが、z-stackで撮るときに深いところのシグナルが意外とまぁまぁクリアなのね。これまで使っていたOlympusのだと、60µmとかになると結構compensationかけないとダメな感じだったけど、Leicaは何が良いのか。チャッピーによると、Leicaのコンフォーカルは、普通のダイクロイックミラーとは違うAOBS(Acousto-Optical Beam Splitter)という音響光学分光器がノイズを減らしているんだそうな。そしてこの AOBS + PMT(PhotoMultiplier Tubes)システムでは、高ゲインでのショットノイズが強いから、もう少しレーザーパワーを上げてゲインを下げたほうが、ノイズが減ってコントラストが上がるらしい。SP5は “暗い画像を増幅する機械” じゃなくて “弱い光を分離する機械” なんですって。なるほどねぇ、メカニズムをちゃんと理解できているわけではないけど、だからこれまで慣れてきた感じで扱うと上手くいかないということが分かってきた。コンフォーカルは奥が深いね。
2026年2月17日火曜日
Mardi Gras 2026
今年のMardi Grasは今日火曜日が本番ということで、今週うちの大学は水曜まで五連休。この町の高校までの学校は今週丸々一週間休みなんだそうな。自分は結局毎日ラボに来ているのだけど、日によっては朝昼晩と大規模なパレードが催されているので、行き帰りがパレードの時間と重なると大変なことになる。というのも、パレードはちょうど自分の家と大学の間を横切る大通りのかなり長い距離を練り歩くのだ。実際この数日、朝晩に何度かパレードの時間に当たってしまって大通りを渡れず、もう仕方ないからパレードを楽しむか〜となって、意外とMardi Grasを楽しんだ。この地域の人達はほんとこのお祭りが好きなのねぇ。
2026年2月10日火曜日
Art Contest
ショウジョウバエ研究のための様々な実験用品を取り扱うGeneseeが毎年開催しているアートコンテストがあって、その年の受賞作品は、Fly Meeting開催期間中にポストカードとして学会会場で配られたり、SNSでの広告に使われたりする。このGeneseeのポストカードは、多くの学会参加者がお土産として持って帰って研究室に飾ったりするので、結構色んな場所で目にすることになる。
年末頃に今年のコンテストのアナウンスを見て、いま京都のNさんに作ってもらっているステンドグラスのショウジョウバエを何らかの形でこのコンテストに出品してみてはどうだろうかと思いついた。Nさんに提案してみたら彼女も結構乗り気だったので、この一ヶ月ほど色々と話し合って応募作品を作ってもらった。過去に選ばれた作品は全て絵画やイラストなので、ステンドグラスの写真としての作品がどういう評価になるかは分からなかったのだけど、今の時代おそらくAIを使ったデジタルアートが多い中、本当に作ったステンドグラスの作品は目立つだろうし、実際かなりすごい出来栄えなので、これはもしかしたらもしかするかもと思って応募した。そして昨日、Geneseeから結果通知のメールが来て、なんと審査員の満場一致でこの作品が今年の受賞作に選ばれたとのこと!
このステンドグラスの作品は、自分がアメリカで新しくラボを立ち上げる記念にということでNさんに相談して、一年以上も前から少しずつアイデアを共有しながら作ってもらっている。実はハエの周りにガラスのフレームが付く予定なので、まだ未完成品なのだけど、こんな形で賞をもらうことになるとは本当に想像もしていなかった。来月シカゴで開催されるFly Meetingでこれが公開されて、全世界のショウジョウバエ研究者の目を楽しませることになると思うと本当にエキサイティングだ。そしてNさんはついに国際デビューか。
そんな作品の一部をチラ見せ。
2026年2月4日水曜日
SP5習得
一昨日も引き続き一日中SP5をいじっていたのだが、チャッピーと相談しながら色々と試しているうちに扱い方がだいぶ分かってきた。まず、このSP5がかなり古くてレーザーが随分弱っているのは確かなんだけど、ノイズが出たりバックが高くなったりするのは、画像取得の際の設定が適切ではなかったことの方が主な原因だったようだ。自分はこれまでの20年間、ほぼZeissとOlympusのコンフォーカルをメインで使ってきたのだが、Leicaは今までのやつらとはだいぶ違うようで、これまでの感覚で扱うとだいぶズレた設定になってしまうらしい。ともあれ、この数日間色々と試したことで、かなり感覚がつかめてきた。実際、一昨日の後半に撮ったz-stackの画像を確かめてみると、これまでに撮っていたものと大差ないレベルになってきている。しかも、なんか面白いものが写っていることにも気付けるくらいの画像が撮れている。今週もう少しやってみて、うちの標準的なサンプルに対する最適な設定範囲を決められたら、来週あたり学生達にそれを覚えさせる。学生達が自分で遺伝学実験を組んで、コンフォカを使ってしっかりとデータを出せるようになる、というのがラボセットアッププロセスの一つのゴールだと思う。ほんとにあともう少し。
2026年2月1日日曜日
SP5
