2012年4月19日木曜日

リングケナール

先週のジャーナルクラブでジャッキーが発表していた論文。

Intercellular protein movement in syncytial Drosophila follicle cells

ring canalと言えば、Dr. LC。これは余談だけども、こないだこの「canal」の発音についてドンちゃんとキャメロンと話していて、アメリカ人のキャメロンによると「ケーナル」ではなくて「ケナール」だよと。「へぇ、じゃあリングケーナルって発音したら奇妙に聞こえる訳?」と聞いてみたら「そりゃそうさ、それだとring kennel(円形の犬小屋)に聞こえるよ。」だと。なるへそ、リングケナールね。
で、この論文ですが、平たく言うと、follicle cellやimaginal discのようなsomatic cellにもring canalがあって、実際にcytoplasmic proteinが通過してまっせ、という話。エェマジで?ゆー話ですが、実はこれを聞いて自分はそれほど驚いた訳でもなかった。というのも今までずっとfollicleを見てきた中で、隣接している細胞の細胞質が一部分でつながっている「syncytial」な感じのものをよく見ていたので、実はそうなんかもなぁとか思っていたのだ。だいたいfollicleにもring canalがあるということ自体は前にどこかで読んで知っていたような気がする。まぁimaginal discのような上皮細胞にもring canalがあるとは聞いたことがなかったけど、本当にimaginal discのものもfunctionalなring canalなんだろうか。。。ちなみにこの論文によれば、follicle cellのring canalはgap junction(1.5 nm)よりもはるかに大きい、直径250nmほどもあるintercellular bridge、というか細胞同士をつなぐ「穴」な訳で、実際に小さめのタンパクなら物理的な拡散によって隣の細胞へ移動している、ということをFLIPによってブリーチした細胞の隣の細胞からのGFPの拡散による流入を観察することによって証明している。しかしながら、imaginal discではGFP-taggedのVisgunとPavarotti(ヘンな名前)の細胞膜上のpunctate localization patternが示されているだけで、機能を調べる実験は全く行われていない。
しかし本当にそうだということになると、これはちょっとちゃんと考慮に入れるべきなのかも知れない。だいたい上皮細胞達は普段コレをどういう風に使っとんねんなと。この穴を介したnon-cell-autonomousなintercellular signal transductionってどれぐらいあるんかいねぇ。。。
それにしても、telophaseのcleavage furrowに現れるGFP::Pav-KLPによってマークされたcontractile ringが、キュッと締め付けられてring canalになる様子を捉えたタイムラプスはなかなかビューチフルやね。

この下の写真は自分が随分前に撮ったgermline(nurse cell)のリングケナール。germlineのはCheeriosをバラまいたみたいな感じがかわいくて好き。

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