2017年12月28日木曜日

よいお年を


ということで、今年は今日で仕事納め。まぁ今年もがんばったなぁと思うけど、これまたよう出張に出とったね。全部で12回。海外も4回。今年もいろんなとこでトークしたなぁ。研究の方はまぁ少しずつだけど、さぁ今年の成果が来年実るかどうか、楽しみにしましょう。

それではみなさま、良いお年をお迎え下さい。

A different clone

今日の午後、顕微鏡で tumorigenic な mutant mosaic clone を見ているときに、ふとある奇妙なことに気づいた。全身に点在するクローンの中に、なぜだか時々他のものとは違う挙動を見せているクローンがいる。クローン誘導後3日目から6日目まで、結構たくさんのサンプルを調べたところ、数は少ないけど間違いなくこの違う挙動を見せているクローンが時々出現しているようだ。観察を続けているうちに、同じようなサンプルは今までいつものように見てきているわけだけど、これはもしかしたら、どこかでいつも疑問に感じていたことに対する答えなのかも知れない、ということに気づいた。なぜこいつらだけ他のクローンとは違う挙動を見せているのか、たぶんだけど、そこにドエライ重要なことが隠れている。これはちょっと来年一つ追求せなあきませんわ。なんか、いつも年末の最後の顕微鏡観察でオモロイものが見つかる気がする。

2017年12月27日水曜日

生体内の physiological な条件下で、細胞達が overcrowding な状況になる組織っていうと、Drosophila での実験モデルとしてはやっぱり notum がポピュラーやよね。しかし、それとは逆の depopulated というか underpopulated な状態、つまり細胞の過疎化が起こる組織のイイモデルってなんかないかなぁ。とか考えながら、とりあえずは crowded な notum を見てみようっと思ってYN博士にプロトコールの情報を教えてもらう。てっきりホールマウントで染色するもんやと思っていたけど、pupal case の内側に皮だけがくっついた状態にするんやね。染色後に皮だけ剥がしてマウントするのがちょっと難しそう。

progressive

昨晩は夜中にWMとスカイプミーティング。意外と話すことはたくさんあって、色々なことを一時間以上話していた。特に、differentiation における cell fate determination が "predetermined" なのか "progressive" なのかというデスカッションはなかなか有意義なものになった。やっぱりこれはかなりオモロイものになる。研究以外のこともなんやかんやと話してちょっと元気づけられた感じ。

2017年12月25日月曜日

Merry Christmas!

クリスマスやねぇ。ウチの家には今朝、Nintendo Switchが届いていました。
さて、今日はMさんが解剖したwing discのサンプルを見せてもらっていたら、一つすごく予想外というか、仮説とは真逆のフェノタイプが出ているように見えるものがあった。何か実験が間違っているとは考えにくいので、本当にこういうことなのか。年明けにまた他の実験結果も出てくる予定だけど、これはちょっとややこしいことになっていくのかもしれんなぁ。。。

2017年12月24日日曜日

年賀状

クリスマスイブもハエのヒートショック。ということで、今日の午後はヒートショックの待ち時間に、オフィスでホリデーシーズンのジャズを聴きながら、静かに年賀状を書いていますわ。

CARE

Content-aware image restoration: pushing the limits of fluorescence microscopy.  BioRxiv, 236463.
Fluorescence microscopy is a key driver of discoveries in the life-sciences, with observable phenomena being limited by the optics of the microscope, the chemistry of the fluorophores, and the maximum photon exposure tolerated by the sample.  These limits necessitate trade-offs between imaging speed, spatial resolution, light exposure, and imaging depth.  In this work we show how deep learning enables biological observations beyond the physical limitations of microscopes.  On seven concrete examples we illustrate how microscopy images can be restored even if 60-fold fewer photons are used during acquisition, how isotropic resolution can be achieved even with a 10-fold under-sampling along the axial direction, and how diffraction-limited structures can be resolved at 20-times higher frame-rates compared to state-of-the-art methods.  All developed image restoration methods are freely available as open source software.

