2010年6月9日水曜日

コニーのJournal Club

今日の昼はジャーナルクラブでアンダーグラジュエイトのコニーがある論文について発表。まぁ意外とコニーはしっかり理解していたように思えたけど、論文の内容自体についてかなり不満を持った。この論文では全ての実験をGal4>UAS-RNAiの系で行っているのだが、本当にここで示されているフェノタイプがその遺伝子のノックダウンによるものなのか、つまりRNAiが本当にspecificに作用しているのか、という最も基本的な部分が証明されていない。抗体染色でタンパク発現レベルの低下は一応示しているが、同様のフェノタイプがmutant cloneでも見られるのかを示せない以上、何らかのレスキュー実験でRNAiが特異的にその遺伝子をノックダウンしていることを示さねばならないはずだ。このRNAiのspecificityを信じるのであれば、epithelial polarity defectとそれに伴うdelamination、そしてapoptosisというフェノタイプは非常に興味深いのだが、それらの関連性が示されていない。もっと言ってしまえば、なぜこのpathwayのノックダウンによってこれらのフェノタイプが起こるのか、ということが一番重要なはずだがそれもDiscussionで少し触れているだけ。このジャーナルはこのレベルの論文でも通すんだなぁ、とちょっとビックリした。自分もちょうどRNAiを使って仕事をしているので危険性の確認にはなったかな。
で、明日明後日とコンフォーカルの予約をしているので、今日の午後はひたすら染色したサンプルのマウンティング。imaginal discの染色は、この仕上げの作業が一番気を遣います。

2 件のコメント:

  1. すごいです、俺にはすごい難しいトピックです。研究・実験って大変ですね。タラハシを去り、再び感じていることは、日本にはいろいろな良い面(どこも素晴らしいサービス)と悪い面(返品できない、言葉が曖昧かつ難しい)があるということです。flypusher48さんは、日米の文化どちらも適応されている印象で、少しうらやましいものです。このblogを見習って熱く日記書いてみたいです。また遊びに来させてもらいます。

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  2. nyaromeさん、どうも。日米どちらの文化にも適応しているように見えます?確かにアメリカ人の考え方がだいぶ分かってきてそれに慣れてきたかもしれないですね。いまだにストレスを感じることもありますけど、日本人との違いを楽しむ余裕は出てきたかもしれません。nyaromeさんも随分長いことコチラにいた訳ですから、こちらのやり方に慣れすぎて、逆に日本に帰国して日本のやり方にストレスを感じることがあるんじゃないですか?nyaromeさんの日本からのブログ、期待しています。

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