2016年2月29日月曜日

I BALZI

Verga I BALZI Rosso Veneto 2013
イタリア、ヴェネトのコルヴィーナ。濃い紫色。フルーティでしっとりした甘酸っぱさ。濃い味のキウイフルーツを思い出した。これは結構好き。1300円ほど。

体験入学週

週末もずっとディスクの解剖をしていた。まぁでもこれで、リビジョンに必要なサンプルはだいたい揃ったかな。あとは今週、抗体染色をして、来週にコンフォーカル。というところなのだが、今週は体験入学の週ということで、今朝うちのラボにも一人学生さんが東京から来てくれた。朝から研究テーマやハエ遺伝学についてのレクチャーをして、午後は実際にハエをいじったあとにovary dissectionの練習。
写真は、こないだ実体顕微鏡用に買ったアダプターに、ナイコンのコンデジ P340 を取り付けて撮った写真。

2016年2月25日木曜日

ディスク解剖大会

今週は毎日、久しぶりのイマジナルディスク解剖大会。すでにいくつかの実験については良さげなサンプルが取れているけど、いくつかはflip-out clonesが多すぎたり少なすぎたり。多すぎるのはたぶん、UAS flyに強すぎるhsFLPが乗っていたから。少なすぎるのはヒートショックが短すぎたのと、たぶんクローンが結構早く死んでいってるんだろう。新しいクロスを準備している時間はなさそうなので、残りのサンプルはヒートショックの時間をコントロールするしかない。
スクリーニングのほうも、このところ1st screeningのハエ達が次から次へと出てくるので毎日結果を見ていかないといけない。で、いろいろ重なってしまうもんで、こんなとんでもなくヘクティックなときに、来週は体験入学の学生さんがラボに来るんだそうな。ちょっとエライことになりそう。。。

無罪放免

昨日の昼はまた歯医者。11月で全ての処置が完了したはずだったのだけど、一つ虫歯になりかけているかもと言われていた箇所も今回直してもらった。親知らずはやはり抜くべきだと言われたけど、これで今のところ全て問題はありませんとのこと。次回は半年後に検査に来てくださいと。昨年の夏からだいぶ長いこと通ったけど、これでようやく無罪放免。よかったよかった。

2016年2月22日月曜日

His first bike

今日は暖かかった。午後、下の子が昨日誕生日プレゼントでもらったマウンテンバイクに乗りたいというので、早速近所で練習。自転車に乗るのは初めてだけど、長いことストライダーに乗っていたからか、コマなしでも意外にあっさりと走り始めた。

2016年2月21日日曜日

6歳

今日は下の子の6歳の誕生日。誕生日プレゼントは、自分と同じTREKのマウンテンバイクとサッカーボール型のバースデーケーキ。春からはいよいよ小学生になる。
それにしてもこのサッカーボールケーキすごい。よくできている上にとても美味しかった。

2016年2月18日木曜日

Spontaneous Mutagenesis

Frequent somatic mutation in adult intestinal stem cells drives neoplasia and genetic mosaicism during aging.  Cell Stem Cell. 17: 663–674.
Adult stem cells may acquire mutations that modify cellular behavior, leading to functional declines in homeostasis or providing a competitive advantage resulting in premalignancy. However, the frequency, phenotypic impact, and mechanisms underlying spontaneous mutagenesis during aging are unclear. Here, we report two mechanisms of genome instability in adult Drosophila intestinal stem cells (ISCs) that cause phenotypic alterations in the aging intestine. First, we found frequent loss of heterozygosity arising from mitotic homologous recombination in ISCs that results in genetic mosaicism. Second, somatic deletion of DNA sequences and large structural rearrangements, resembling those described in cancers and congenital diseases, frequently result in gene inactivation. Such modifications induced somatic inactivation of the X-linked tumor suppressor Notch in ISCs, leading to spontaneous neoplasias in wild-type males. Together, our findings reveal frequent genomic modification in adult stem cells and show that somatic genetic mosaicism has important functional consequences on aging tissues.

このところ食堂で少しずつ読んでいた論文。パリのDr. ABのラボから。Dr. ABとは、3年前にワシントンDCであったFly Meetingで、何人かでスシレストランに行った時に同席したことがある。となりに座っていたフランス人のロマン君に「Most of the Americansはウニがあんまり好きではないんだよね。」っていう話をしてたら、テーブルの反対側からアメリカ人のDr. ABが「Most of the Americansが何だって?」って突っ込んできたのを思い出した。で、この論文の内容は去年バルセロナで発表していたっけ。
老化に伴って、somatic recombination, genomic deletions and rearrangementsといったspontaneous mutationが幹細胞で増加することによりclonal mosaicismが発生すること、そしてそれがspontaneous neoplasiaの原因になっていることを、ハエの中腸上皮をモデルにして説明している。自然に起こるgenomic rearrangementが、ISCsにおいてtumor supressorとして働くNotch signalingのinactivationを引き起こすことによりneoplasiaが生じる、ということをハエの遺伝学を用いてビューチフルに示している。自然にこんなにもモザイクが出てくるもんなんやね。あと、データを見ていると、膨大な数のハエの腸を観察したことが分かって感心させられる。面白くてデータがしっかりしていて重要性が高い、なかなか良い論文やなぁと思いながら読んでいた。一つ、何種類かのwild typeの中で、Oregon-Rのneoplasia発生率が他と比べて随分低いのはなんでなんやろうか。

