2012年8月3日金曜日

オボディー

「オボディーってどうやって使うの?」ってジャッキーが唐突に聞いてきた。
オボディーっていうのはいわゆるdominant female-sterile (DFS) mutationsの「ovoD」のことで、このmutant alleleのautosomal insertion(P[ovoD1])とFLP-FRTを用いてovaryでgerm-line chimeraを作るテクニックである「FLP-DFS」のことを言っとる訳です。recessive zygotic lethal mutationのmaternal effectを解析するのに有効なんですね。oogenesisでgerm-line cloneを見たい場合にもよく使います。まぁ、基本的にはheat shockでmitotic recombinationを誘導する普通のFLP-FRT mosaic systemと同じなんだけども、recombination後にovoDのchromosomeを1コピーでも持っているegg chamberはみんなoogenesisのearly stageで死んでしまうので、基本的には全てのegg chamberがhomozygous germ-line mutant cloneになるから便利なんだよ、と教えてあげたのだが、ここでふと「え、じゃあどうやってオボディーのラインって維持してるの?」という疑問が二人同時に出てきた。これ、知らんかったけどオモシロイというかシブイトリックやねぇ。
ちなみに答えは例えばコチラ

つまりこれらのラインにはP[ovoD1]以外にも、dominant male-sterile (heterozygous females fertile) のmutationも含まれとるんですね。例えば上のFRT G13ではMs(2)M[1]、FRT 82BではbetaTub85D[D]というmutationがそれに当たる。だからこれらのストックの中で、次世代を産み出すメスはovoDを持っていないし、次世代を産み出すオスはdominant male-sterile alleleを持っていないんですね。随分前に少しだけこのFLP-DFSシステムを使った記憶があるんだけども、そういやその時実験に使うバージンメスはマーカーを見て選ばないといけなかったようなことを思い出したわ。

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