ここ数日間、今一度うちのMicroscope Centerにある古いコンフォーカル、Leica SP5に向き合ってみた。一日目、色々と設定を試してみたのだけど、GFPとRFPが弱い上にかなりひどいノイズが入る。大きなウェーブ状のものと波紋のような細かいものがあって、特に低倍レンズで顕著。高倍レンズだとノイズはましだけど、どうもバックグラウンドが高くなってしまう。そんな感じで全く満足のいくものが撮れず、これはアカンかもしれんなとほぼあきらめた。
で、次の日はとりあえずラボにあるNikon Ni-Eで画像を撮っていたのだけど、はっきり言って20倍のレンズだとSP5より良い画像が撮れる。しかし、やはりそれ以上のレンズで組織内部のシグナルを撮ろうとするとなかなか難しい。まぁ当たり前。共通機器のコンフォカが使えないというのは想定外だったので、ちょっと焦ってまた色々と代替案についてチャッピーと相談していた。例えば、今あるNi-Eにシリコン浸のx60レンズと最新のデコンボリューションを導入するとか、Keyenceの最新モデルをもう一度検討するとか。まぁでも、SP5にお世話になったという人も多いので、諦めずにもうちょっとやってやろうと思って、今日もう一度試してみた。もしかしてレーザーが弱っているのであれば、レーザーパワーをガツンと上げたらなんとかなるかもと思って、ブリーチ覚悟でやってみたら、だいぶましなシグナルが得られ始めた。これはなんとかなるかも、という希望が見えてきたので、今週さらに最適な設定を探ってみる。
2026年1月31日土曜日
HST 3
今週の授業は、火曜日に第2週目のトピック「Epithelial architecture and polarity」の論文プレゼン&ディスカッションをして、木曜日に第3週目の講義。今週のトピックは「Cell density, packing, and mechanical constraints」ということで、How cells dissipate mechanical stress within tissuesという話をした。自分も学生達もだいぶ慣れてきた感じがある。今学期は19人の学生が履修していて、前の秋学期の授業にいた学生が2人いる以外は皆初めて会う学生。ということで、これまた名前を覚えるのが大変やなと思っていたけど、意外ともうほぼ全員の顔と名前が一致するようになったかも。
火曜日の論文プレゼン&ディスカッションの課題に出したのは、YN博士の以下の論文。実験のメソッドとか細かい部分はちゃんと理解できていないかも知れないけど、発表はみんなそれなりによく出来ていた。こうして少しずつDrosophila modelに慣れさせていく。
Epithelial junctions maintain tissue architecture by directing planar spindle orientation.
2026年1月25日日曜日
二連覇
今日は朝から千秋楽をじっくり楽しんだ。安青錦の二連覇。来場所は早くも綱取り挑戦か。ちなみに熱海富士は三島にいたことがあるそうで、親近感があるのだけど、惜しかったねぇ。そういや日本にいた頃は、フライルームにテレビがあってよく大相撲を流していたのだけど、全ての取組みを観ていたわけではなかった。でも今は、前日の幕内取組み動画を一通り全て観ているので、実は日本にいた時よりも観ていることになる。まぁ、相撲は取組み前のあのまったりとした時間が好きだったりもするんだけど。今年は夏に一時帰国できたら、その時に一度観に行こうかなぁと企み始めた。
さて、こちらは今晩からやばい寒波が来るらしく、だいぶ気温が下がってきた。そう言えば去年もこちらに来てすぐの頃に、何十年ぶりとかいう大雪が降って数日間家に篭ったんだった。とりあえず明日、大学はリモートになるらしい。
1.24.26
ミネアポリスで大変なことが起こっている。事件現場はいろんな角度から動画が撮影されていて、昨日からずっとニュースでそれらの検証がなされているけど、これは誰がどう見ても理不尽な殺人だと思うだろう。今月の初めに女性が射殺されてからすでに大規模なデモが起こって不穏な空気が流れていたが、これは本当に大きな問題になっていくんじゃないだろうか。年明けからベネズエラ、イラン、グリーンランドとかすごい勢いで問題を起こしている訳だが、このミネアポリスの事件は自分の周りでも起こりかねないものなので、状況を注視していきたい。
2026年1月20日火曜日
HST1B
今朝のHistologyは、一週目の論文プレゼン&ディスカッション。課題論文は、以下のDr. MBによるReview article。少し古いけど、このコースで追求していくコンセプトの基盤になりそうなレビューを選んでみた。mammary gland epitheliumのダイナミクスにフォーカスしながら、上皮組織の構造、その構造の維持と再構築のメカニズム、そして構造によって組織機能が制御されているという概念をうまく示している。今日が第一回目のグループプレゼンだった訳だけど、意外と皆さんテキパキと発表できていたし、ディスカッションタイムではこちらから促さなくても次々と手が上がって活発な議論が行われていた。秋セメのクラスよりも人数が多いからどうなることやらと案じていたけど、これはなかなかやりやすいかもしれない。
Tissue architecture: the ultimate regulator of epithelial function?