もしかしたらこれはスゴイんじゃなかろうか。コンフォーカルとかの蛍光顕微鏡画像のimage restorationを、deep learningによって可能にした CARE (content-aware restoration) というプログラム。ディープラーニングの難しいことはよう分からんけども、紹介されているサンプル画像での効果は素晴らしいように見える。Fijiで動かせるみたいだから、ちょっと使ってみましょう。
「This means that the application of CARE to biological images allows to transcend the limitations of the design-space tetrahedron, pushing the limits of the possible in fluorescence microscopy through machine learned image computation.」

2017年12月22日金曜日

Basílica de Santa Maria del Mar

バルセロナを訪問したのは今回で三回目だった。毎回、旧市街地のゴシック地区とシウタベリャ地区を歩き回って行き着くのがサンタマリアデルマル教会なのだが、この教会の中に入ったのはたぶん今回が初めてなはず。しかも今回はガイド付きの屋上ツアーにも参加してみたのだった。なんでかはよく分からないけど、なんだかこの教会好きなんよね。それにしても中世ヨーロッパの大きな教会って、内部のarchitectureがすごくorganismalな、生物の組織構造を想起させるような感じのものが多い。

renewal

Bloomington Drosophila Stock Center のウェブサイトが新しくなったね。
「Features of the new site most relevant to users include the capability to search the BDSC stocks database, cart-based stock ordering, access to more information about your account and stock orders, easier navigation of website content, mobile friendly page layouts, and improved site security.」という感じなんだそうな。

そういや、FlyBase も近々新しく FlyBase 2.0 にリニューアルされるんだとか。もうBeta版は試せるようになってるけど、予告編のムービーがなかなかカッコエエやん。

しかし、FlyBaseも資金が削減されるというのに頑張ってくれてるよねぇ。はっきり言って、ウチらはFlyBase無しでの研究なんて考えられない訳やし、今後金銭的な協力はちゃんと考えていかなあかんよね。
「The NHGRI/NIH is significantly reducing the funding of FlyBase by 15% next year (which, with rising costs is normalized to 20%), and 20% (normalized to 30%) onward. With these cuts, we will not be able to deliver high quality, essential curation and tools. We are calling on you to help by implementing a scaled user fee within the next month. Please note: access to FlyBase is not contingent upon contributions — fee payment is at your discretion. Our goal is simply to put a mechanism in place to raise funds.」

frost

いやぁ、最近朝さむいねぇ。

富士山は雪化粧で美しくなっていくけど。

2017年12月21日木曜日

mechanobiology

Cell-extracellular matrix mechanobiology: Forceful tools and emerging needs for basic and translational research.  Nano Letters, 7b04982.


最近、といってももうだいぶ前からかもしれんけど、メカノバイオロジーは結構流行りやよね。そういや今月号の Nature Reviews MCB も Mechanobiology 特集だった。

2017年12月20日水曜日

年の瀬

うーむ、ふと気づけば、出張から帰ってきてからもう十日も経ってるやん。先週は、研究所の忘年会があったり、ラボの年末大掃除があったり、週末には散髪に行って、昨日は運転免許の更新に行って、という感じでなんだか年の瀬の慌ただしさに流されているというかなんというか、時の流れが早く感じる。年賀状も書かなあかんしね。そんな中、結構な数の実験が進行中で、年明けには色々と結果が出てくる予定。

2017年12月10日日曜日

帰三

昨日の夕方、神戸から三島に帰ってきた。先々週はバルセロナにいて、先週は神戸、ということで先週末の三日間以外はこの二週間ずっと旅行に出ていたので、やっと帰ってこれたなぁという感じ。時差ぼけもようやく抜けきったかな。
今年の分子生物学会もなかなか楽しかった。今年はConBioとかいうことで合同大会だったからか、随分と大規模だったようだし、実際たくさんの人と会うことができた。前回と同じように会場でばったり出会ったロンドンのH博士とカフェでデスカッションできたし、あるワークショップに紹介したカンザスのAさんと友達になることができたし、他にもいろんな人と話すことができて良かった。みなさんから色々と刺激を受けて、がんばらんとあかんなぁと思った次第。で、分子生物学会から帰ってくると、毎年なんだか急に年の瀬が迫ってきたように感じるね。

第八回ダートマスの集い

そして学会三日目の晩は、年末恒例ダートマスの集い。今回は残念ながらNさんは参加できなかったけど、いつものように盛り上がり、ワインを飲んでいた二次会の店でふと気づくともう2時半になっていた。

