2022年6月23日木曜日

segmentation

二週間ほど前から再開した生理研との話し合いの結果、SBF-SEMの画像データから各細胞のセグメンテーションを行うことになった。核と細胞外のエリアは、オートでも結構きれいにセグメンテーションできたようだが、細胞膜については細かい細胞突起がかなり入り組んでいるので人の目で見分けるしかない。2千枚以上ある画像全てについて手作業で塗り分けるのはちょっと現実的ではないので、とりあえずは2カ所の領域に絞ってやるのだけど、それでも全部で800枚分に渡る。生理研の方で少し試してもらった結果、3枚飛ばしくらいでも十分クリアーな三次元再構成ができそう、ということで4分の1の計200枚。この中に細胞が約180個含まれているので、5人でやるとしたら1人あたり36細胞のぬりえ。学生達と話して、まぁ1ヶ月くらいでできるよね、ということになった。たぶん、SBF-SEMでimaginal discの細胞の三次元再構成データを出すのは初になるんじゃないかな。

2022年6月22日水曜日

梅雨

梅雨やねぇ。低気圧のせいか、なんか体がだるい。写真は家の近所の岩倉川。先週あたり、暗くなるとこの辺りの川辺で結構たくさんのホタルが飛んでいるのを見た。

2022年6月19日日曜日

京丹後ー出石

土曜日、北へ向かってドライブ。また京丹後まで行ってから、出石、福知山を回って帰ってきた。初めて立ち寄った出石は、小さい町だけど古いものがたくさん残っていてなかなか良かった。暑かったけど皿そば美味いしまた行きたい。

2022年6月15日水曜日

Retrial

来週月曜日締め切りの学内ファンドの申請書を書くか書かないか、考えながら継代フリッピング。去年、二次審査でダメだったやつなんだけど、もう一度新しいテーマでトライするべきか否か。もう申請書ではなくて論文の執筆をしたいんだけどねぇ。

11/10, 9:00~11:00

11月に名古屋で開催される生化学会の演題登録は明日が締め切りということなので、今日登録を済ませた。自分は生化学会の会員ではないのだけど、とある筋から誘ってもらって、今回シンポジウムのコオーガナイザーをやらせてもらうことになった。シンポジウムのテーマは「細胞分裂の制御とその破綻による発がん」というもので、2日目の朝のセッション(11月10日 9:00-11:00)らしい。スピーカーとしてトークもする予定なので、その演題登録というわけ。もちろん今うちのラボで追っていることを紹介する予定だけど、11月の時点でどのあたりまで話せるかねぇ、と考えながらアブストラクトを書いたので、あまり細かいことまでは触れず大まかに。まぁでも久しぶりの対面でのトークになるし、倍数性コンソーシアムでお世話になっているRU博士とST博士もスピーカーとして呼んだし、ということでこれは楽しみになってきたね。

2022年6月10日金曜日

完了

今日の朝はフライデーミーティング。scRNAseq、タイムラプスライブイメージング、PIV解析、SBF-SEMとかなんとかかんとか、最近解析手法のバラエティが増えてきましたなぁ。これはなかなか素晴らしいこと。
午後は、昨日も書いていた研究成果報告書の細々したところを付け足したりして提出完了。そういえば、添付するWordファイルの様式については「2〜4ページで作成すること」という説明を見つけた。ともあれ、これで4年に渡った研究課題が終了した訳だ。後半の2年はコロナのせいで、予定していたのに出来なかったことも多い。そもそも国際共同研究のためのものだったのに、海外研究拠点としていたLAのKT博士のところへはほとんど行けなかった。まぁでもKT博士とのアイデアは今仕上げにかかっている論文でついに実を結ぼうとしているし、Invasion Hotspotはこの研究から出てきたものだし、今後の発展の基盤になったということでとても意味のある研究課題だったなぁと、報告書を書きながらしみじみ思った。

2022年6月9日木曜日

成果報告書

周りの田んぼはそろそろみんな田植えが終わって、水の中を覗くとオタマジャクシがたくさん泳ぎ始めている。毎晩聞こえてくるカエルの鳴き声は3種類ほど混じっていて、その中の一つはモリアオガエルっぽい気がするのよね。一度卵を探してみようかな。
さて、今週まずやらないといかんのは、昨年度で終了した科研費の研究成果報告書の提出。締め切りは金曜日ということで、昨日今日はその執筆にかかりっきり。成果報告書に添付するWordファイルの様式が一応あるけど、これってページ数制限とか何もないんかね。

2022年6月5日日曜日

志下海岸

今日は朝から下の子の付き添いで、海岸清掃ボランティアに参加。場所は、沼津御用邸のすぐ横にある浜。意外と大きなイベントだったようで、たくさんの人が集まっていてびっくり。市長さんとか政治家の方々も何人か参加していた。朝は快晴だったので、炎天下の浜で1時間半ほどゴミ拾いをしたらもうかなりぐったりだった。でもあれやね、海洋プラスチック汚染とか最近よく聞くけど、小さいプラスチックとかビニールの破片は探せば探すほど延々と見つかるくらいキリが無い。パッと見た感じきれいな浜なのにこんな状態ということは、やっぱり問題なんやねぇ。

