2014年5月30日金曜日

予行演習

来週の金沢では、うちのラボから自分とKH博士がトークする予定なので、まぁ一応予行演習しときますか、ということで今朝三人でする予定だった。のだが、KH博士が風邪でダウンとのことで、S先生と二人で発表練習。スライドは今までのものを使って昨晩ささっと作ったものだけど、意外とピッタリ12分でしゃべりきった。でもやっぱりこの話を無理矢理12分に縮めてしまうことに結構無理があったのか、S先生によると相当分かりにくかったそうで、その後二人であれやこれやとデスカッションしながら改善を模索。もっとシンプルにして各々の実験を親切に説明できるようにする必要がありそう。
で、今晩はさらに申請書の執筆。図以外の文章は今晩で終わらせたいところ。もうひと踏ん張り。

2014年5月29日木曜日

風邪気味

不覚にもこんな忙しい時に風邪をひいてしまった。昨日は頭がぼーっとして執筆に全然集中できなかったので、夜早く寝てたくさん睡眠をとったら今日は午後からちょっと回復の兆し。今週末はタラハシーのウォルター家が来訪するし、来週半ばから金沢のハエ学会へ向かう前にこの執筆を終えないといけない。ということで、もうあんまり無駄にする時間はなくなってきた。と思っていたら、またフロリダからのメールで論文原稿についてスカイプしませんか、とのお誘い。うーむ、それは金沢から帰ってきてからかなぁ。

2014年5月27日火曜日

whole picture

今日の午前中はラボミーティングで現在検討中のプロジェクトについて発表。ラボミーティングといっても自分を含めて三人だけなので、テーブルの上のモニターを囲んで話をするというスタイル。三人とも持っているバックグラウンドがちょっとずつ違っているので、意外な質問が出てきたりして結構オモシロイし、三人だととことんデスカッションできるのでなかなかイイ。そんな感じで二時間超みっちりデスカッション。だいたいプロポーズする全体像は見えてきたかな
ということで、今夜は家で晩御飯のあとにしっかりとキプロス戦をテレビ観戦して気合いをもらってから、もう一度オフィスに出てきた。

NIG Postdoctoral Fellow

2015年度の国立遺伝学研究所博士研究員(NIG Postdoctoral Fellow)の募集が始まります。
応募受付期間は、2014年6月17日(火)〜2014年7月16日(水)。
ウチのラボも受入可能です。細胞競合、腫瘍形成、組織恒常性といったテーマに興味のある方は是非一度ご連絡下さいませ。
詳細はコチラを御覧下さい。

2014年5月26日月曜日

雨が降る中

今回はやめておこうかなと思っていた来週が締切の申請書だが、先週S先生と話してからやっぱり書こうという気になったので雨が降る中もう一度オフィスに出てきた。ちょっとキツイけど、今まで考えていたことを書いてみる。そういえば少し前に、「科研費 応募のコツ」という所内のワークショップがあったのだけど、演者の方々が申し合わせたように「本当に自分がやりたいことを書きましょう」と言っていたのが印象的だった。トップダウン型のグラントの場合は特に、その領域の戦略目標に沿うように色々と考えてしまうもんだけど、やっぱりねじ曲げたものはすぐに分かりますよと。もちろんある程度その分野に当て嵌まっていないといけないのは当然なんだけども。
ということで、去年フロリダで見た現象を新しいコンセプトへ発展させるための話をしてみましょう。

Fly-FUCCI

Fly-FUCCI: A Versatile Tool for Studying Cell Proliferation in Complex Tissues.  Cell Reports 7: 588-598.

FUCCI というのは Fluorescent Ubiquitination-based Cell Cycle Indicator の略で、以前にmammalの細胞で開発されたlive cell-cycle monitoring systemのこと。細胞周期においてphase specificに活性化する二つのubiquitin ligase、APC/C(M to G1)と SCFSkp2(S to G2)の各々のsubstrate、GemininとCdt1のデグロンを含むinert fragmentにGFPやRFPをくっつけたものでphase transitionをビジュアル化するというもの。で、今回Dr. BEのとこでこれをDrosophila用に再開発してくれました。
このFly-FUCCIでは、Cdt1の代わりに、S phase-dependent ubiquitin ligase CRL4Cdt2のターゲットであるDrosophila E2F1のN-terminal fragment(aa 1–230 including the “PIP-box” degron)、ほいでGemininの代わりにはAPC/CのターゲットであるCycBのN-terminal fragment(aa 1–266 including the “D box” degron)が使われている。その結果、このFly-FUCCIはオリジナルのものとちょっと違っていて、E2F1はS phaseでdegradeされるので、GFP-E2F11–230はG2, M and G1 phaseのマーカーとなり、G2→M promoting factorであるCycBを使ったRFP-CycB1–266はS, G2, and M phaseのマーカーになる。ということで、工夫すれば色々とproliferationの解析に使えそう。FACSでisolationも出来るし、リアルタイムでvivoのcell cycleを見ることが出来るのはシブイね。
すでにBloomingtonからubiquitin promotor、UAS、QUASの全てのラインが手に入る。

