初めてAyGal4:PRを用いたGene-Switch systemを試してみた。AyGal4:PRというのは、Actin promotor Flip-out cassette(Ay-Gal4)とGal4:Progesterone Receptor fusion gene(Gal4:PR)を組み合わせたシステムで、heat shockによってflip-out cloneを作り出した後でprogesterone analog RU486の添加によってGal4-UAS systemによるgene expressionを誘導するというシステム。つまりflip-out mosaic cloneにおけるUAS constructの強制発現のタイミングとその発現レベルをコントロールできる。
Based on prior studies of the component parts, we expected that, in transgenic flies, a pulse of expression of the Flipase enzyme would catalyze excision of a DNA cassette containing a transcriptional terminator, allowing expression of Gal4:PR in clones of cells. In the absence of hormone, the PR domain would prevent Gal4 from activating transcription, but, in the presence of a progesterone analog, RU486, this repression would be relieved, resulting in expression of transgenes under the control of UAS regulatory sequences. An additional advantage of this system is that changes in RU486 concentration can lead to quantitative changes in target gene expression. (Cell, Vol. 123, 449–461)
この論文によればウジ虫君達をRU486を添加したエサに移した後、4〜5時間でGFPの発現が見られるようになり、10〜15時間後には発現量はプラトーに達するという。まぁこれでもレスポンスが非常に早いとは言いにくいのだけど、たぶん既存のシステムでは一番早いかな?(Gal80tsでも29℃に移して6時間後くらいにはGFPが発現し始めるけど。)しかも発現を誘導する前にflip-out cloneをある程度増やしておけるというのはcell-cell interactionのような現象を経時的に見たい場合非常に便利なはず。さらにもう一つの利点はRU486の濃度で発現量をある程度コントロール出来るということ。
今回アダルトでこのシステムを使うためにRU486をイーストペーストに混ぜて与えたんだけども、タイムコースを取りたい場合当然このRU486入りのエサを与えると同時にハエ達にはこれを食べてもらいたいところがなかなかそういう訳にもいかない。。。実験を始める前に何時間かは絶食させておいたほうがいいかも。と言ってもあんまり長い時間飢餓状態におくとovaryの発達に影響が出てくる訳で、ちょっと微妙な調整が必要ですな。
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