FSUの集い 2017

学会二日目の晩は、FSUの集い。ということで、いつもの4人で近況報告会。今回は第五回になるのかな。

2017年12月7日木曜日

連続2セッション

今日は夕方の4時から約4時間半、続けて同じ会場で2つのセッションに参加して、それぞれのセッションで別のトピックについてトークした。ということで、未だにちょっと時差ぼけ気味というのもあって、だいぶ疲れた。どっちのセッションもやっぱりオモシロイ話題が多くて結構楽しめたんだけど、細胞競合ワークショップの熱気はなかなかすごかったなぁ。今回はやはり合同大会で人が多いからなのか、あれだけ聴衆が多くて会場の後方に立ち見の人がぎっしりというのは久しぶりだったように思う。
で、二つ目のフォーラム終了後に、スピーカーと関係者数人で三ノ宮に出て来て打ち上げ。その席で隣になった若者が、このブログを読んでくれているということで、なんやかんやと裏話で盛り上がったり。初めて会う人でもやっぱりブログを読んでくれている人っていうのは、なんか自分のことをよく知ってくれているような気がして話しやすいのよね。ということで、ConBio2017の一日目終了。

2017年12月6日水曜日

ConBio2017 一日目

今日から生命科学系学会合同年次大会 ConBio2017 が開幕。自分は今日一日目の午後に、以下のワークショップとフォーラムで連続して二本のトークを行う予定。会場どっちも同じとこやから楽やね。どちらも面白そうな話題がたくさんあるセッションなので、皆様是非お越しくださいませ。

[1PW16] 細胞競合の分子機構と生理的意義:どこまでわかって何がわからないのか
16会場 16:00 18:30
細胞競合とは、近接する細胞間で相対的に適応度の高い細胞(winner)が低い細胞(loser)を排除する現象であり、発生過程における優良細胞の選択や組織からのがん原性細胞の排除など、多様な生命現象に関わる可能性が示されつつある。ここ10年ほどの研究で、細胞競合を引き起こしうる様々な因子が見いだされ、その分子メカニズムの理解が進んできた。一方で、異なるトリガーによって引き起こされる細胞競合現象にどの程度の共通原理が存在するのか、また、その分子メカニズムの全貌や生理的役割はいまだ多くの謎に包まれている。本ワークショップでは、様々な解析系で見いだされた細胞競合現象の分子メカニズムとその普遍性、生理的意義について、どこまでわかって何がわからないのか、そして何を理解すべきなのかを整理しながら、現状と今後の展望について議論したい。

[1F16] 細胞の個性獲得と器官形成・維持の秩序原理
16会場 18:45 20:15
個体の各器官には、多種類の細胞が一定の割合で存在し、個体に合ったサイズで形づくられることで、その器官特異的な機能を発揮する。そのため、細胞の多様性の獲得と器官構築における秩序形成は統制されなければならず、これが崩壊すると器官の形成不全や腫瘍形成が引き起こされ、生命機能が大きく脅かされる。したがって、細胞の増殖・分化や、器官の形成・維持のメカニズムを知ることは、器官構築の原理を理解するだけでなく、病因解明の観点からも重要である。本フォーラムでは、細胞の個性獲得と器官形成の秩序を決定するメカニズムを独自の視点で研究する中堅または若手研究者を集め、発生段階におけるシグナル伝達経路、サイズセンシング、器官の機能破綻と疾患、数理モデルを用いた理論的な器官構築など、それぞれの専門を生かした研究成果を発表し、個性と秩序の統制について分野横断的な議論を行う。

2017年12月5日火曜日

drowsy

今日は時差ぼけプラス低気圧の影響か、午後から強烈な眠気に襲われて、ふと気づくとオフィスの椅子で気を失っていた。。。また明日から土曜日まで出張に出ないといけないので、実験の指示以外にも色々としておかなければいけないことがあるんだけども。ということで、夕飯後から少し復活したのでもう一度オフィスに戻ってきて準備の続きをして、今ようやく目処がついた。あとはまぁ、出張中に空き時間を見つけてという感じかな。

2017年12月4日月曜日

一週間ぶり

一週間ぶりにラボに帰ってくると、出張前の先々週からMさんが一生懸命やってくれていた実験の顕微鏡サンプルが、書き置きとともに丁寧に低温室に並べられていた。ということで、時差ぼけでえらい眠たいんだけども、今晩はもう少しこれらをコンフォーカル解析。しかし、実験結果はどれも結構クリアーなのだが、これらはクリアリーに今までの自分の仮説を棄却してくれているなぁ。。。