2016年4月27日水曜日

ラボミ

今朝はラボミーティング。今年度からうちの研究室も少し人数が増えたので、また毎週ラボミをやり始めている。で、今日は自分のターンだったので、現在進行中のスクリーニングに関して少し報告。
そのうち一つのgenetic screeningは、フロリダにいた時からだいぶ長いこと自分の中で温めていたアイデアなのだが、今ようやくテクの T さんがコツコツと進めてくれている。今年に入ってから1st screeningを始めて、今月からは2nd screeningに入っている。ということは、この感じで行くと8月あたりには終わっているのかな。1st screeningで当たってきたものが約50ラインほど。まぁこれはこんなもんかなぁという感じなんやけども、いよいよ2nd screeningでどれだけ絞られるか、というか、果たして当たりは出るのだろうか。かなり楽しみである。

Hump day

午後に予約していたウェブセミナーを視聴する予定だったのに、すっかり忘れていた。昼御飯を食べている時はまだ覚えていたのに。。。録画したのをあとでアップロードしてくれるんかなぁ。

2016年4月26日火曜日

MNP、デモ

今日は朝から携帯電話のMNP番号とかいうのをもらいに店に行ったけど、そこではもらえなくて、専用ダイヤルに電話したら手続きできまっせとかいうことだったので、結局オフィスに帰ってきて電話。帰国してからとりあえず手に入れたガラケーの契約がちょうど2年経つので、この機会についに家族でスマホに買い替えようという話。自分は出張に出た時以外は、スマホの必要性をほとんど感じていなかったのだけど、最近は使った分だけ料金を払えばいいような格安スマホがあるようなのでそういうのにする。

で、昼からはRELYONていう会社の社長さんがわざわざ持ってきてくれた、蛍光実体顕微鏡&HDMIカメラのデモ。蛍光実体顕微鏡といっても光源はNIGHTSEAの蛍光LEDライトなので、横からサンプルをピカッと照らすだけなのだが、これが意外と結構明るい。蛍光でも結構きれいに動画も撮れるし、ハエの選別ならLEDライトを照らして顕微鏡使わずにゴーグルをかけるだけでもできるかも。普通の蛍光実体顕微鏡を買うよりもだいぶ安いので、今後検討してみよう。

2016年4月22日金曜日

内部交流セミナー

今日は研究所の内部交流セミナーで、KA博士と二人でトーク。去年やったときは"mutant turtle cell"でオーディエンスの反応が意外に小さくてちょっと寂しい思いをしたので、今回は違うネタだけど始める前にKとKA博士になるべく大きい声で笑ってもらうようにサクラを仕込んで挑んだ。まぁその甲斐あってか、今回はイントロのツカミで結構大きめの反応を得ることができたかな。CCHの話はもう何回もいろんな場所でトークしているから、そろそろもう少し先の話まで含めたいところだけど、あともう一回オーランドのワークショップで話すことになる。
で、今晩はいまからセミナー打ち上げ & 新歓 & ポスター交流会打ち合わせを兼ねた構造党改革委員会の会合。

2016年4月21日木曜日

細胞競合の基本原理とその破綻

医歯薬出版の「医学のあゆみ」4月23日号(Vol.257 No.4)の特集は、「細胞競合の基本原理とその破綻」。
細胞競合が多くの研究分野に注目されるようになったのは,この現象ががん遺伝子mycの発現量の差により引き起こされることが示されたことにはじまる.すなわち,細胞競合は個体発生のみならずがんの制御にも重要な役割を果たしている可能性が示唆されたのである.最近では細胞競合過程における力学的要素の意義もみえはじめ,その研究は大きな広がりをみせつつある.細胞競合はさまざまな生命現象や疾患に関与する可能性があり,その応用の広がりも期待される.本特集では細胞競合に関する最新の知見について,専門の先生方に概説いただく.

ということで、これまた自分も本特集に参加させてもらいました。自分が寄稿した総説は、「細胞競合における勝利者の成長ー置き換えと埋め合わせ」。少し前に別の雑誌に寄稿したものと結構内容がかぶっているのですが、CCH以外の組織修復機構に関してももう少し踏み込んでいます。細胞競合に関する最近の研究を知りたい方はぜひ!

