2018年1月19日金曜日

1st draft

今日YF博士から、共同研究プロジェクトの一つに関する論文の第一稿が早速送られてきた。コレにこちらのデータをどのように組み込んでいくのか、ということになる訳だが、もうすでに論文としての完成度は結構高い。ハエのデータは、すでに培養細胞で確認されているものを、実際の生体組織内での現象としてサポートしていく感じになれば良いのだが、さぁどうだろうか。実は、ちょうど今それに関する実験結果が出つつあるのだけど、解剖したサンプルを実体顕微鏡下で見ている限り、いくつかのものではGFPで光る細胞達の挙動が予想とは完全に逆のように見えた。コンフォーカルで見ないとなんとも言えないけど、もしそうならちょっと解釈は難しくなってくる。

2018年1月17日水曜日

Rainy day

雨。低気圧のせいだと思うけど、なんか眠くて頭がさえない。カレンダーを見ると、久しぶりに今週から少しの間はあんまり予定が入っていない。三週間後に、日本語総説の原稿締め切りというのがあるから、ちょっとそれに取り掛かるか。いま実験も結構たくさん進行しているので、そちらも集中したいところ。そろそろ一度コンフォーカル大会かな。

2018年1月15日月曜日

Aging

今日の午後は、今期一回だけ担当になっていた大学院の授業。Developmental Biology III というコースで、一回の講義につき発生生物学のコンセプトを一つ、一本の論文の内容を元にして学ぶというもの。3年前にも一度同じ授業を担当して、その時は「Organ Growth Control」というトピックでcell competitionの話をしたのだった。で、今回自分が選んだトピックは「Aging」。実際には三つのトピックを提案したのだけど、オーガナイザーのS先生が選んでくれたのがAgingだった。と言っても自分は全くもってAgingのエキスパートではないし、ただ研究の流れで老化に興味を持ち始めたという感じだったので、Agingで、と頼まれた時はちょっと焦った。で、この授業用に選んだ論文はDr. CKによる1993年の以下の論文。

A C. elegans mutant that lives twice as long as wild type.  Nature 366: 461–464. 
We have found that mutations in the gene daf-2 can cause fertile, active, adult Caenorhabditis elegans hermaphrodites to live more than twice as long as wild type.  This lifespan extension, the largest yet reported in any organism, requires the activity of a second gene, daf-16.  Both genes also regulate formation of the dauer larva, a developmentally arrested larval form that is induced by crowding and starvation and is very long-lived.  Our findings raise the possibility that the longevity of the dauer is not simply a consequence of its arrested growth, but instead results from a regulated lifespan extension mechanism that can be uncoupled from other aspects of dauer formation.  daf-2 and daf-16 provide entry points into understanding how lifespan can be extended.

この論文、もうすでに25年前のものということもあるけど、内容はものすごいシンプル。基本的には、daf-2 mutantがwild typeに比べて倍ほど長い間元気に長生きする、ということと、daf-16 mutationがこのdaf-2のlong-lived phenotypeをレスキューする、というかwild typeと同程度まで戻してしまうという、つまりはlifespanに対する二つの遺伝子のgenetic interactionを示しているだけ。しかしながら、当時まだ老化のメカニズムを真剣に研究していた人はほとんどおらず、Dr. CKの言葉を借りれば「a hopelessly intractable, even futile, problem to study.」だった。老化というものは「We just wear out; that's it.」という訳だ。それまでにも、wild typeに比べて寿命が長いmutantは報告されてはいたのだけど、この論文は初めて「lifespanはgenetic signaling pathwayによって制御されている」という新しいコンセプトを示したのであり、aging researchにおける一つのマイルストーンと言うことができるだろう。ちょっと面白いのは、こういう時代背景もあったからか、当時このaging projectに興味を持つ学生はほとんどおらず、結局この論文の著者はDr. CK以外、全員彼女のラボに短期間だけ在籍したローテーションの大学院生なのだそうな。

2018年1月10日水曜日

peristalsis

Spontaneous body contractions are modulated by the microbiome of Hydra.  Scientific Reports, 7: 15937. 
Spontaneous contractile activity, such as gut peristalsis, is ubiquitous in animals and is driven by pacemaker cells.  In humans, disruption of the contraction pattern leads to gastrointestinal conditions, which are also associated with gut microbiota dysbiosis.  Spontaneous contractile activity is also present in animals lacking gastrointestinal tract.  Here we show that spontaneous body contractions in Hydra are modulated by symbiotic bacteria.  Germ-free animals display strongly reduced and less regular contraction frequencies.  These effects are partially restored by reconstituting the natural microbiota.  Moreover, soluble molecule(s) produced by symbiotic bacteria may be involved in contraction frequency modulation.  As the absence of bacteria does not impair the contractile ability itself, a microbial effect on the pacemakers seems plausible.  Our findings indicate that the influence of bacteria on spontaneous contractile activity is present in the early-branching cnidarian hydra as well as in Bilateria, and thus suggest an evolutionary ancient origin of interaction between bacteria and metazoans, opening a window into investigating the roots of human motility disorders. 

