2010年7月19日月曜日

コメント

先週、論文が出た次の日にOrlando Sentinelという新聞社から論文についての問い合わせがあって、そこの記者から電話でインタビューを受けた。で、その後オンラインで掲載されたそのインタビューの記事を見てみたら、そこに何人かの読者からのコメントが書き込まれてあったのだが、その中に次のようなコメントがあった。

「There is nothing worse than losing a loved one to cancer as many of us have.  Many thanks for the Biologists at FSU that have spent countless hours on research.  I can just continue to hope and pray that someday there will be a cure and it’s individuals like these that keep my hopes alive.」

これを読んだときちょっとジーンとして、なんとも言えないうれしい気持ちになった。
自分は完全に理学部の出身なので、今まで自分を研究へと駆り立ててきた原動力はオモシロイ現象を理解したいという興味と欲求だけだった。だから今まで、人の病気を理解してその治療法を見つけるための研究といったものには全く関わってこなかった。しかしながら、最近ふと気付くといつの間にやら自分の研究はどっぷりとがん研究に関わってきている。今回この論文がこれだけニュースにされるのも、今の研究ががんに関わっているからだ。当然今やっている研究も、元はと言えばがんに興味を持って始めた訳ではなくて、これは面白いと思った現象がたまたまがんに深く関わっていたのだ(といっても共同研究者のYF博士はがんの新たな治療法を開発する使命感に熱く燃えている方なので、その影響は大きいけど)。ただ、勉強しているうちに最近はどんどんがん研究にのめり込んできている。今回この論文の内容を伝えるニュースの記事やこのコメントを見て、ほんの少しだけ自分の中のサイエンスに対する考え方が変わった。

5 件のコメント:

  1. こういうフィードバックって嬉しいですよね。研究が一区切りついたようで、良かったですね!今後もご活躍期待しています。

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  2. どうもありがとうございます。FSUの広報担当の人によれば、OrlandoはGatorsの縄張りに入るから、FSUのこういうニュースがこのOrlando Sentinelに掲載されることは稀なことらしいです。確かにコメント欄を見るとGators vs. Nolesを煽る感じの書き込みがありました。よく分かりまへんな。まぁ一応一区切りと言えるのですが、今はもう次の論文のことで頭がいっぱいいっぱいですわ。。。

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  3. ライバルの大学が納得するものを出したってことでしょうから、素晴らしいですね。Orlando Sentinelは、特にOrlandoに行く前は必ずチェックしてる新聞です、大きいところですよね。

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  4. いい日旅立ちのおばちゃんー2010年7月26日 8:57

    こんにちは。。
    Extraordinary Measuresという映画を観たことありますか?
    ハリソンフォード主演なのですが,Pompe diseaseを緩和させるためのenzymeを研究していたStonehill博士と2人の病気を抱えた子供の家族(父親の時間との戦い)の物語なのです。
    が,その研究者の毎日の研究が愛する人を救う薬を作る。。この映画を見ながら研究者のT博士のブログ思い出しました。。今回の発表で,また癌と戦う人に少しの希望を与えられたのではと思うと本当に素晴らしい仕事だと思います。
    これからもがんばってください。

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  5. ありがとうございます。Extraordinary Measuresのtrailer見てみました。面白そうですね。是非見てみます!

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