2025年5月31日土曜日
Widefield
ラボのセットアップをする上で、一番重要で且つ一番高い買い物になる設備が顕微鏡だ。以前、遺伝研にいた時に購入したNikonの蛍光顕微鏡はなんとかこちらに移動できればと思って、梱包してもらって送付手続きもしているのだけど、運送業者へ提出する書類がまだ難航中。本当はコンフォーカルを導入したいのだけど、今あるスタートアップだけでは価格的にちょっと厳しいので、それは今後グラントが獲得できた時に考えることになる。まぁ、コンフォーカルは一応共通機器にもあるし。ということで、最近ずっと新しい蛍光顕微鏡のことを考えていた。エピで高倍率レンズでもコンフォーカルに近い画像が得られて、z-stackとかタイムラプスとかもしっかりできて、学生達が手軽に使えるようにあまり難しい操作を要求しない、そしてコンパクトであまり場所を取らず暗室を必要としないもの、という感じだと、ベンチトップ型All-in-oneタイプのものが候補になってきた。具体的には、Keyence BZ-X、Evident APX100、Andor BC43、Invitrogen EVOS、ECHO Revolutionとか。こういうのって、箱の中にサンプルをセットしたら画像がモニターにパッと映って、もっと拡大してみたいところにワンクリックでサッと行けるとか、めっちゃ便利なんだろうけど、暗室で接眼レンズを覗いてひたすら観察している時の発見に興奮してきた自分としてはちょっと抵抗があったりする。と同時に、Gen Zの若い学生はこういうものの方がどんどん使ってくれるのではないかとも思う。そんな訳で、来週は月曜日にOlympusの人と面談して、金曜日はKeyenceがデモ機を持ってきてくれる。
2025年5月24日土曜日
JP
先週、うちの学部の他のラボにいる2年目の大学院生JPから、そちらのラボでPhDをやらせてもらえないだろうか、というメールが来た。少し前からうちに来ることになったJMとかなり似たような状況。今うちのラボにいる大学院生はJMだけで、秋の新学期からイランの2人が入学することになっている。とはいえ、今の政府による移民とか大学に対する対応を見るにつけ、イランからの2人が夏の間にビザを取得できる可能性は低いのではないかという気がしてきた。実は彼ら以外にも、この春にうちの学部を卒業したアメリカ人の学生が2人、そして国内の他大学にいる留学生が2人、次の春からうちのラボに来ることを目指している。まぁ場所と資金の都合上、そんなにたくさん受け入れることはできないし、いずれも予定とか希望であって、イランの2人のビザが下りなかったら年末まで大学院生はJMだけということにもなりかねない。秋学期が始まると学部生が3人来る予定だけど、彼らは研究に集中できるわけではない。という色々な可能性を考えつつ、今週JPと面接をした結果、結局彼女を2人目の大学院生として受け入れることにした。JPはこちらの分野での研究は初めてだけど、これまで海洋生態学をやってきた学生ということもあり、がんの進展を進化生態学的な視点から見るという私の説明をすんなり理解していたので、意外とやっていけるのではないかと思ったのだった。ラボの移籍がスムーズにいけば、この夏からとりあえず彼女らと3人で研究をスタートできそうだ。
2025年5月22日木曜日
F and J
今日、国土安全保障省長官からハーバード大学へ出された通達文書。読んでみるとなんやらちょっと内容が稚拙なんだけど、国土安全保障省のTwitterアカウントが掲載しているものだから本物なのでしょう。先ほどコーヒータイムに集まっていた同期のファカルティ達との間で話題になった。危険分子とみなされる人達に関する情報を全て提出せよという政府からの要求に大学側が応じなければ、在学している外国人の全ての F- or J- nonimmigrant status を剥奪すると。ということは、全ての留学生と相当数のポスドクも含まれることになるか。
これは本当にショッキングなことで、ハーバードがこれにどう対応するのか注視したい。しかしこれって、イスラエルから来ている方々も含まれてしまうと思うんやけど、それはエエのかな。
2025年5月18日日曜日
10 inmates
なんかうちらがニューオリンズに行ってた木曜の夜、ニューオリンズのダウンタウンの近くにある刑務所から囚人が10人も脱獄したんだそうな。これまでに3人が捕まったらしいけど、まだ7人が逃走中。殺人犯やら強盗犯やらが含まれているということで、かなり危険。報道を見ていると、刑務所の警備や施設が相当ずさんだったようで、本当にダメだなぁという感じ。ちょっとゴールデンカムイを思い出した。