蠕動(ぜんどう:peristalsis)というのは、消化管などで見られる筋肉の自律的な運動。ヒドラの体が示すこの蠕動の規則的収縮のパターンは、腸内細菌というかsymbiotic bacteriaによって制御されているようだという話。こういうの、オモロイね。

2018年1月7日日曜日

unprecedented

precede : 先立つ、〜の前に来る、〜より上位にある
 be preceded by ~ : 先に〜から始まる
precedent: 前例、先行する
 precedent-breaking : 先例を破る
precedented : 先例のある
unprecedented : 前例のない、未曾有の
「Aging research has experienced an unprecedented advance over recent years, particularly with the discovery that the rate of aging is controlled, at least to some extent, by genetic pathways and biochemical processes conserved in evolution.」

2018年1月6日土曜日

初詣

今日は午後から地元の三嶋大社へ初詣。まだまだ大変な賑わいだったけど、今日あたりは地元の人がゆっくりとお参りに来るのか、露店の間をぶらぶらしているときに研究所の方数人に出会った。
新年早々、ちょっと仕事が溜まってきたし、Tさんにいくつかハエのヒートショックを頼まれているし、ということで、その後ラボに出てきて仕事。

2018年1月5日金曜日

w1118

Drosophila melanogaster white mutant w1118 undergo retinal degeneration.  Front. Neurosci.,10.3389/fnins.2017.00732.
Key scientific discoveries have resulted from genetic studies of Drosophila melanogaster, using a multitude of transgenic fly strains, the majority of which are constructed in a genetic background containing mutations in the white gene.  Here we report that white mutant flies from w1118 strain undergo retinal degeneration.  We observed also that w1118 mutants have progressive loss of climbing ability, shortened life span, as well as impaired resistance to various forms of stress.  Retinal degeneration was abolished by transgenic expression of mini-white+ in the white null background w1118.  We conclude that beyond the classical eye-color phenotype, mutations in Drosophila white gene could impair several biological functions affecting parameters like mobility, life span and stress tolerance.  Consequently, we suggest caution and attentiveness during the interpretation of old experiments employing white mutant flies and when planning new ones, especially within the research field of neurodegeneration and neuroprotection.  We also encourage that the use of w1118 strain as a wild-type control should be avoided.

さて、新年早々ちょっとショッキング(と言ってもハエを使っている人にとっては、だけど)な論文。我々が普段から使っている白い眼の w1118、このwhite geneのmutationがprogressive retinal degenerationを引き起こすらしい。Figure 1の写真を見ると、結構派手に壊れていくようだ。これまでにもwhite mutantのphenotypeとして、行動に関するものがいくらか報告されているようだけど、今回の論文では、w1118 はwild typeに比べて老化に伴うclimbing abilityの低下が早いことに加え、いろんなストレスに対する耐性が低くてlife spanが短いことも示されている。おぉ、なんてこった、ゆー話しやよね。ちなみに、このretinal degenerationはmini-white transgeneでちゃんとレスキューできる。つまり、このATP binding cassette transporterをコードするwhiteという遺伝子は、eye pigmentation以外のbiological functionにもなんやら関わっとるということになる訳だけども、この論文ではそれがどういうものかということまでは調べていない。まぁとりあえず、こういう系の仕事に w1118 をコントロールとしては使えません、ということになるか。しかし、このwhiteをはじめeye pigmentationに関わる遺伝子の他の機能というのは非常に興味深いところやね。

バクシンオー

大阪の乗馬クラブでうちの子が乗せてもらった馬は、いうことをよく聞くおとなしい感じの馬だったけど、実はバクシンオーという名前で、前は競馬で活躍していたんだそうな。しかし馬ってやっぱりおっきいねぇ。

謹賀新年 2018

あけましておめでとうございます。みなさま、本年もどうぞよろしくお願いします。
今年の冬休みは、まずは年末に家族で大阪へ行ってから、大晦日に移動してお正月を札幌で過ごすという、イベント盛りだくさんの年末年始だった。子供達も大阪では乗馬をして、札幌ではスキーに行ってと、たくさんの楽しい思い出ができたのではないだろうか。ということで、今日から2018年のFly Pushing開始。今年は、研究に関しては去年から続いているプロジェクトをさらに発展させていきたいのは当然だけども、まずはいくつかのプロジェクトを論文にラップアップするのも大事な目標。そして、実は一番大事な目標は次の場所を見つけること。良い縁がありますように。