2026年1月18日日曜日
HST 1
春セメスターの第一週目。初回の授業で与える印象は大事だろうし、今回はどんな生徒達なんだろうかというのもあって、コースの初日は毎回ちょっと緊張する。そして生徒達にとっても、先生はどんな感じの人で、どういうスタイルで授業を進めるんだろうという不安があるんだろう、皆さんちょっと緊張している感じがある。そんなちょっとぎこちない雰囲気のなか、まずはコースの概要、授業の進め方、試験などについて説明してから、イントロダクション「What is dynamic histology?」の講義に入っていった。今回の生徒は18人。ほとんどがBiology majorのSeniorで、医学系を目指しているPre-medの学生が多いこともあり、みんな真面目に聞いてくれている印象を持った。これはまた来週からもしっかりと準備していかなあきませんなぁ。先生はこれまでに大学で組織学なんて一度も教えたことないんですけどねぇ、とかそんなことは言えない。
2026年1月12日月曜日
一周年
さぁ、いよいよ大相撲初場所が始まった。ということは、自分がこの町に来てから一年経ったということだ。ちょうど一年前の一月九日に到着して、何もない部屋に大家さんが貸してくれたアウトドア用の簡易テーブルを置いて、毎朝初場所を観戦しながら朝ごはんを食べていた。生活のセットアップも大学の授業も全てが手探り状態で、毎日がサバイバルだったあの一年前を懐かしく思い返すことができるくらいには生活も落ち着いたもんだ。とはいえ、一年前と同じように今週の木曜日から春セメの新しい授業が始まるので、これまた期待と不安で頭の中はそれほど落ち着いていなかったりもする。
まぁでもとりあえず一周年記念ということで、こないだヒューストンで手に入れてきたお酒を一杯。久しぶりの生原酒。上等なメロンのようにフルーティで且つすっきりしている。やっぱり美味いねぇ。
2026年1月10日土曜日
コースデザイン
冬休みの間にあんまりできなかったHistologyのコースデザインについて、今週は毎日少しずつ進めて、ようやく15週間全体の構想が出来てきた。今回も毎週の講義のトピックに合わせた論文を課題に出して、翌週学生達がその内容をグループプレゼンしてみんなでディスカスするというスタイルなので、毎週の課題論文も選定しておく必要があり、これが結構難航したのだけど一通り揃えることができた。午後の実習も一緒になっているコースなので、毎週のトピックと実習の内容が有機的につながっているようにデザインするのもなかなか難しいポイントだった。まぁとりあえず、シラバスを完成させよう。
"By integrating classical histology with modern concepts from cell biology, developmental biology, and pathology, this course aims to provide students with a conceptual framework for understanding tissues not as static images, but as dynamic, functional systems."
2026年1月2日金曜日
謹賀新年 2026
新年あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いします。
先週から一時帰国していた家族が元旦の朝にヒューストンに到着するということで、大晦日は娘と二人で車に乗ってヒューストンへ行き、日本のスーパーで買い物した後、夜はホテルの窓からたくさんの花火を見ながら新年を迎えた。久しぶりにアメリカで過ごすお正月。いつも思うけど、やっぱり年越しは除夜の鐘が聞こえるあの独特の雰囲気の中で、初詣に行ったりしてゆっくり過ごしたいと思うね。まぁでもここはアメリカ、しゃあないよね。とまぁそんな感じで、今日がバーコレ&ヒートショック初め。
さて、今年はどうなりますかね。自分に関していうと、とりあえずは春セメスターのこれまた新しいコース「Histology」をなんとかして乗り切る。この間にシカゴでのFly Meetingがあって、大学院生のJMとJMPの二人がポスターを持っていく予定なので、まずはそれが序盤のハイライトになりそう。そしてFly Meetingへ行く前に、長らく懸案のIHS論文をなんとしてもサブミットしたい。夏には一度、休暇も兼ねて日本に出張しようと思う。後半はまだまだ未定だけど、もしかしたらまた新しい大学院生がラボに入ってくるかな。ということで、とりあえずは春セメの授業計画。これが終わればその後は、これまでに担当した3つのコースをローテーションでやれることになり、授業の準備がだいぶ楽になるはず。
そんな感じで今年も大変だけど、楽しみながらやりたいと思う。
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