Environmental oxygen exposure allows for the evolution of interdigital cell death in limb patterning. Dev Cell, devcel.2019.05.025.
Amphibians form fingers without webbing by differential growth between digital and interdigital regions. Amniotes, however, employ interdigital cell death (ICD), an additional mechanism that contributes to a greater variation of limb shapes. Here, we investigate the role of environmental oxygen in the evolution of ICD in tetrapods. While cell death is restricted to the limb margin in amphibians with aquatic tadpoles, Eleutherodactylus coqui, a frog with terrestrial-direct-developing eggs, has cell death in the interdigital region. Chicken requires sufficient oxygen and reactive oxygen species to induce cell death, with the oxygen tension profile itself being distinct between the limbs of chicken and Xenopus laevis frogs. Notably, increasing blood vessel density in X. laevis limbs, as well as incubating tadpoles under high oxygen levels, induces ICD. We propose that the oxygen available to terrestrial eggs was an ecological feature crucial for the evolution of ICD, made possible by conserved autopod-patterning mechanisms.
昨日は久しぶりにラボのジャーナルクラブで論文紹介。発表したこの論文は、Interdigital Cell Death(ICD)の進化に関するお話で、東工大のMT博士のラボからつい最近報告されたもの。
脊椎動物の手や足が形作られる発生過程において、各指の間の細胞がアポトーシスを起こして除去される、いわゆる ICD(指間細胞死)が重要であることが知られている。この論文でまず比較対象としているのは、モデル動物として一般的なニワトリとアフリカツメガエルの足の発生。ニワトリの足の形態形成ではICDが起こって指の形が現れるが、ゼノパスではICDが起こらずに水かきを持った足ができる。ゼノパスでは指の部分と水かきの部分の細胞増殖速度の違いが制御されて指のパターンができるんだそうな。昔結構ゼノパスを使っていたけどこれは知らなかった。しかし、このようにして通常はICDが起こらないゼノパスでも、酸素濃度が高いhyperoxiaの環境下だとICDが起こることが観察された。さらに、この指の間の組織にVEGFを発現させることにより血管網を増やした場合でもICDが見られるようになる。これら、ゼノパスでICDが生じるどちらの実験条件下でも、この指の間の組織において通常状態では見られない活性酸素種 ROS の産生が観察された。ニワトリの通常発生でも、ICDが起こる部分ではやはりROSが上昇しており、これを低下させることによってICDが抑えられること、さらに酸素濃度が低いhypoxiaの環境下ではROSもICDも抑制されることが確認された。以上のことから、酸素濃度が低い水中で発生する両生類に比べ、陸上で大気中の酸素を効率的に取り込むことができる動物(羊膜類)において、ROSへの応答経路がICDのために発生プログラムに組み込まれたのであろうと考えることができる。実際、陸上で直接発生(オタマジャクシを経ずに卵から直接カエルが生まれる)を行うカエル、E. coquiではニワトリと同じようにROSの上昇を伴うICDが観察されるし、水中生活のアカハライモリは、水かきを持っていないにも関わらずICDが起こらないのである。なるほどねぇ。
しかしこのE. coquiって、学生の頃に読んだ論文に出てきて夢中になったことがあったし、アカハライモリは自分の学位論文の主役だったし、ということで色々と懐かしいことを思い出す論文だった。
2019年7月2日火曜日
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