ちなみに自分は常々エンドサイクルのマーカーが欲しいと思っていて、このFly-FUCCIを使えないかとも考えたのだが、やっぱりシングルでビシッとendocycling cellをマークできるものではないなぁ。

法事の朝

子供が祖父母と過ごす時間。この何気ないひとときは日本へ帰ってきた理由の一つ。

奥の院へ

この週末は法事で大阪の実家へ行って来た。土曜日は日曜日の法事とは別に、お墓参りのために高野山へ。久しぶりに特急こうや号に乗ってみると少ない乗客の半分以上が外人だった。やはり世界遺産に登録されたからか、五年前に来たときよりも外人の観光客が随分増えている印象。それにしても高野山は海外から来た観光客には相当インパクトが強いだろうなぁと思う。薄暗い林の中に戦国武将とかの無数の古いお墓が立ち並ぶ、奥の院までの参道のあの独特の雰囲気はなかなか他にはないもの。静けさの中でこの国の歴史を思い起こさせるあの厳かな参道を歩くと何だか心が安らかになる。

2014年5月21日水曜日

ダピ

ヒートショックもしたし、そろそろ解剖していよいよここで初めての抗体染色をやるかな、と思って辺りを見回してみたら意外と必要なものがなかった。。。ということで、今日はちょっと試薬作りとかしていたのだが、意外なことにDAPIがないことに気付いた。どうやら神経系の人達はあんまり核染色とかしないみたい。とりあえずどうすべぇと思いながらオシッコしていると、ちょうどタイミングよくMラボのSI博士が隣に用を足しにきたので聞いてみたら、二つ返事で「すぐ必要なら少しあげますよ」と。よかったよかったありがたい、ということでこれでとりあえずは抗体染色できる。

2014年5月19日月曜日

箱根

この週末は義姉家族がはるばる子供連れで遊びにきてくれたので、土曜日は朝から三島の市内観光を案内した後、車で箱根小涌園へ。三島からは1号線を走って一時間もかからないくらい。帰りは小田原まで送っていったのだけど、このあたりは景色も素晴らしいし、1号線沿いにイイ感じの古い温泉街がたくさんあってとても魅力的。また何度も来てみたい感じ。といっても、自分は土曜日の午後に大学院説明会があったので箱根は夕方からの合流だったのだけど、久しぶりの温泉を楽しんだ。
ということで、土曜日の午後は学生さん達に研究内容などを紹介するためにポスター会場へ。その後、各ラボに興味のある学生がラボ訪問する予定だったので夕方までオフィスで待機していたのだけど、結局来てくれたのは一人だけだった。。。まぁ全体で30人ほどだったようなので、一人でも興味を持って来てくれればウレシーんだけども。

2014年5月16日金曜日

14

このところ集めていたバージン達のクロスを今日一斉に仕掛けた。14種類。来週、再来週あたりちょっと大変なことになりそうだけど、論文を仕上げる前にやってしまいたい実験群。論文のほうはこの数日間でだいぶ形になってきた。最終パートは今日仕掛けた実験の結果も考慮に入れたいので、そろそろこのあたりで原稿を一度フロリダへ送ってみるか。首を長くして待っているみたいだし。

2014年5月15日木曜日

遺伝研 大学院説明会

明後日の土曜日、ここ国立遺伝学研究所の大学院説明会がありますが、ウチの研究室も参加しています。ハエを使った細胞競合や腫瘍形成の研究などに御興味のある学生さんは是非気軽に話を聞きにきて下さい。

Cell competition in the thymus

Cell competition is a tumour suppressor mechanism in the thymus.  Nature doi:10.1038/nature13317
Cell competition is an emerging principle underlying selection for cellular fitness during development and disease.  Competition may be relevant for cancer, but an experimental link between defects in competition and tumorigenesis is elusive.  In the thymus, T lymphocytes develop from precursors that are constantly replaced by bone-marrow-derived progenitors.  Here we show that in mice this turnover is regulated by natural cell competition between ‘young’ bone-marrow-derived and ‘old’ thymus-resident progenitors that, although genetically identical, execute differential gene expression programs.  Disruption of cell competition leads to progenitor self-renewal, upregulation of Hmga1, transformation, and T-cell acute lymphoblastic leukaemia (T-ALL) resembling the human disease in pathology, genomic lesions, leukaemia-associated transcripts, and activating mutations in Notch1.  Hence, cell competition is a tumour suppressor mechanism in the thymus.  Failure to select fit progenitors through cell competition may explain leukaemia in X-linked severe combined immune deficiency patients who showed thymus-autonomous T-cell development after therapy with gene-corrected autologous progenitors.