"Altogether, our findings of surprisingly high rates of somatic mutation have important implications for in vivo somatic cell genome stability, suggesting that genetic mosaicism may be more prevalent and have a greater impact on adult tissues during the aging process than previously suspected."

ところで、Dr. ABをググったら、YouTubeにあったWorldwide Cancer Researchのこんな動画を見つけた。

2016年2月17日水曜日

WTF

今日はちょっと残念なことがあった。先週から一生懸命書いていた申請書をいよいよ提出しようかというところで、研究所の上のほうから待ったがかかった。所内選考を通ったので申請してくださいとの事務方からの通達を受けたからこそ、忙しい中夜遅くまで時間をかけてようやく完成させたというのに、最後の承認が下りなかった。。。この申請を認めると研究所として二枚舌を使うことになるので残念ながら認められないとのお達し。まぁ、研究所のこの建前上の見解を理解することはできるので、あえてそこで粘ろうとはせんかったけど、なんともdiscouragingでやりきれない気持ちが残ったな。そんなん所内選考の段階で言うべきやろ。まぁそこでそう言われたところでdiscouragingなのは基本的には変わらんねんけど。heave a deep sigh… 
ま、なかなかエエのが書けたから、これは他の申請書に回すことにしようっと。

2016年2月16日火曜日

実験開始

三日前に、エディターからリバトルレターに対するお返事のメールが届いた。「You are very welcome to submit a revised version of your manuscript and the plan that you sent us seems reasonable.」とのことで、いつでも再投稿してくれていいわよというお返事。まぁそんなことで、ここ数週間準備していたリビジョン実験用のハエ達を、いよいよ今日から掛け合わせ開始。必須なのが8種類で、あと出来ればデータが欲しいかもというのが5種類くらい。今日開始したのはそのうち6種類だけど、残りも今週中にほとんど掛け合わせられるかな。全部必要なのはイマジナルディスクなので、再来週中には全てサンプルを取り終わっているはず。しかしそのあとでコンフォーカルで写真撮ってFigure作って、と考えたら一ヶ月で完成させることができるかどうかという感じ。Dr. TSのところと再投稿のタイミングを合わせようとしたら、デッドラインはだいたい来月終盤。結構ぎりぎりの戦いが始まる。

2016年2月15日月曜日

春一番

これは裾野から見た富士。今日は風が強くて、山麓を雲が勢いよく流れていた。春一番ね。

2016年2月14日日曜日

古寺

今日は午後に子供達を連れて昼御飯を食べに出たついでにちょっとドライブ。途中で、ふと渓谷の中に見えた古寺を訪ねてみた。富士の雪解け水ですごい勢いの川に囲まれた古寺の境内には、あちこちに苔生した古い石仏が静かに立っていてなんだか神秘的な空間だった。

2016年2月13日土曜日

スカイプ会議

昨晩は11時からフロリダのWMとスカイプセッション。もちろん論文のことも話したけど、メインの議題は双方のラボで進行中のいくつかのプロジェクトについて。去年WMが申請したグラントの一つがどうやら通りそうだということなのだが、その申請には自分もコラボレーターとして名前が入っている。こちらですでにやり始めているプロジェクトも含まれているので、どういう感じで分担していきましょかという話。向こうはグラジュエイトの S と A が関わっているようなので、今後あのハイパーガールズ二人と連絡を取り合っていかないといかん。今年のFly Meetingは夏にオーランドで開催されるので、その時に新しいデータを持って行ってみんなとデスカッションできればと思う。

2016年2月11日木曜日

Dr. QL

今日の午後、中国からこちらを訪問中のDr. QLと面談。彼がフォーカスしているAponticに関する一連の研究内容を教えてもらった。アポンチックってどこかで聞いたことがあるやんと思いながら聞いていたのだけど、最後にようやく思い出した。そういやBorder cell migrationでSTATとSLBOのfeedback inhibitionしているっていう論文があった。実はこの5月から、彼のラボの学生さんがポスドクとしてこの研究所に来ることになったので、今後いろいろと交流が増えることになるはず。
と、そうこうしているうちに申請書の締め切りが5日後に迫ってきた。やばい。なんか今回はあんまり筆が進まん。