2016年4月17日日曜日

Cell Competition Drives Tumor Growth

先週 K とディスカスした論文。コペンハーゲンのDr. HHのラボからの報告。

Cell competition drives the formation of metastatic tumors in a Drosophila model of epithelial tumor formation.  Current Biology 26: 419–427.
Cell competition is a homeostatic process in which proliferating cells compete for survival. Elimination of otherwise normal healthy cells through competition is important during development and has recently been shown to contribute to maintaining tissue health during organismal aging.  The mechanisms that allow for ongoing cell competition during adult life could, in principle, contribute to tumorigenesis.  However, direct evidence supporting this hypothesis has been lacking.  Here, we provide evidence that cell competition drives tumor formation in a Drosophila model of epithelial cancer.  Cells expressing EGFR together with the conserved microRNA miR-8 acquire the properties of supercompetitors.  Neoplastic transformation and metastasis depend on the ability of these cells to induce apoptosis and engulf nearby cells.  miR-8 expression causes genome instability by downregulating expression of the Septin family protein Peanut.  Cytokinesis failure due to downregulation of Peanut is required for tumorigenesis.  This study provides evidence that the cellular mechanisms that drive cell competition during normal tissue growth can be co-opted to drive tumor formation and metastasis.  Analogous mechanisms for cytokinesis failure may lead to polyploid intermediates in tumorigenesis in mammalian cancer models.

この話、去年のバルセロナミーティングでDr. HHがこれについてトークをしていたのだが、このEGFR + miR-8 co-expressionのフェノタイプが面白かったので強く印象に残っている。EGFR、miR-8ともに単独でのoverexpressionであれば、劇的なフェノタイプを示すわけではない。EGFRはbenign hyperplasia、miR-8はmodest size reduction。ところが、この二つを同時にoverexpressした細胞達は非常にアグレッシブなtumor growthを引き起こし、他組織への広範なmetastasisをも示す。これだけ見ていると典型的なmalignant tumorのフェノタイプなのだが、そこに至るまでのプロセスはかなりけったいなのだ。imaginal disc内の一群の細胞にEGFR + miR-8 co-overexpressionを誘導すると、まず始めの3日間ほどでこれらのcloneの大部分はアポトーシスを起こして死んでいくのだが、それと同時にいくつかの大きな細胞が姿を見せ始める。4日目にはほとんどのクローンが姿を消し、数個のgiant cellだけになってしまうにもかかわらず、ここからこのgiant cellの数が増え始めるとともに再度小さな細胞も増え始めて、10日目にもなるとこれら大小の細胞が入り乱れたカオスな状態で腫瘍塊に成長していく。このgiant cell phenotypeは最後に示されているように、miR-8 overexpressionによって、そのターゲットであるSeptin familyのPeanutの発現が抑制され、それによって引き起こされるcytokinesis failureがpolyploidizationを促しているようだ。つまり、endocycleに入っちゃっているのだろう。

さて、この一連のプロセスの詳細な観察から分かった重要なことは、EGFR + miR-8 expressing cloneが周囲の細胞にapoptosisを促して死んだ細胞をengulfmentによって除去していくことが、giant cell formationとneoplastic tumor growthを引き起こしている、つまりcell competitionがこいつらのtumor growthに必要であるということだった。tub>dMyc>Gal4のシステムを用いて、EGFR + miR-8 expressing cloneの周りの細胞をdMyc overexpressing cellsにすると、giant cellもtumorも形成されずになくなっていくことから、確かにcell competitionが関与していることが分かるのだが、さらに面白いことに、このpolyploidizationによるgiant cell formationは、engulfmentの阻害(ELMO-RNAi, Mbc-RNAi or drpr-RNAi)、もしくはapoptosisの阻害(p35 or DIAP1)でも抑えられるのだ。これはつまり、こいつらがcell competitionによって周りの細胞を殺して貪り食うことによって巨大化して手のつけられないモンスターになることを示している。なんだかちょっと恐ろしいな。

これまでに、前癌細胞が周辺正常細胞との細胞競合によって除去されるということは実際に示されてきたのだが、それとともに、癌組織の増殖浸潤といったcancer progressionにおいては、癌細胞がsuper-competitorとして周りの正常細胞を駆逐していくことが一つの重要なdriving forceになっているという考えもあった。しかしながら、cell competitionがtumor growthに必要であるということが実際に示されたのは、この報告と、もう一つback-to-backでpublishされているDr. EPのところからのintestinal adenomaでの報告が初めてのものということになるだろう。