昨日、Natureのオンライン版で出てきた論文。マウスの胸腺では、骨髄由来の若いT-cell progenitorsが、胸腺の古いthymus-resident progenitorsをoutcompeteすることによってthymocyteのturnoverが起こっているというお話。そしてこのcell competitionによるturnoverが無くなると、補償的なself-renewalに依存し始めたthymus-resident progenitorsでは、gene expression profileに変化が起こってacute lymphoblastic leukaemiaに至るのである。
去年、マウスのearly embryoでendogenous cell competitionによってMyc発現レベルの高いものが選別されているという報告があったけど、今回はprogenitor cellsのturnoverがendogenousなnatural cell competitionによって起こっているという発見であり、さらにこのphysiological replacementがtumor suppressor mechanismとして機能しているというこのお話は、cell competitionという現象の意義を考えるにあたって非常に重要である、なんてことは言うまでもないか。

Cancer: Darwinian tumour suppression.  Nature doi:10.1038/nature13337
で、コチラはモレノ先輩による分かりやすい解説記事。しっかりと自身の「Fitness Fingerprints」説を宣伝しているあたり、先輩らしくてナイスですね。
「It is clear that exciting days lie ahead for the study of cell competition in relation to cancer.」確かに。

Roggio del Filare

Velenosi Rosso Piceno Superiore Roggio del Filare 2007
これもTH博士のセラーから。イタリア、マルケのVelenosiというワイナリーが造るMontepulcianoとSangioveseのブレンド。凝縮した果実味、深みがあってまろやかで、これは旨い。かなり好き。

Château Margaux Pavillon Rouge

Château Margaux Pavillon Rouge 2005
フランスのボルドー、言わずと知れたChâteau Margauxのセカンドワイン。中でもこの2005年はグレートヴィンテージなんだとか。ブレンドはCabernet sauvignon、Merlot、Petit verdot。こんな機会もあんまりないんだからと、TH博士のセラーから出してもらってしまいました。こんな高価なワインを飲んだのは初めてかも。上品な香り。濃いブラックベリーとスパイスの複雑な味わいに、滑らかなタンニンの長い余韻。なるほどなぁという感じ。

Poulet Père et Fils Languedoc

こないだの札幌滞在中には何本かのイイワインを飲ませてもらいました。まずはコレ。
Poulet Père et Fils Languedoc Rouge 2011
フランス、ラングドックの赤。甘酸っぱいフレッシュなイチゴという感じ。とっても飲みやすくて旨い。これは結構好き。

2014年5月13日火曜日

subdisplay

論文執筆中。なのだが、ええかげんラップトップの狭い画面で全ての作業を行うことに限界を感じていたので、この機会に新しくサブディスプレイを導入。iiyamaの23インチ。画面の高さや向きを自由に調節できるのがなかなかナイス。さぁこれでちょっと作業効率が上がるかな。

2014年5月11日日曜日

せせらぎの町

今日は昼から三島のダウンタウン近辺、源兵衛川沿いのせせらぎ回遊ルートを歩いてみた。写真で見たことはあったけど、きれいな清流の上を渡っていくような遊歩道はかなりイイ感じ。結構な距離を歩いたように思うけどとっても癒されたし、所々に史跡や入ってみたくなる店なんかがあったりしてなかなか興味深い。夏は裸足で川の中を歩くのも良いかも。こんな素晴らしいところがあるこの町がまた少し好きになった。
で、今晩は今からドンちゃんのBroad論文の最終プルーフリーディング。

2014年5月9日金曜日

ultra-thin section

昨日今日と、S先生に指導してもらいながらTEM用超薄切片の作成。二週間ほどかかってようやくここまで辿り着いた。樹脂包埋したサンプルをトリミングして、ガラスナイフで面出しして、もう一度トリミングしてから最終的にダイヤモンドナイフで70nmぐらいの薄さで切る。このあたりの作業はまさに職人技の連続。昔やっていたパラフィン切片でも、カエルの卵みたいに綺麗に切るのが難しいサンプルはかなりのワザが必要だったけど、これはもっと高いレベルの精度が要求される感じ。結構時間を取られる作業なんだけども、やっぱり自分のバックグラウンドは形態学にあるからこういうのは嫌いではない。

2014年5月7日水曜日

五年ぶりの札幌

GW後半の四連休を札幌で過ごしてきた。五年ぶり、とは言え学生時代を過ごした頃から町はそれほど変わった訳でもなく、懐かしく当時を思い出した。祖父母や従兄弟と楽しい時間を過ごした子供達には良い思い出になったことだろう。手稲山はまだうっすら白く、町の公園にも最後の残雪を見つけたけど、この四日間はもうだいぶ暖かくなっていて桜がちょうど満開になっていた。
帰る前の晩に、義兄のTH博士と二人で夜遅くまでワインを飲みながら色々語り合ったのだが、これがなかなか楽しかった。TH博士は循環器内科のお医者さん。数年前まで自分の研究との接点を見つけることは出来なかったのだけど、最近はどんな分野の人とでも話をしているとたいがい何か接点が見つかってくることが面白くなってきた。研究対象へ全く違う見方から入っていることによる知識や考え方の相違を知ることが楽しいのは、迷路の中で出会った時に違う入口から入ってきた人からの情報がいかに貴重であるかという感じかな。
ともあれ、北海道の海の幸を満喫させてもらったことだし、そろそろ本腰入れて始めていきましょう。