2016年2月10日水曜日

細菌の細胞競合

Not so simple, not so subtle: the interspecies competition between Bacillus simplex and Bacillus subtilis and its impact on the evolution of biofilms.  NPJ Biofilms and Microbiomes 2: 15027.
Bacillus subtilis biofilms have a fundamental role in shaping the soil ecosystem. During this process, they unavoidably interact with neighbour bacterial species. We studied the interspecies interactions between biofilms of the soil-residing bacteria B. subtilis and related Bacillus species. We found that proximity between the biofilms triggered recruitment of motile B. subtilis cells, which engulfed the competing Bacillus simplex colony. Upon interaction, B. subtilis secreted surfactin and cannibalism toxins, at concentrations that were inert to B. subtilis itself, which eliminated the B. simplex colony, as well as colonies of Bacillus toyonensis. Surfactin toxicity was correlated with the presence of short carbon-tail length isomers, and synergistic with the cannibalism toxins. Importantly, during biofilm development and interspecies interactions a subpopulation in B. subtilis biofilm lost its native plasmid, leading to increased virulence against the competing Bacillus species. Overall, these findings indicate that genetic programs and traits that have little effect on biofilm development when each species is grown in isolation have a dramatic impact when different bacterial species interact.

バイオフィルムを形成中の細菌のコロニーが他種のコロニーに出会ったとき、競合が起こる。といってもこれはinterspecies competitionなので、うちらが見ている細胞競合とはちょっと違うけど、こういう異種細胞間での拮抗現象(antibiosis)というのは 昔々から微生物学で研究されてきたものであり、抗生物質なんかはまさにそのcompetitionにおいて他種の細胞機能を阻害するものなんやね。ここで出てくる枯草菌も、他種のコロニーに近づくとSurfactinやcannibalism toxinsといった毒素を放出して、相手にgrowth inhibitionやcell deformationを誘導する。そしてさらに、バイオフィルムの中から運動性のやつらが出てきて競合相手のコロニーを飲み込んでしまう。上皮組織でのcell competitionにおいても隣接細胞によるengulfmentは報告されているけど、微生物が使う抗生物質みたいなものは発見されていない。

2016年2月8日月曜日

Flies from Erlangen

科研費の継続課題に係る支払請求書の提出は本日完了。今月はあんまり執筆の締め切りとかないやん、と思っていたら今日いきなり一週間後までに書かなきゃいけない申請書が出てきた。まぁ、これは気張るしかないな。。。
先週メールで連絡を取ったドイツのエアランゲンのラボは迅速な対応をしてくれたようで、早速送ってくれたハエ達が今日到着。ドイツからの道中寒かったろうけど、みんな元気そうだったので安心した。ということで、リビジョン用の実験もそろそろ組んでいかなあきません。

senescent cellsを除去したら

Naturally occurring p16[Ink4a]-positive cells shorten healthy lifespan.  Naturedoi:10.1038/nature16932
Cellular senescence, a stress-induced irreversible growth arrest often characterized by expression of p16[Ink4a] (encoded by the Ink4a/Arf locus, also known as Cdkn2a) and a distinctive secretory phenotype, prevents the proliferation of preneoplastic cells and has beneficial roles in tissue remodelling during embryogenesis and wound healing. Senescent cells accumulate in various tissues and organs over time, and have been speculated to have a role in ageing. To explore the physiological relevance and consequences of naturally occurring senescent cells, here we use a previously established transgene, INK-ATTAC, to induce apoptosis in p16[Ink4a]-expressing cells of wild-type mice by injection of AP20187 twice a week starting at one year of age. We show that compared to vehicle alone, AP20187 treatment extended median lifespan in both male and female mice of two distinct genetic backgrounds. The clearance of p16[Ink4a]-positive cells delayed tumorigenesis and attenuated age-related deterioration of several organs without apparent side effects, including kidney, heart and fat, where clearance preserved the functionality of glomeruli, cardio-protective KATP channels and adipocytes, respectively. Thus, p16[Ink4a]-positive cells that accumulate during adulthood negatively influence lifespan and promote age-dependent changes in several organs, and their therapeutic removal may be an attractive approach to extend healthy lifespan.