2016年4月16日土曜日

Earthquake HS

九州で続発している地震がなかなかおさまらないようだ。テレビをつけると、広がる被害状況とまた新たな揺れの報告ばかりで心配な思いが募る。ところで、さきほどNHKでの解説を見ていて、TN博士による研究データに見入ってしまった。日本全国に設置したGPSによる測量のタイムラプスデータから、日本列島内の地面の移動状況が示されていたのだけど、これを見ると地面は地方によって異なる方向性を持った大きな流れを形成しているのが分かる。で、今回の群発地震の震源はその流れが合流する地点に一致するのだとか。なんだか自分が考えているものを見ているような気がして驚いた。

2016年4月12日火曜日

再レビュー

一週間前に再投稿した論文、昨晩ようやくエディターから、レビュワーに送ったよっていうメールが来た。こないだの1st decisionでactive considerationから外されたので、今回は再投稿ではあるのだがnew submissionの扱い、ということでもう一度、editorial staff and academic editorによる評価を通してからレビュワーに送られたらしい。慎重やね。
で、メールの最後に「we encourage you to submit your manuscript to bioRxiv.org, or another preprint server of your choice.」とのお言葉。こういうのは初めて見たけど、最近はこういうレビュープロセスの間に bioRxiv のようなプレプリントサーバーで先にパブリッシュすることを推奨してるのかね。このジャーナルだけなのかな。
「We support submission to preprint servers as we believe it is important to make science available as immediately as possible.  Editors will check for comments and discussion on your preprint submission and may take these into account when making a decision on your manuscript.」ということで、こういうオンラインでのプレプリントに対するコメントやデスカッションを審査の過程で考慮に入れるんだそうな。でも bioRxiv の論文を見ていると、実際にコメント欄でディスカスされるようなことはあんまりなくて、付いているのはたいがいTwitterでの引用ばっかりだけど、どんなもんなんかね。
ま、なんにせよ、また一ヶ月くらい待たなあかんね。

2016年4月9日土曜日

桜満開

研究所前の桜並木も満開。なんか周りに比べてココだけ少し遅かった気がするけど、なんでかね。

2016年4月7日木曜日

大学院説明会 2016

遺伝研の大学院説明会が、来月5月21日(土)にココ遺伝研で開催されます。
国立遺伝学研究所では、総合研究大学院大学(総研大)生命科学研究科 遺伝学専攻として、大学院生の教育を行っています。 総研大は、全国18か所の国立研究所を基盤とする、大学院だけの大学です。 学部卒相当を対象とする「5年一貫制博士課程」と修士卒相当を対象とする3年制の「博士後期課程」があります。総研大のコンセプトは「優れた研究環境と人材を活用してトップクラスの研究者を養成する」です。 遺伝研は、研究者を目指す学生にとって最高の研究教育環境を提供しています。大学院説明会に参加し、すばらしい環境を体感してください。(以上、ウェブサイトの紹介文より抜粋)

ということで、Biologyの研究者を目指して大学院を探している方、ウチで一緒に Morphomeostasis の研究をしたい方、細胞競合、組織修復、腫瘍形成、形態形成といった研究や Fly Pushing に興味の有る学生さんは、気軽に大学院説明会に参加して話を聞きに来てください!東京駅からの無料送迎バスツアーもあります。

2016年4月6日水曜日

Workshop@TAGC

さて、今年7月にオランドーで開催されるThe Allied Genetics Conference (TAGC) のFly Meetingでは、New YorkのDr. EBが「Cell Competition」のワークショップを企画している。Dr. EBからは、興味があるならアブスト送ってねって言われてたので、もうだいぶ前に送っていた。で、つい先日今度はDukeのDr. DFから、Orlandoで「Polyploidy」のワークショップを企画しているからトークしてよっていうお誘いのメールをもらった。さぁどうしたもんかとちょっと迷ったのだけど、CCHの話は去年の細胞競合国際シンポでも話しているし、この話はPolyploidy Workshopで話したほうがオモシロイかもなと思ってDr. DFに「よっしゃやりましょう」との返事をした。Dr. EBによると、Cell Competitionのほうはスピーカーに立候補した人が結構多い、そうなので、まぁちょうど良かったのかも。ともあれ、どちらのワークショップもかなり楽しみですなぁ。