多様性が豊かで同調圧力の低い自由な雰囲気と社会の治安がトレードオフの関係にあるのは、ある程度仕方がないことなのかも知れないけど、やっぱり治安が悪いというのは困ったことよね。早く全員捕まりますように。
Commencement
昨日は朝から大学の卒業式ということで、町の一番大きなドーム会場で開催される式に出席してきた。アメリカでは卒業式のことを「Commencement(始まり)」というらしい。始まりだから入学式のことかと思っていた。ともあれ、このCommencementは大学の大切な行事なので教員は原則出席しないといけないらしい。そして、出席にあたってはドレスコードがあって、いわゆるAcademic Regalia(大学式服)を着て出席しなければいけませんという通達。アメリカの大学を卒業したことがない自分はもちろんそんなものを持っていなかったので、少し前から色々と調べてAmazonで探して、ガウンとフードと帽子という一揃いの3点セットを手に入れた。調べてみるとフードの色とか帽子の形とかなんやかんやと意味があり、基本的にはヨーロッパの中世のものに由来するようだが、アメリカ独自の様式があるらしい。卒業式は二日間に渡ってカレッジ別に行われていて、うちらはCollege of Sciencesとしてのもの。学部学生、修士課程、博士課程の全ての卒業生一人一人の表彰をステージ上で行うので、結構長い時間だったけど学生達の嬉しそうな表情を見るのは良い経験だった。
写真は、入場前のファカルティ待機室の様子。
2025年5月16日金曜日
Dr. TM
先週で期末試験も終わり、いろんな報告書とかレビューの類いも片付いてきたところで、今週は火水木と三日間、日本からTM博士がこちらを訪問してくれていた。水曜日にはうちの学部でセミナーをしてもらって、昨日木曜日はニューオーリンズへの日帰り旅行をしながら、ひたすら二人でディスカッションをしていた。TM博士は北大のYラボで数年間助教をしていて、自分とは入れ替わりだったので同時期にラボにいたことはないのだけど、同じラボにいた訳なのでその界隈に関する話は尽きない。ということで、お互いの研究の話から学生達の話、そしてこの研究分野に関わっている多くの研究者のことから日本の大学の問題点まで、本当に色々な話題について理解を深めることができて楽しかった。
2025年5月6日火曜日
swamped
日本からこちらに帰ってきて今日で9日目、ようやく時差ボケから回復したかな。今週は今学期のファイナルウィークということで、期末試験が行われている。自分が担当しているクラスでは、論文のレビューをするというtake-home examの課題を土曜日にオンラインで公開したので、今週は学生達がそのレポートを提出するのを待って採点をするだけ。ということで、日本の科研費の報告書(3本)、京大の学内ファンドの報告書、学生のフェローシップ申請書の添削、共同研究の論文の担当パートの執筆、ラボの機器注文のための事務手続き、アメリカのグラントのレビュー、などなどいくらでも湧いてくる事務仕事に浸っている。ちなみに、こちらではこういうのを「swamped」と言ったりする。swampというと、まさにこのルイジアナ南部の地域を覆う沼地のことなんだけど、沼にはまって身動き取れないような状態のことを表す比喩なんだろう。以前に同僚のメリッサが「I'm swamped by the panicking students!」とか言っているのを聞いて、なるほどそんな表現があるのか、なかなか上手いこと言うなぁと思ったのだった。
2025年5月1日木曜日
GMS.15
今日から早くも五月で春セメスターもそろそろ終わり。来週が期末試験なので、その試験を作らないといけない。そしてその前に今日が最後の授業ということになるので、期末試験の準備になるような授業を用意してやろうと思っていたのだけど、昨晩は時差ボケによる眠気がすごくて晩御飯を食べる前に寝てしまった。で、目覚めてみるとまだ午前1時過ぎ。そんな訳で、朝までに授業の準備は大体できたのだけど、これだとまた今日も夕方に眠くなるんだろうなぁ。まぁ仕方ないか。
試験は、これまでに学んだことを踏まえて取り組むようなレポートが良いかなと。中間試験では、架空の心疾患を研究するための遺伝学モデルを考えて実験計画を立てるというものにした。期末試験は、実際にbioRxivで公開されているプレプリントの論文に対するレビューを行うというものにする予定。なので今日の最後の授業では、論文のピアレビューとはどういうものなのか、レビュワーはどういう役割を果たすべきなのか、というようなことについて話そうと思う。
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