老化に伴って増加する senescent cells を取り除いたら健康寿命が延びますよと。senescent cellで特異的に発現が高くなるp16[Ink4a]のプロモーター制御下にアポトーシスを誘導できるFKBP–Casp8を組み込まれたマウス(INK-ATTAC)では、老化とともに出現するsenescent cellがアポトーシスを起こして除去されていくという仕掛け。このマウスでは様々な臓器における老化現象が抑制され、平均寿命も3割ぐらい伸びている。なんか見た目もコントロールに比べてだいぶ若いな。ふーむ、cellular senescenceってなんなんやろかと考えさせられる。

Hippo in innate immunity

Toll receptor-mediated Hippo signaling controls innate immunity in Drosophila.  Cell 164: 406–419.
The Hippo signaling pathway functions through Yorkie to control tissue growth and homeostasis. How this pathway regulates non-developmental processes remains largely unexplored. Here, we report an essential role for Hippo signaling in innate immunity whereby Yorkie directly regulates the transcription of the Drosophila IκB homolog, Cactus, in Toll receptor-mediated antimicrobial response. Loss of Hippo pathway tumor suppressors or activation of Yorkie in fat bodies, the Drosophila immune organ, leads to elevated cactus mRNA levels, decreased expression of antimicrobial peptides, and vulnerability to infection by Gram-positive bacteria. Furthermore, Gram-positive bacteria acutely activate Hippo-Yorkie signaling in fat bodies via the Toll-Myd88-Pelle cascade through Pelle-mediated phosphorylation and degradation of the Cka subunit of the Hippo-inhibitory STRIPAK PP2A complex. Our studies elucidate a Toll-mediated Hippo signaling pathway in antimicrobial response, highlight the importance of regulating IκB/Cactus transcription in innate immunity, and identify Gram-positive bacteria as extracellular stimuli of Hippo signaling under physiological settings.

Dr. DJPラボから、Hippo pathwayの新たな展開。Drosophilaのinnate immune responseにおいて、Hippo-Yki signalingがCactus(IκB homolog)のtranscriptional regulationに関与しているという話。Toll receptorの下で、Pll-mediated phosphorylationとCka degradationを介してHpoがactivateされる。うむ、キレイにcell autonomousにきとるね。Hippoってほんまに色んなところに関与しとるなぁ。ほいで、やっぱりDJPはすごいな。。。

"It is interesting to note that organ size control and innate immunity are two ancient features of metazoans. Our findings that the signaling pathways underlying these seemingly disparate processes (Hippo and Toll) are functionally intertwined may therefore have a deep evolutionary origin. Interestingly, Toll receptor and Hippo signaling have both been implicated in other biological processes such as cell competition in the wing disc and polarized cell rearrangements in Drosophila embryos, although their molecular relationship in these processes has not been determined."

"We further speculate that such a link may potentially contribute to the oncogenic activity of YAP/TAZ, whereby YAP/TAZ may protect the tumor cells from immune attack through the induction of IκB expression and inhibition of inflammation."

そうそう、こういうことね。ナイス。

2016年2月7日日曜日

6 km

今日の午前中は、友人夫婦に誘われて隣町の小さなマラソン大会に参加してきた。6kmなんだけども、普段トレーニングしてるわけでもなければマラソンなんて走るのもはじめてだし、ということでどうなることやらと少し不安だったのだが35分で完走。もっとかかるんかなと思ってたけど、晴天のもと沼津アルプスを眺めながら狩野川の土手を気持ちよく走れた。疲れたけど、ゴールした後の清々しさ、あれがやみつきになるんかね。

2016年2月4日木曜日

10歳!

今日は娘の10歳の誕生日。あれからもう10年。まぁ振り返るといろいろあった10年だけど、子供はどんどんどんどん成長していくんやねぇ。

1st screening

このところ、テクのTさんがスクリーニングのためのハエ達を一生懸命かけ合わせてくれている。そろそろ一番始めにかけ合わせたグループの次世代のハエ達が出てきているので、いよいよ今日からそれらの結果をチェックし始めた。このgenetic screeningのスキームは結構単純なこともあって、まぁ1st screeningではかなりいろんなフェノタイプが出ちゃうんじゃないかとは思っているのだが、出ないラインには全くなんの異常も出ていなかったのでちょっと安心した。とりあえず今のプロトコールでワークしそうだ。とはいっても、やはり微妙なフェノタイプのやつもいたりするので、これは実際の観察と選別は自分でしないといかんなと思った。やっぱりスクリーニングは楽しいしね。一本一本のバイアルからハエを出して実体顕微鏡を覗くとドキドキするやん。

2016年2月2日火曜日

お手紙

さぁ、二月。今月は書き物の締め切りとかはあんまりないけど、ちょっと論文のリバイズを頑張らないとね。ということでとりあえずエディターへ、再投稿するんでよろしくねという内容のお手紙をしたためている。各レビュワーのコメントに対する返答も事細かに書いているので、結構長いお手紙になる。そういや前の論文のときも全く同じように、ファーストリビジョンに入る前にまずエディターにリバトルレターを書いたんだった。まぁ再投稿は認めてくれると思うけど、真摯な回答で良い印象を与えないとね。
今日は、夕方に大学時代の友人で科学機器の営業をしているKがこちらを訪問してくれたので、ちょっとブレイク。そういやついこないだの12月にも来てくれたけど、週に一回は東京からこの近辺の営業に来ているんだそうな。