Egr-Grnd

Epithelial monitoring through ligand-receptor segregation ensures malignant cell elimination. Science 376: 297-301.
Animals have evolved mechanisms, such as cell competition, to remove dangerous or nonfunctional cells from a tissue. Tumor necrosis factor signaling can eliminate clonal malignancies from Drosophila imaginal epithelia, but why this pathway is activated in tumor cells but not normal tissue is unknown. We show that the ligand that drives elimination is present in basolateral circulation but remains latent because it is spatially segregated from its apically localized receptor. Polarity defects associated with malignant transformation cause receptor mislocalization, allowing ligand binding and subsequent apoptotic signaling. This process occurs irrespective of the neighboring cells’ genotype and is thus distinct from cell competition. Related phenomena at epithelial wound sites are required for efficient repair. This mechanism of polarized compartmentalization of ligand and receptor can generally monitor epithelial integrity to promote tissue homeostasis.

金曜日のジャナクラで紹介した論文。モーフォメのメンバーによると、どこかの学会で発表されていたという話だったけど、自分は聞いたことがなかったのよね。やっぱりそろそろ海外の学会に戻らないとなと思う。さて、昨日も少し書いたけど、この論文の話は非常にシンプルで、なぜ細胞極性に異常が生じた上皮細胞でJNKの活性化が起こるのかを示している。
体の外側と内側を隔てるバリアーとして機能する上皮組織にとって、構造的に異常が生じた細胞は危険なので排除しなければならない。ということで、scribdlglglのmutant cellみたいなapicobasal polarityに異常が生じる細胞は健康な上皮から排除されなければならない。こういった異常な細胞を選択的に排除するシステムとしてcell competitionが知られており、cell competitionでのアポトーシスはJNK activationに依存していることが分かっている。また、上皮が物理的に傷ついたりした場合も、まず傷を受けた部分の細胞を除去して上皮の層構造を修復するために、JNK signalingが重要な働きをしていることが分かっている。ではこういう時にどうやってJNK actiavtionが起こるのかというと、リガンドであるtumor necrosis factor (TNF) のEiger (Egr) が、レセプターのGrindelwald (Grnd) に結合することによってJNK signalの活性化が引き起こされることが知られている。そしてさらに、このリガンドのEgrがどこから来るのか?ということになると、一つは、今は亡きDr. MVのラボから、こういうところに引き寄せられてくるhemocyteがEgrを出しているという報告があったり、Dr. PLのラボからは、文脈は違えどEgrはfat bodyから出てsystemic signalとしてhemolymph中にあるという報告もあったり。で、Dr. DBのラボはこの論文の前にも、fat bodyからのEgrが上皮でのJNK activationに関与していることを示す論文を出していて、Egrの出どころに関してはDr. PLと同じ見方をしている。まぁ、この論文の結果を見ると、上皮からのEgrもhemocyteからのEgrも関係していなさそうというのはクリアーだ。さて、そうなると問題は、fat bodyから来たhemolymph中のEgrがどうやってimaginal discのGrndに結合するのかということ。なぜなら、hemolymph中のEgrがアクセスできるのはimaginal discのbasal側で、Grndは上皮細胞のapical surfaceに局在しているから、普段はhemolymph中のEgrと管腔側のGrndは出会わない状態にある。この論文では、polarity defectとかwoundによって上皮層構造に擾乱が加わると、apical側にあったGrndがbasal側に露出したり、上皮層の透過性が高まったりすることによって、EgrとGrndの結合が起こるということがいくつかの実験によって示されている。
「The function of the TNF-TNFR system described here as an in vivo sensor of epithelial integrity raises the possibility that ligand-receptor segregation may be a theme general to epithelial maintenance.」ということね。
このシンプルなストーリーをScienceの論文としてまとめ上げるのは本当にすごいなぁと思う。はじめにこの論文をさらっと読んだときは、むべなるかなぁと思った程度だったけど、今一度ジャナクラ用にこの研究のバックグラウンドとかも色々と考え直しているうちに、今準備中の論文に対して沸々と湧き上がってくる思いがあった。ということで今日の午後、久しぶりにSBF-SEMの解析がどんな感じになっているか、O先生に連絡してみた。

2022年6月4日土曜日

ジャナクラ

今日はラボのジャナクラ。自分の発表の番だったので、ついこないだScienceで発表されたDr. DBラボからの論文を紹介した。上皮のpolarity-deficient cellsでJNK activationが起こるメカニズムをシンプルに分かりやすく示した論文。なのだけど、培養細胞チームの学生達はこのショウジョウバエ研究のバックグラウンドをあまり知らないだろう、ということでイントロとして、クイズを交えながらScribbleとEigerとGrindelwaldにまつわる研究の歴史をざっと話してみた。論文の内容は、また気が向いたらここでも書こうかな。
で、ジャナクラ後に新幹線に乗って三島に帰ってきた。今週末は三島でちょっと休憩。