2016年4月5日火曜日

再投稿完了

昨晩、遅くまでかかってようやく懸案の論文再投稿完了。コメントが返ってきたのが1月20日だったので、ここまで約2ヶ月半かかった。この間、ほぼ毎日この論文のことばっかり考えていたのでなんだかだいぶ疲れたけど、全力を出し切って今は達成感がある。次のコメントはまた一ヶ月後くらいかな。楽しみやけど、もうこれ以上要求されても困るな。レビュワーの皆さんが満足してくれることを祈りながら、そろそろ違う実験を始めよう。

2016年4月4日月曜日

WIP続報

少し前に K とディスカスした論文。Dr. ASのラボから、2013年の論文の続報。
Wound-induced polyploidization: regulation by Hippo and JNK signaling and conservation in mammals.  PLoS One. 11:e0151251.
Tissue integrity and homeostasis often rely on the proliferation of stem cells or differentiated cells to replace lost, aged, or damaged cells.  Recently, we described an alternative source of cell replacement- the expansion of resident, non-dividing diploid cells by wound-inducedpolyploidization (WIP).  Here we show that the magnitude of WIP is proportional to the extent of cell loss using a new semi-automated assay with single cell resolution.  Hippo and JNK signaling regulate WIP; unexpectedly however, JNK signaling through AP-1 limits rather than stimulates the level of Yki activation and polyploidization in the Drosophila epidermis.  We found that polyploidization also quantitatively compensates for cell loss in a mammalian tissue, mouse corneal endothelium, where increased cell death occurs with age in a mouse model of Fuchs Endothelial Corneal Dystrophy (FECD).  Our results suggest that WIP is an evolutionarily conserved homeostatic mechanism that maintains the size and synthetic capacity of adult tissues.

 細胞の分裂増殖が起こっていないDrosophila adult epidermisでのwound healingにおいて、post-mitotic differentiated diploid cellsはcell cycleにリエントリーできるのだけども、その際に通常のmitotic cycleではなくいわゆるendocycleに入ってpolyploidizationを起こすことによって傷をふさぐという、彼らが2013年の論文で示した「Wound-Induced Polyploidization」は、その少し前に我々が報告していたDrosophila follicle epitheliumでの「Compensatory Cellular Hypertrophy」と非常によく似た現象だった。彼らはその2013年の論文で、このcell cycle reentry and endoreplicationにHippo pathwayが関与していることを示しているが、今回はさらに、JNK signalingがAP-1を介してYki activationを制御していることを示している。のだが、今までの知見から想像されるものとは違って、このadult epidermisにおけるwound healingでは、どうやらJNKはYki activationを抑制する方向に働いているという結果になっている。傷の周辺細胞では、JNKとYki両方のactivationが観察されるにもかかわらず、なぜJNK下流のAP-1(jun, fos)のノックダウンによってYki activationとpolyploidizationが促されるのかはよく分からないまま。これに関しては以下のようにディスカスされている。

The pathway is turned on within 6 hours post injury, and this early activation of JNK probably mediates the cell migration needed to initiate wound repair.  Consistent with this, epidermal nuclear clustering is reduced and nuclei remain more evenly dispersed when jun is knocked down.

ちなみに、ウチらがCCHのレビューで示唆したmammalian corneal endotheliumでのCCHに関して、マウスの角膜内皮をモデルにして実際にploidyの増加を示したことには大きな意義があると言える。

2016年4月1日金曜日

新年度

今日から4月ですね。もう新年度か。なんかこの一ヶ月ほど嵐のような忙しさだったので、あんまり心の準備もないまま新年度を迎えてしまった感じ。でも昨晩でようやく論文の改訂作業もほぼ終了。あとはWMからもう一度コメントが返ってきたら最終直しを入れて週末に再投稿かな。申請書のほうもこの数日で書き上げた。これも来週はじめに投稿する。ということで、なんとかかんとか3月のビッグウェーブを乗り越えた。
で、今晩は M 研と K 研との合同新歓パーティに K を連れて参加してくる予定。